記事

五輪開催是非について、口を開き始めたアスリートたち

1/2

[画像をブログで見る]

新型コロナは社会を分断したともいわるが、オリンピックの開催の是非についても、賛成派・反対派の分断の主因になっている。

オリンピックに出場する選手にとっては、直接的に利害が絡むため、自由な発言ができないような空気があったのかもしれない。
だが、ここにきて口を開き始めたアスリートたちがいる。

新谷仁美、意識した五輪中止の声 16分もぶつけた強烈な持論「国民を無視できない」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「ニュースで拝見しました。コロナに関係なく、スポーツに対してネガティブな意見を持つ人は当然いるんです。その人たちの気持ちにどう寄り添えるかが重要。それはコロナ禍であっても、そうじゃなくても、当然そこは寄り添うべきだと思う。彼らも同じ国民。私たちスポーツ選手は国民の理解と応援、サポートがあって成り立つ職業です。

反対する人、応援してくれる人すべての理解を得るために、やっぱり寄り添う必要がある。国民の意見を無視してまで競技をするようじゃ、それはもうアスリートじゃない。応援してくれる人たちだけに目を向けるようじゃ、私は胸を張って『日本代表です』とは言えないです。

自分たちさえよければいいというのであれば、本当に通用しないと思う。そこはやっぱり私たちアスリートが応えていかないといけない。競技で結果を出して『じゃあいいよね』っていうわけではない。しっかり自分の言葉で自分の意思を伝えることが大事だと思います」

あくまで持論であり、他の選手に強要しているわけではない。日本記録を持つ1万メートルで代表に内定済みの33歳。新谷にとって「寄り添う」とはどういう形なのか。14年に一度引退し、4年間のOL生活を経験。アスリートじゃなくなった時期があったからこそ、スポーツ界の“外”の意見も知っている。客観的な目線だった。

「結果を出していればいいという選手の気持ちもわからなくはないのですが、やっぱり結果だけじゃ伝え切れないのもあると思うんです。結果を出したら勇気や元気をもらえるのか。たぶん、私が逆の立場だったらもらえないんですよ。現実問題、スポーツで世界を救えるのならもうとっくに救えてます。だからといって、アスリートがペコペコして渡り歩く必要はないんです。

ただ、結果を出したからといって偉いわけではない。やっぱりそういうのがアスリートには目立つのかなと凄く感じました。人によっては嫌味にしか聞こえない時もあるんです。嫌だと思う人は当然いる。そういう見えないところ、スポーツに対してネガティブに思う人たちに視線を向けることが重要。私はOL生活を4年間続けたことで、この人たちの意見を聞くべきだと思いました。意見を聞いて『変えていこうか』って直すことを心掛けています」

長い引用になったが、バランス感覚のある発言だと思う。
五輪をなんとしても開催したい政府や大会関係者から、こういう説得力のある発言が出てこないのが問題だ。
本来なら、元オリンピアンでもある橋本大会組織委員会会長が言わなくちゃいけない。彼女は政治の世界に毒されてしまったのかな。

公言はされていないが、五輪を強行したい理由が「メンツ」と「お金」と「選挙対策」であることが見透かされているから、多くの国民が五輪中止を求めている。
五輪をやる手間と金があるなら、国民の救済に回せと言いたくなるのも道理。

次は、元アスリートの為末大氏の発言。

為末大さん 6連続投稿でアスリートの思い代弁「アマ選手には五輪しかない…ただただ選手の心が心配」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

為末さんは、池江の一連の投稿をリツイートした後、自身の意見を表明。「アスリートやその他の表現者の方も含め様々な方々が自分の夢に向かって一生懸命頑張っていることは何一つ咎められるようなことでもなく素晴らしいことで、それで勇気をもらう人もたくさんいると思います。ただその舞台を行うかどうかはまた別の話で冷静に判断することになりますが、それは別の話です」と書き出した。

(中略)

