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【ウォルマート】、テレヘルス企業を買収!サブスクの特典に遠隔医療サービス受け放題?



■ウォルマートは6日、同社傘下で医療サービスを提供するウォルマート・ヘルスが遠隔医療サービスを手掛ける「ミーMD(MeMD)」を買収したことを発表した。

ウォルマート・アプリを介してビデオ通話を利用した、医師によるオンデマンド・オンライン診療を顧客に提供等、医療サービスのオムニチャネル化を進める。

買収金額等の詳細は不明ながら数ヶ月間で買収を完了するという。

2010年創業のミーMDではコンピューターからスマートフォンの専用アプリを介したビデオ通話にテキストメッセージによる医療相談が可能で新型コロナウイルスやインフルエンザの検査、ワクチン接種、病気やけがの治療、予防ケア、メンタルヘルスなどに関する相談を幅広く対応している。

また医療専門家による訪問診療サービスや、処方箋サービスなど、バーチャルと対面ケア双方の利点を融合したサービスまで提供している。

ウォルマートが同社を傘下に収めることで顧客が気軽にいつでもどこでも低価格でテレヘルス(遠隔医療)を受けられることになるのだ。

大手チェーンストアによる遠隔医療ではドラッグストアチェーンのウォルグリーンが提供する医療サービス・マーケットプレイス「ファインド・ケア(Find Care Now)」が先行している。

アプリだけでなくネット上で特設サイトにもなっているファインド・ケアは、症状のフィルタリング機能を通じて利用者近くの様々な医療サービスを的確に提供する。

数年前にローンチしたファインド・ケアは現在までに数多くの医療機関や医療施設と提携。

往信のアポサービスや電話やネットのビデオ通話を使って医者に相談する遠隔医療サービス「MDライブ・ドクタービデオ・コール(MD LIVE Doctor Bideo Call)」が特に人気だ。

24時間サービスでいつでもどこでもオンライン診療を受けられるMDライブは、喉の痛みや咳、下痢など比較的軽い症状に限られているものの仕事の後などに自宅にいながら医者に直に相談できるので便利なのだ。

ファインド・ケアでは皮膚科医との医療相談、鬱のようなメンタルヘルスの診察も対応した心理医療(ビデオコール)、オンライン上でのセカンドオピニオン・サービスまで提供している。

診療のアポには軽度の症状などを診察する近隣のクリニックなどから緊急を要するアージェントケアまで含まれている。一部地域では眼や耳などのケアサービスも提供しているのだ。

ファインド・ケアにある慢性ケア管理では、糖尿病、高血圧、狼瘡、多発性硬化症および睡眠時無呼吸などの慢性疾患および健康状態の患者が理解することを学ぶのを助けるためにヘルスケア専門家によって行われる。

慢性ケア管理では、糖尿病管理システムを開発するデキスコム(Dexcom)のCGMシステムのスタートガイドやFAQを提供しているのだ。

また昨年から新型コロナウイルス(Covid-19)の診断などを行うサービスを開始した。無料の同サービスは新型コロナウイルスについての疾病予防管理センター(CDC)ガイドライン情報を包括的に得られるだけでなく、よくある質問とその回答を集めたFAQや自らの環境要因から診断できるスクリーニングツールから最近ではワクチン接種についても掲載している。

 ウォルマートのテレヘルスは様々な場面でもアピールできるようになる。リアル店舗から仮想空間のデジタル資産を最適化しクローズド・ループ・オムニチャネル・メディア企業になるからだ。

ウォルマートは今年1月、メディア事業部「ウォルマート・メディア・グループ(Walmart Media Group)」を「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」に部署名を変更し、スタートアップでデマンド・サイド・プラットフォーム企業のトレード・デスク(Trade Desk)と提携しメディア売上を拡大していくと発表した。

店内にあるデジタルサイネージ広告やホームページのスポンサープロダクト広告だけでなく、急成長するネットスーパーなどに対応したデマンド・サイド・プラットフォームを応用しても売上を上げる。

米国内に4,700店以上を展開するウォルマートでは週客数が1.5億人となる。アメリカ人の実に9割がウォルマートで買い物をしているのだ。

ウォルマートの買い物客が店内で目にする物理的な接点も無数にある。例えば顧客の目にとまるテレビモニターなどのデジタルサイネージやセルフチェックアウトレジだけでも17万台もあり、広告媒体として最大限に使うことができる。

ネットスーパーなどネット売上を急増させているウォルマートでは、商品検索後に販促したい商品をページのトップに据える、クリック課金制のスポンサープロダクト広告も広告売上の大きな柱となっている。

クローズド・ループでテレヘルスも効果的に宣伝できるようになる。

 それだけではない。医療サービスやファイナンシャルサービス、他の様々な人的サービスを拡充することで昨年9月から開始したサブスクリプション「ウォルマート・プラス(Walmart +)」にサービス特典として加えられることも可能となる。

プライムビデオで映画やドラマ、テレビ番組が見放題のように簡単な医療サービスやメンタルヘルス相談なら無料で受け放題ということも考えられる。

 ウォルマートのサブスクリプションはまだ始まったばかりだが、将来的には初期段階の治療から幅広い診断を行えるバーチャル・プライマリー・ケアまでサービス特典に加えられるかもしれないのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。「多店舗展開を基にしたチェーンストア理論は崩壊」というのは後藤の主張。ウォルマートも2年連続で店舗数を減らしています。ではチェーンストアの次の成長の柱はなにかというとサブスクリプションです。アマゾン・プライムのように会員数を増やすことで売上を確実に拡大していくのです。そのためにはプライムビデオで映画やドラマ、テレビ番組が見放題とか、プライムミュージックで音楽が聴き放題とか、生鮮品などが1時間で届くプライムナウが利用可能等、特典として加えられる付加価値が重要。

で、ウォルマートの場合、ターゲット顧客は比較的所得が低い世帯となるため、価値の高い付帯サービスは医療や金融の中にあります。例えばウツなど家族のメンタルヘルスの相談もアプリを介して365日24時間、いつでもどこでもできれば年間98ドルのサブスク費も相対的に安く感じます。アマゾンプライム会員になればアマゾンでの買い物が増加するようにウォルマート・プラスも同じことが起きます。

 世の中にはまだ割高なサービスが無数にあります。ウォルマートは今後も買収を通じてサービス拡大を図りひいては自社サブスクに付加していきます。

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