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「原稿が違う」質問と噛み合わない菅首相に野党抗議 #国会騒然 がSNSで話題に

共同通信社

10日に開かれた参院予算委での菅義偉首相と立憲民主党の蓮舫議員のやりとりの中で、菅首相の答弁が質問の内容とまったく違うとして野党側が抗議する一幕があった。この場面の動画がSNSなどで拡散され、「国会騒然」というワードがトレンド入りするなど話題となった。

「原稿が違う!」菅首相に野党側が抗議し国会は騒然

問題の場面は、東京オリンピック・パラリンピックの開催をめざす政府に対し、蓮舫議員がコロナ疑い患者の搬送困難事案が増加するなど医療がひっ迫状態にあることを指摘。

そのうえで、菅首相に「オリパラ大会の指定病院にオリンピックの選手と、日本人の搬送困難事案の人が来られた場合、どちらが優先されるんですか?」と質問。これに対して菅首相は以下のように答弁した。

「具体的な対応として、例えば海外の選手に、行動規範を原則として宿泊施設及び競技会場などに限定をします。

そのうえで一般の日本人との接触を厳に回避するため、それぞれの場所での動線分離を徹底、そして移動方法を原則専用車両に限定するなど厳格な行動管理を実施しますので、そうした可能性は極めて薄いという風に思います」

この答弁の途中から「速記を止めてください」「原稿が違う」と野次が飛ぶなど議場は騒然となり、答弁が終わると野党議員が「質問と全然答弁が違う」と抗議して委員会は一時中断される事態になった。

BLOGOS編集部

再開されると蓮舫議員は改めて以下のように質問した。

「救急車で搬送困難事案がこれだけ高くなっている。ひとりでも多くの方に病院に入っていただかなければいけないのに、病院にようやく運び込まれても、そこがオリパラ大会の指定病院といわれていて、選手が同時に搬送された場合、どちらが優先して治療されるんですか?」

ここで議長が丸川珠代五輪担当相を答弁に指名したため、蓮舫議員が「ここは総理でしょう」と訴えるなど再び野党側から抗議の声が上がり、委員会は再び一時中断。再開後、菅首相が答弁に立った。

「まず救急搬送困難事案について、把握しているところでは、コロナ前の同時期と比べて増加しています。医療提供体制はまた厳しい状況になっていると認識しています。こうした状況を改善するために国と自衛隊が一緒になって、病床確保をおこなうなど必要な対策を講じております。

さらにその上で、選手など一般国民と交わらないようにするということを申し上げています。行動範囲を原則として宿泊施設及び競技会場に限定をして、そのうえで一般の日本人との接触を厳に回避するため、それぞれの場所での動線分離を徹底をし、移動方法を原則専用車両に限定するなどの厳格な行動管理を実施をし、ルールに反した場合は大会参加資格をはく奪をします。

ですから、そこは外国の選手というのはこういう管理の中で対応したいという風に思っています」

菅首相が先ほどと同様の答弁を繰り返したため、「答えていない」という声が上がり再び議会は騒然となった。これに対して蓮舫議員は声を荒げながら以下のように嘆いた。

「総理、日本国総理大臣として答弁はたったひとつですよ。国民が優先されるでしょ?守るべき命は国民じゃないんですか?ちょっと私はいまびっくりしました。これに答えられなくて、違うことをどうして答えられるんだろうか」

「野党に対するいつも通りの対処法」と指摘する声も

Getty Images

質問とズレた答弁原稿を最後まで読み続けた菅首相の姿にSNSでは「最後まで気付かなかったのか」「疲れているのではないか」と揶揄や心配をする声が集まった。一方で、菅首相のいつも通りの野党に対する対処法だとする指摘もある。

この前の質問では、蓮舫議員が「五輪は本当に開催できるんですか?」と菅首相を問いただしたが、菅首相はその際も同じような答弁を繰り返し以下のようなやりとりが続いた。

菅首相:まず現在の感染拡大を食い止めるために全力を尽くします。また東京大会については、IOCは開催をすでに決定し各国に確認していますが、開催に当たっては、選手や大会関係者も感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催に当たっての政府の基本的な考え方であります。

蓮舫議員:開催国の日本の内閣総理大臣がオリパラ延期・中止を言える権限はないという認識ですか?

菅首相:このオリンピックの主催者でありますけども、IOC、IPC、東京都、それと組織委員会、この4つが主催者になっております。ただ政府としては、今私申し上げましたけれども、現在の感染拡大を食い止めるために全力で取り組むと同時に、開催に当たっては、選手や大会関係者も感染対策をしっかり講じたうえで安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催に当たっての政府の基本的な考え方であります。

これに対し、蓮舫議員は2020年の五輪延期は安倍前首相がバッハ会長に提案したことから決まったことを指摘し、「総理大臣が提案すればIOCは検討してくれるんです。その提案をされませんか?」と呼びかけた。菅首相の答弁は以下の通り。

「今私が申し上げましたように開催に当たっては、選手や関係者の感染対策をしっかり講じて、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていくのが、これが開催に当たっての政府の基本的な考え方であります」

菅首相はこの後も同様の内容や、「先ほど来申し上げている通り」といった答弁を三度繰り返していた。

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