コロナ禍の中、東京五輪中止を求める声も高まっているが、為末さんは「五輪にいろんな思いをみなさんお持ちだと思いますが、アマチュア選手にとっては五輪しかないんです。その為に人生のほとんどを費やしてきているわけですから。最後の一年で大変なことになったからと言って、急に嫌いになってどうでもいいと思うことなんてできないんです」と五輪を前にした選手たちの思いを代弁。最後に「どうかご理解いただきますようお願いします。私はただただ選手の心が心配です。私だったら耐えられていないかもしれません」

五輪反対を主張している人たちは、「自分の夢に向かって一生懸命頑張っていること」を否定しているわけではないと思う。
東京五輪はやめてくれ」といっている。

元オリンピアンだから五輪を神聖視あるいは絶対視するのはわかるが、だからといって五輪だけ特別扱いするのはおかしいだろう。
五輪は特別扱い……問題の本質はここなんだ。

演劇、コンサート、お祭り、映画、学校行事、スポーツの一部など、多くのイベントが中止や延期を余儀なくされ、経済的にも苦境に立たされている人々がいる。彼らはコロナ対策という大義名分のために、中止を受け入れた。
しかし、それらのイベントよりも桁違いに大きなイベントとなる五輪だけは特別扱いということに、不公平感を感じるのは当たり前だ。
それに対する合理的な説明がされていないのではないか。

五輪擁護派の意見を見ていると、「スポーツ最高!」というスポーツを崇高視する傾向があるように思う。
「勇気と元気を与える」とか「感動を与える」とか。
そうかなー? それは過大評価のような気がする。

私はわりとスポーツ好きではあるが、サッカーや野球などの球技限定だ。
陸上や水泳などの、タイムを競う競技には、ほとんど興味がない。速さを競う競技は、肉体のフィジカル勝負なわけで、肉体としてのスペックの高さを競い合っているようなもの。そのために、ドーピングで肉体改造する人がいる。

サッカーでは弱小チームが強豪チームに勝つジャイアントキリングが起きることがあるが、100m走ではほぼ起きない。優勝候補が負けるのは、フライングで失格するか、転倒するか、体調不良で本領を発揮できないときくらい。番狂わせではあるが、ジャイアントキリングではない。決勝に残っている選手は、上位の選手達であって弱小ではないからだ。

あわせて読みたい

「東京オリンピック・パラリンピック」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    飲食店の酒提供に対し小刻みな制限をかける小池都知事 科学的根拠はあるのか

    深谷隆司

    06月20日 16:18

  2. 2

    年上の高齢男性から告白されるということについて

    紙屋高雪

    06月21日 09:11

  3. 3

    共同通信『慰安婦謝罪像、東京で展示を検討』 とんでもないことで許せぬ

    和田政宗

    06月21日 08:22

  4. 4

    日経平均2万8000円割れ:識者はこうみる

    ロイター

    06月21日 11:44

  5. 5

    「反ワクチン」言説は支持しません。が、Amazonなどからの一斉排除はいささかの懸念が残る

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月21日 08:18

  6. 6

    ワクチン接種の義務付けをめぐる「公共の福祉」と「個人の自由」日本とアメリカで違い

    中村ゆきつぐ

    06月21日 08:35

  7. 7

    尾身氏らが提言した無観客開催 五輪ファンの生きがいが奪われるリスクは検討したのか

    山崎 毅(食の安全と安心)

    06月21日 10:53

  8. 8

    60歳以上の約3割「家族以外の親しい友人がいない」孤独に長生きして幸せなのか

    毒蝮三太夫

    06月21日 09:31

  9. 9

    『閃光のハサウェイ』ヒロインの作画が驚異的! とにかく丁寧に作られた映画だった

    キャリコネニュース

    06月20日 14:29

  10. 10

    元トップAV女優・上原亜衣が語る“身バレの現実”と“動画戦略”

    文春オンライン

    06月20日 16:01

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。