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米財務長官金利上昇に言及 ~ 「ゴルディロックス相場再来期待」に対する警鐘

「米経済が過熱しないよう確実を期するには、金利はやや上昇せざるを得ないかもしれない」(5日付 Bloomberg 「イエレン米財務長官の発言に市場動揺-金利上昇の可能性に言及」

この「金利」が「政策金利」を指しているのか「市場金利」を指しているのかについては見方が分かれている。この発言が前FRB議長であるイエレン財務長官のものであることからして、小生は現時点では「市場金利」つまり「長期金利」を指していると考える。

とはいえ、4日前に米ダラス連銀のカプラン総裁が「金融市場に過剰なリスクテークの兆候が見られるとして、米金融当局が大規模な債券購入の縮小を議論し始めるべき時がきた」と述べた直後の発言だけに気になるところ。

仮にテーパリングがFRB内で議論のテーマになって来ているとしても、市場への影響の大きさを考えると、先日テーパリングに関しては時期尚早として完全否定したパウエルFRB議長自身がその可能性に言及するわけにはいかない。

そのように考えると、近い将来必ず実施されるテーパリングによる市場の動揺を抑えるために、周囲から雰囲気づくりを始めているということは十分に考えられること。

2013年5~6月に起きたバーナンキ・ショックを、イエレン財務長官はFRB副議長として、パウエル議長もFRB理事として経験しているうえ、ゴールドマンサックスグループ副会長というキャリアを持つカプラン総裁も、FRB議長の発言の影響度は十分に理解しているはずである。

この1週間のテーパリングに関する一連の発言は、バーナンキ・ショックを知るこの3人による阿吽の呼吸によるものだったのかもしれない。

毎週コメントしている「WORLD MARKETZ」(東京MX2:093)でも指摘していることだが、先月頃から「ゴルディロックス相場」の再来という見方が出て来ているが、見誤ってはいけないことは「金融政策のベクトルは緩和に向いていない」ということだ。

この数日のカプラン総裁とイエレン財務長官の発言は、「ゴルディロックス相場再来期待」に対する警鐘だといえる。

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