記事
  • mkubo1
  • 2013年01月08日 19:58

金融円滑化法が終了することは良いこと

金融円滑化法って覚えていますか?

亀井法とまで言われた中小企業救済法といえば、「ああ~」と思う人もいるかもしれません。

その賛否はともかく、この期限が3月末にやってきます。

この円滑化法ですが、どの程度の実績があったかといえば、昨年9月末までの実績で、債務者が中小企業者である場合、件数で343万件、金額で95.7兆円の実行がありました。

また、債務者が住宅資金借入者である場合、23万件、3.6兆円の実行がありました。

注)件数は、あくまで申込み件数で、法人1社あたり、金融機関を平均3社、各金融機関への申し込みが平均3回として計算すると、約38万社がこの制度を利用したことになります。

日経新聞によりますと、約30万社が現在も利用中ではないかということです。

この金融円滑法は、簡単に言えば、債務返済猶予制度ですからね。

専門家の話では、この制度終了後、倒産が増えるであろうということです。

そもそも、この制度は、銀行の貸し剥がし対策としての政策だったのです(亀井さんが小泉改革の批判として)。

しかし、当初の見込みとは異なり、どんどん、残高が増えていく、つまり、運転資金を何とかするために、この制度を利用している企業が増えてきたのは、間違いないようです。

最終的には、貸し付け条件を決める銀行の対応にかかってくるわけですね。

聞くところによりますと、体力のある大手銀行や地方銀行は、(倒産を想定して)ある程度引当金を積んでいるようで、仮に、融資先の中小企業が倒産しても、ほとんど困ることはないようです。

(主要銀行の実績は約24兆円です)

問題は、体力のない銀行や信用金庫などですね。

一方、金融庁としては、急激な条件変更をしないようにと指導しているようですが…

何はともあれ、国内の普通法人と個人事業主(消費税納税申告者)の合計が約400万社ですから、大雑把に言えば10%の法人が申し込んだことになりますね。

世間で言われているように、4月以降、企業倒産が増えれば、それは、一部では、困ったことになるのでしょう。

(現在は、およそ、毎月1000件ペースの倒産件数があります)

ただ、経済全体への影響という点では、銀行も引当を積んでいるのであれば、それほど大きくないかもしれませんね。

ところで、安倍政権は、補正予算は、公共事業を大幅に上積みし、5~6兆円規模になるようですが(当初予算5.1兆円を上回る見込み)、中小企業対策(土建屋対策)を含んでのことだと思われます。

本当に必要な公共事業であれば、それは必要かと思いますが、もし、必要以上の中小企業の延命というような目的があれば、それは、考え物だということです。

というのも、この5、6兆円という数字は、ボトムアップではなく、トップダウンで決まると聞いたので、とりあえず、政治家が数字を決めて、その後、官僚が使い道の詳細を決めていくということのようです。

ですから、予算を使い切るためにも、不必要なことまでやってしまうのかな~って。

期末に工事が多いのもそういうことですかね。

また、不動産投資活性化のための官民共同ファンド(1000億円規模)を創設し、国の出資分の数百億円は、補正予算案に計上するようです。

時と場合によっては、このような政府の介入も効果的なケースがありますが(市場が信用収縮している場合、金融危機後など)、今は、信用問題はなく、ただ、単に、(民間ベースでみた)収益に見合う物件(案件)が少ないことが不動産投資が活発化しない理由でしょう。

このような環境でも、民間の業者は、必死になってアイデアをだし、収益性を高めるような案件を探しているのです。

そこへ、政府系ファンドが入ってきても、収益性の上がる投資というのは、なかなか、望めないと思いますね。

民業圧迫の可能性すらありますが、案外、民間と政府系ファンドの投資案件が違うのであまり関係ないのかもしれません。

月並みですが、不動産投資を活発化したいのであれば、税金を引き下げれば、意外に手っ取り早いかもしれません。

よく言われるのは、不動産取得税で、4800億円程度らしいのですが、これなど、撤廃すればいいのではないでしょうか。

あと、建物にかかる消費税をなくすとか、固定資産税を減らすとか…

そうすれば、経費が少なくなり、投資も活発になりやすいと思いますけどね。

話がおかしな方に行きましたが、ついでに言えば、この大型補正により、追加国債の発行は5兆円から6兆円となり、これで、年間新規国債発行額は50兆円を超えるでしょうね。

こういうことが、いつまでも続くのか…

結果は、数年後、(いや、そんなにかからないかな~)にでてくるでしょう。注)もちろん、うまくいく可能性もありますけど。

必要なことは、変えることです。

ダメなものは縮小し、将来の明るいものは拡大する、国の政策もこれが必要だと思いますね。

つまり、日本の構造を変えて、潜在成長率を上げることだと思います。ですから、金融円滑法が終了することは、長い目で見れば良いことだ思うのです。

あわせて読みたい

「金融円滑化法」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    逮捕されても臆することなく、取材を続けよう〜田原総一朗インタビュー

    田原総一朗

    07月28日 08:07

  2. 2

    東京3000人は五輪強行開催によるモラル崩壊の証。もう誰も自粛しない

    かさこ

    07月28日 08:46

  3. 3

    コロナ対策は菅内閣にも直結 東京の新規感染者数が5000人超えなら菅内閣はもたない

    田原総一朗

    07月28日 14:43

  4. 4

    ロッキンは中止する必要があったのか?〜7 /8の議院運営委員会で西村大臣に質疑を行いました〜

    山田太郎

    07月28日 09:58

  5. 5

    「きれいごとだけでは稼げない」週刊文春が不倫報道をやめない本当の理由

    PRESIDENT Online

    07月28日 12:30

  6. 6

    酷暑下の札幌五輪マラソン 市民の冷ややかな声も少なくない

    NEWSポストセブン

    07月27日 09:36

  7. 7

    中国、ロシア製ワクチンと立憲民主と共産党 まあ少し可哀想ではあるけど、ブレインが悪いのとセンスがないというだけ

    中村ゆきつぐ

    07月27日 08:26

  8. 8

    上司も部下も知っておきたい 「1on1」を機能させるためのコツ

    ミナベトモミ

    07月28日 12:00

  9. 9

    立憲民主党・本多平直議員は「詰腹」を切らされたのか?近代政党のガバナンスにおける危機感

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    07月28日 09:53

  10. 10

    西村大臣の酒類販売事業者への要請撤回 首相官邸の独断に官僚からも疑問の声

    舛添要一

    07月28日 08:34

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。