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猪瀬さんの英語を恥ずかしがる人が恥ずかしい件

先日もLGBTの件でツイッターを騒がせた猪瀬さんだが、今度はツイートする英語がヒドいということで、日向某とかいう猫にディスられている。確かに世界有数の巨大都市の市長なのだから、誰か英語が堪能なヤツ—それこそ、この日向キャットとか—に任せればいいのにとも思う。が、とにかく気の毒である。

猪瀬さんの英語をバカにする人たちを見ていると、つい最近までの自分自身を見ているようだ。自分が少し英語ができるからといって、そうではない人たちの間違いを指摘し、せせら笑い、そうした行動の背景にある自分の器の小ささと劣等感の大きさに気がつかないアホたちだ。

14歳で渡米したぼくは、アメリカでは移民という扱いになっている。そして、これは移民の子供なら誰しも通る道であるが、段々自分の英語力がつくにつれ、親の話す英語が拙く聞こえ、恥ずかしく感じるようになる。我が家の場合も、父親はからっきし英語ができなかったし、アメリカの大学を出た母親の英語も、自分の英語が上達するにつれ、ほころびが目立つようになった。キレイだと思っていた部屋が、眼鏡をかけてみたら実は汚かったみたいな感覚だ。

特に大学に入るくらいの頃が、親の話す英語に対する羞恥心がマックスだった。ぼくの友達と一所懸命に英語で話してくれるのはありがたいのだが、文法や発音、言葉づかいの間違いを察知する度に、くすぐったい感覚になるのだ。

そして、親だけならばまだいいのだが、この恥ずかしい感情は、なぜか日本人一般に対しても感じていた。日本人なのだから、英語でコミュニケーションがとれれば十分なのだろうが、なぜか隣で一生懸命に間違った英語を話している日本人に対して、恥ずかしく感じ、早く黙ってくれまいかと願っていた。

が、今なら確信して言える。両親や、他の日本人の人の「間違った」英語を恥じていた自分こそ、もっとも間違った恥ずかしい人間だと。

そもそもぼくが英語ができるようになったのは、父親の仕事でニューヨークに引っ越したからで、父親に米国への転勤を促し、渡米当初、親身になって英語を教えてくれたのが母親である。日本にいた時は英語が大嫌いだったので、あの時アメリカに渡らなかったら、猪瀬さんなんかよりもっと英語ができない日本人になっていたに違いない。今のぼくの英語力は、両親なくしては考えられないのだ。

そして、今でこそアメリカで生活をしているが、日本は人生の最初の14年を過ごした国であり、家族でもアメリカで生活しているのは、ぼく1人である。このブログだって日本語で書かれていて、日本語を読める人々がいるから成り立っているのだ。

そう、ぼくに両親の、日本人の英語を揶揄する資格など全くないのである。そして、それは多分日向キャットも同じはずだ。

そこの英語が堪能な人たち、おめでとう。あなたは、死ぬほど努力して英語を覚えたか、語学の天才か、はたまたぼくみたいにラッキーな人だろう。ブロガーの戯れ言でしかないが、そんなあなたには、他の人の英語を公の場所でバカにするのではなく(ぼく自身これを何度もやってきており、相当後悔している)、個人的にそっと間違いを指摘してあげたり、どうやったら正しい英語が使えるようになるのか啓蒙する人であってほしい。そっちの方がはるかに生産的だし、日本人の総体的な英語力の向上にもつながるだろう。

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