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「人生で大事なのは学歴・肩書じゃない」暴言騒動から4年、コロナ禍で再始動した豊田真由子の“結論” 豊田真由子さんインタビュー #2 - 秋山 千佳

「東大に入って初めて、楽に息ができると感じました」豊田真由子が振り返る“名門女子校・桜蔭時代” から続く

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 日本の大学の最高峰「東京大学」に初めて女性が入学したのは1946年のこと。それから75年――。時代と共に歩んできた「東大卒の女性たち」の生き様とは。

 1997年に東大法学部卒業後、厚生省(現・厚生労働省)に入省した元衆議院議員の豊田真由子さんは、国費留学生としてハーバード大学大学院で公衆衛生学を修め、2009年の新型インフルエンザパンデミック時には、WHOを担当する外交官として、ジュネーブで対応に当たった。

 政治家に転身、2017年には秘書への暴言で騒動になったが、失墜を経て、コロナ禍で公衆衛生や政治行政の専門家として、情報番組への出演や執筆活動などで再び脚光を浴びるように。それまでの足跡と、現在の心境について伺った。(全2回の1回目/#1から続く)


豊田真由子さん

◆ ◆ ◆

後進の女性たちに迷惑かけないように、がんばらなきゃ

――厚労省時代、頑張りが認められてハーバード大学大学院への国費留学というのは、男性でも滅多にない立場ですよね。

豊田 人事や評価の面では役所は平等で、女性だから差別されていると感じたことはないです。ただそれは、ようやく私の代になってからで、人事課の方に「女性は、採用しても辞めてしまう。留学に出すと辞めてしまう。だから、あまり採用も留学もしてこなかったんだよ」と言われて。留学する女性は私で2人目で、しかも1人目の方はすぐ辞めてしまったと。もちろん、辞めるつもりなんてなかったですが、そうか、後進の女性たちに迷惑かけないように、がんばらなきゃな、とは思いました。

 民間はもっと大変そうでしたよ。東大の同級生で民間企業に行った女の子は、半分から3分の2くらいは割と早い段階で辞めていたと思います。企業も採用時は世の中が男女平等とうるさいから女性を採用するけど、戦力とは思っていないようなところがあったと思うんです。就職活動の時に初めて皆、男女って平等じゃないんだと思うんじゃないですかね。

民間企業に就職した同級生たちが、直面した現実

――そうですね。就職活動で実感して、入ってまた実感してという。

豊田 そうそう、もちろんみんな頑張ろうと思って入社するわけですが、戦力と思われていない、期待されていないという現実に直面して、続けられなくなっちゃうんだと思います。皆優秀なのに本当にもったいないですよ。例えば新聞社に入った子は今は大学で教鞭を執っていて、都銀に入った子は資格を取って独立しています。あとは転職ですよね。

――97年卒の同級生でも、男性だったら恐らくそこまでの割合で転職していないですよね。

豊田 はい、今は転職も珍しくないですけど、あの頃は「えっ、会社辞めちゃうの!?」とびっくりされる時代ですから。

結婚・出産への迷いは「不思議と考えたことがない」

――なるほど。豊田さんも後に転身されますが、厚労省での働きがいはどうでしたか。

豊田 仕事が大好きで、楽しくて、1日20時間くらい働いていました。責任の重い仕事や大変な仕事をいただくほどありがたいですし、越えられないハードルはないと思っていました。越えるために条件反射のように頑張るという……おかしな人に聞こえますか(笑)。

――いえいえ(笑)。1日20時間働くほど充実していて、ハーバード大学大学院で公衆衛生学を修めて、2009年の新型インフルエンザパンデミック当時はWHO担当外交官を務めて。順調にキャリアアップしている時に、結婚・出産をすることには迷いはなかったですか。

豊田 何に対する迷いですか。

――自分のキャリアがここで一旦足止めを食うとか、出産後に居場所があるかとか……。

豊田 不思議と考えたことがないです。どんなことも頑張ればなんとかなる、と思っていたのかな。

――でも男性によっては妻に仕事をセーブしてほしいと言うこともあるかと。

豊田 そんなことを言う人とは結婚しません(笑)。夫とは、出会った瞬間にこの人と結婚するなと思ったんですよ。まだ一言も話もしないうちからそう感じて本当に結婚しました。

夫と出会って、私はここにいていいんだと思えた

――えっ、そうですか! ハーバードで出会ったんですよね。

豊田 はい。彼が1年早く留学していたので1年早く帰国して、母がすぐ血相を変えて会いに行ったと後に知りました。

――結婚によって人生が豊かになる面はありましたか。

豊田 それは大きかったです。若い頃から「自分は生きている価値がない、誰にも必要とされてない」と思っていたけれど、夫と出会って、私はここにいていいんだと思えました。そこで自己を肯定できない生き方を一度乗り越えて、でもその後で転落していますからね……。

あんなおそろしい政治の世界には関わりたくない

――衆議院議員になってから秘書への暴言騒動がありましたものね。

豊田 そうですね。騒動の真相は、今はまだ詳しく明かせないのですが。ただ、最近メディアに出ているので「選挙に出るの?」と聞かれることがありますが、とんでもない! あんなおそろしい世界には、本当に、もう二度と、絶対に、関わりたくありません。ジュネーブから帰国して、東日本大震災の混乱を目の当たりにして、この国を何とかしなきゃと思って、大好きだった役所を辞め、政治の世界に飛び込んだことを、めちゃくちゃ後悔しています。世間知らずといえばその通りなんですが、政治の世界には、それまで生きてきた世界では見たことがなかった人たちが、たくさんいました。

「政治家としての上手な生き方が私にはできなかった」と話す豊田さん。最後に「私は素晴らしい友人と学問を修める環境を得られた東大が大好きだし、『東大女子』であることがプラスに働いたことも大いにあったとも思います。けれど、人生で大事なのは学歴・肩書じゃない、というのが、色んなことを経た今の私の結論です」と明かしました。インタビュー全文は「文藝春秋digital」で公開中です。

写真=深野未季/文藝春秋

(秋山 千佳/文藝春秋 digital)

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