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【ネットスーパー】、物流の2つの流れ!ウェグマンズとトレーダージョーズはどうなる?



■スーパーマーケット・チェーンではカーブサイド・ピックアップや宅配によるネットスーパー展開で物流に2つのメソッドがある。

マイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)とセントライズド・フルフィルメントセンター(Centralized Fulfillment Center:CFC)だ。

両者ともAIを利用したオートメーション化されたロボット物流なのだが、規模が全く異なっている。

MFCはスーパーマーケット店内もしくは店に併設する形で設置され、広さは5,000〜2万平方フィート(140〜560坪)となる。

方やCFCは30万〜40万平方フィート(8,400〜1.12万坪)にも及ぶ。分散型のMFCは導入された店舗もしくは近所にある数店舗までをカバーするためのネットスーパー物流だ。

一方のCFCは文字通り州をまたぎ数十〜数百の店舗を対象にした物流を1ヶ所に集中した物流倉庫となる。

主に店内に導入されるMFCは半年から数ヶ月程度で工事が終わるのに対して、CFCは着工から稼働までに2〜3年は必要となるのだ。

無論、コストも異なりMFCの導入コストは数百万ドル(数億円)で済む程度なのだが、CFCは5,500万ドル(60億円)以上もかかってしまうのだ。

したがってCFCのメソッドをとるのはスーパーマーケットチェーン最大手のクローガーのみ。

方やMFCメソッドには大手から中小のスーパーマーケットが導入している。

また呼び方も企業によって様々だ。

クローガーはCFCを「カスタマー・フルフィルメント・センター(Customer Fulfillment Center)」と顧客を意識した呼び方に変え、同時に「小屋」を意味する「シェド(shed)」を愛称にしている。

MFCもウォルマートは「ローカル・フルフィルメントセンター(Local Fulfillment Center:LFC)」と別称で呼んでいる。

アホールド・デレーズUSA傘下でペンシルバニア州などに190店舗近くを展開するジャイアント・カンパニーが計画しているネット対応のダークストアMFCも「Eコマース・フルフィルメントセンター(e-commerce fulfillment center:EFC)」と呼んでいる。

今年11月に稼働が予定されているEFCはMFCとしては最大級となる124,000平方フィート(約3,500坪)。

ちなみにクローガーの最小CFCではミシガン州ラムルスの13.5万平方フィート(3,780坪)がある。

ネットスーパー専用の物流倉庫の展開にはロボット物流開発のスタートアップ等との企業提携が欠かせないのも特徴だ。

チェーンストア最大手のウォルマートはロボット物流企業のアラート・イノベーション(Alert Innovation)と提携している他、MFC開発のデマティック(Dematic)やファブリック(Fabric)のベンチャーとも提携し、LFCを展開する。

ウォルマートのように複数のスタートアップと提携するのは珍しく、クローガーではCFCをネット専業スーパー最大手のオカドグループと提携している。

ミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンターを展開するマイヤーもデマティックと提携してMFCを導入、アマゾンもでマティックと提携していることが確認されている。

テキサス州を拠点に展開するHEBは、MFCを手掛けるスイスログ(Swisslog)と提携、スイスログはアホールド・デレーズUSA傘下ジャイアントと提携してEFCを建設中だ。

最もスーパーマーケットとのつながりが多いのはMFC開発のテイクオフ・テクノロジー(Takeoff Technologies)。

提携先はアルバートソンズやアホールドデレーズ(ストップ&ショップ)、ウェイクファーム(ショップライト)、南フロリダで35店舗を展開するセダノス・スーパーマーケット(Sedano's Supermarket)、マサチューセッツ州とコネチカット州に食品スーパーなど85店を展開するビッグYがある。

テイクオフでは海外勢にオーストラリア・ニュージーランドで最大の小売業者のウールワースやカナダ最大の食品スーパーのロブロウとも提携している。

14州に97店舗を展開するアジア系食品スーパーのHマートはオートストア(Auto Store)と提携したMFCを建設すると3月に発表している。

 CFCとMFCの2つのメソッドに分かれているがネットスーパー専用のロボット物流倉庫はまだ萌芽期にあり実験段階だ。

ネットスーパーがまだ急成長しており、新たな物流メソッドが生まれる苗床にもあるのだ。

トップ画像:アルバートソンズ傘下セーフウェイにあるテイクオフ・テクノロジーのMFC。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカのネットスーパーの勢いは買い物をしていても目にします。例えばアマゾン・フレッシュでは買い物すると必ずといっていいほど品薄や品切れを目にします。先日もロサンゼルス国際空港近くのアマゾン・フレッシュ・ラデラハイツ店に買い物にいきましたが、平日の午前中にもかかわらず最も安い値段の卵が欠品になっていました。

近所にある日系スーパー(ドン・キホーテのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス傘下)でもインスタカートを開始しています。買い物していたら後藤にアフリカ系アメリカ人の女性がジャパニーズキューカンバー(きゅうり)について尋ねてきました。

きゅうりを教えてあげて確認したらやっぱりインスタカートのショッパーでした。ネットスーパー隆盛の時代。だからこそネットスーパー専用物流の投資も大きくなっています。意外なのはウェグマンズがまだ動いていないということ。そして物流どころかネットスーパー自体に「動かざること山の如し」なのがトレーダージョーズ。

 何事にも揺らがされない心を持ち、動くべき時までは決して軽々しく動いてはいけないという信念をもつのは素晴らしいですが、今の潮流の速さからは早めに動いたほうがいいと思うのですけどねぇ...

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