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女性の姓の選択権と差別

日本はいつから女性を男性より下に見るようになったのか。男性と女性の能力差、正確に表現すれば得意分野と不得意分野の差は当然ある。この男女差が男性優位に結びつかないのは議論するまでもない。むしろ得意分野を活かすことが社会の発展に役立つ。

では日本は女性の能力を活かそうとしているのか。

日本では女性蔑視の事例がいくつもある。代表的には天皇になれるのは男性だけであり、女性はなれない。「そんなこと、国民には関係ない」としても、夫婦同姓制度はどうだろうか。

多くの場合、結婚すれば女性が男性の姓になる。差別ではないのだろうか。屁理屈を言えば、婿入して男性が女性の姓になってもいいのだから、この制度が直接的に女性を蔑視しているわけでない。しかし、改姓した女性側の姓は、実は女性の父親の姓であることが大部分だから、やはり男性中心社会の延長線上にしかない。

この点、最高裁は15年12月、「夫婦同姓」を定めた民法の規定を合憲と判決した。この理由は、「夫婦同姓」が「社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」というものだとか(朝日新聞)。

この判決、「社会に定着」させた社会的もしくは制度的背景を無視している。だから、トートロジー(同義反復)的な判決である。三権分立を奉りながら、裁判官が自分たちの任命権者を、激しく尻尾を振りながら見ているのかもしれない。

それはともかく、男性優位は戦争が常態化していた時代の名残だと考えられる。陸軍に代表されるように、体力勝負の戦争にあっては、女性は役立たずか(僕も役立たずだが)、むしろ足手まとい(さらに言えば兵士を惑わす)と評価されていたのだろう。でも、そんな体力勝負の戦争が、現在のように過去の遺物になればどうなのか。

世界を見渡しても、夫婦同姓を制度とする国はないらしい。中国からの留学生と雑談していて、父親と母親の姓が違うことに気づいたことがある。最初は「離婚したのかな」と思ったが、それは日本の常識に毒された推論であり、中国では別姓が当然らしい。

先程の朝日新聞の記事には、夫婦同姓について、日本だけの制度だと政府も認めているとの記載がある。日本が世界で「ドベタンコ」というわけだ。

でも、日本の有力な政治家はそれを変えようとしない。これがつい、サメの脳みそ元総理の発言に繋がるのだろう。その一方でLGBTの議論をしようとしている。LGBTの問題を無視するわけではないが、差別という意味では枝葉末節の議論に乗り、「差別を無くそう」とのフリをしてだけだと感じてしまう。「変なの」である。

ということで、女性の能力を述べる暇がなかった。1つだけ、比較的平和な平安時代、紫式部や清少納言といった女性の活躍が目立つことだけを書き足しておきたい。さらにもう一言を思いついた。こんな認識で憲法を変えられた分には、かなり歪んだものになるだろうと。僕の意見として、憲法を変えることには賛成なのだが。

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