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温室効果ガスの削減目標の虚しさ

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温暖化問題で付録のように登場するのが、環境少女のグレタ・トゥーンベリさん。

環境活動家のグレタ・トゥーンベリ、アースデイにアメリカ議会でスピーチ「今すぐ化石燃料から脱却を」| カルチャー | ELLE [エル デジタル]

グレタは「私はここで、なぜ実質的で劇的な変化を起こし現在利用可能な最先端の科学に沿って二酸化炭素排出量を劇的に減らす必要があるのかを説明するつもりはない。今は2021年だ。私たちがまだこんな議論をしているという事実、納税者の金を使って化石燃料を直接的、間接的に助成しているという事実は恥ずべきものだ」と厳しく批判した。
※誤字は訂正

極左ともいえるグレタさんだが、彼女の要求通りをことをすれば、多くの企業が倒産し、多くの失業者が生じる。失業者の増加は社会不安を招き、暴動や反乱の火種になる。それでも二酸化炭素削減の方が重要というのであれば、そのために死ぬ人が出てもかまわないという理屈になる。この場合、経済的あるいは社会的に弱者の人々が犠牲になる。

徹底した脱炭素で多くの死者が出ることを許容できるかどうか。
グレタさんは許容する立場なのだろう。
若者世代が彼女を支持するのなら、弱者切り捨てに賛同するかどうか。

脱炭素の理想を実行しつつ、経済的・社会的な弱者を救うことが可能であればいいが、両立は難しいと思う。

グレタさんはWHOに寄付をしているそうだが……

グレタさん、WHOに1300万円寄付 ワクチン支援 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 世界保健機関(WHO)は19日、新型コロナウイルスワクチンを共同調達して低中所得国などに供給する仕組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」支援のため、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの名を冠した財団から、10万ユーロ(約1300万円)の寄付を受けたことを会見で公表した。

その行動は称賛するが、脱炭素で失業する人たちをグレタさんの財団で救えるわけでもないし、そのつもりもないだろう。おそらく、化石燃料を使う企業は罪人であり、そこで働く人も同罪という考えなのではと想像する。彼女のこれまでのロジックだとそうなるように思う。

もし、脱炭素最優先で弱者切り捨てという社会が来るとすれば、それは現在のコロナ渦の再現になる。
つまり、感染拡大を抑制することを最優先にしたため、飲食業や観光業などの倒産を加速させ、経済的弱者がより厳しい状況に追い込まれ、貧困や自殺者が増えている。
脱炭素最優先でも、同じようなことが起こりうる。
その負の痛みはやむをえないと目をつぶるか。コロナ渦では目をつぶっている。

はっきりしていることは、「全員は救えない」ということ。
急激な脱炭素社会への変化で犠牲になる人は必ず出てくる。
どこかで線引きをする必要性に迫られる。
グレタさんや彼女を支持する人たちに、その生死を分ける線引きの覚悟はあるのかどうか。
ある意味、神の裁定だ。

環境問題の根本的な原因は、人口が多すぎること。
増え続ける世界人口が、温暖化問題だけでなく、食糧危機、水不足危機、プラスチック汚染問題などを引き起こしている。
人類は地球の適正人口を超えてしまった。人口を減らすことを考えないと、いずれ自滅する。

温暖化問題での基準年として、産業革命以前がよく持ち出される。
1750年の人口をひとつの目安とするなら……

1750年の推計世界人口は、6億2900万~9億6100万人とされているので、中を取って7億5000万人とする。
2020年の世界人口は約78億人。
ということは、約10倍になっているわけだ。
1750年に戻すということは、人口を10分の1にすることを意味する。
あらゆる環境破壊要素を10分の1にするのは、至難の業。
ひとり当たりのエネルギー消費量が変わらないと仮定すると、人口が10分の1になれば、世界のエネルギー消費量は10分の1になる。単純な話。

グレタさんの理想を実現するのに、もっとも効果的な方法は、人口削減なんだ。
そのためには、積極的な少子化を進める必要がある。
経済成長のためには人口増加が必要だとされてきた。労働者と消費者が増えないと、経済成長は持続しないからだ。

日本は人口減少に転じているが、人口減少で社会を維持するための新しいシステムを構築しないといけない。それは、これまでの経済的自由主義あるいは市場経済といったシステムとは、違うシステムだ。経済に依拠したシステムは、いずれは破綻する。無限の経済成長などありえないからだ。

新しい社会システムの革命が起きないと、人口削減社会はうまく機能しないだろう。
それは人類文明が持続可能な未来へのパラダイムシフトでもある。

2050年は、私も生きていない(^_^)b
世界がどうなっているかは、若い世代に見届けて欲しいと思う。

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