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「夏の世界的スポーツイベント」求人広告“多発”の怪 新聞各社はなぜハッキリ口を出さないのか? ミルクボーイも真っ青の「東京五輪師匠」 - プチ鹿島

 何かとザワザワしてきた東京五輪。

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 そんななか面白かった記事がこちらです。

『五輪・パラ スタッフこっそり?募集』(東京新聞4月24日)

 今、ネットに次のような求人広告があふれているという。

「【激レア求人】夏の一大スポーツイベント運営staff」
「経験・スキル・知識不問 大量募集の今がチャンス!」
「大規模スポーツ大会★歴史を作る仕事をしよう」
「とにかく超大量募集です」

 このアルバイト、共通しているのは「7~9月」の「世界的スポーツイベント」。なのにどの広告にも「五輪」とは書かれていないという。記者が募集している会社に聞いても口は重い。

 では働く場所はどこか?

「国立競技場」。

 明らかに東京五輪ではないか。


©iStock.com

ミルクボーイも真っ青な東京五輪の求人広告

 この感じ、どこかで見たなと思ったらミルクボーイの漫才だ。

「うちのオカンがね、アルバイトの名前を忘れたらしくてね」

「どんな特徴か教えてみてよ」

「7~9月におこなわれる世界的スポーツイベントやいうねん」

「東京五輪やないかい。その特徴はもう完全に東京オリパラやがな」

「オカンが言うには五輪だとは教えてくれないらしいんや」

「ほな東京五輪と違うかぁ。バイトどの場所でやってんの」

「国立競技場やいうねん」

「東京五輪やないかい」

 やっぱりミルクボーイの漫才にそっくりだ。でもこれってかなり深刻なことでもある。大量募集している求人広告がM-1王者の漫才のようなおかしみを持ってしまうのだから。当人たちが真面目にやればやるほど喜劇になっているという意味でもある。

「コンサートの設営もアーティスト名は出さない」?

 ある求人元は「これは五輪です」と遂に認めた。名前を伏せる理由として「コンサート設営スタッフ募集なども、アーティスト名は出さない」との返答だった。しかし疑問が浮かぶ。

 というのもアルバイトの内容は「五輪ボランティア」とまったく一緒なのだ。一方はタダ働きで一方は「時給1400円~2000円」。こんな不平等はちゃんと説明しなければおかしい。

 2月の森喜朗氏の性差別発言の際にボランティアが約1000人辞退したと公表された。

 今またコロナ禍や五輪開催に疑問を持った人々が辞退しているのか? その補充のためにこっそりバイト募集をかけているのだろうか。組織委員会は森騒動後のボランティア辞退者数は「更新した公表数字はない」と記者に回答している。またここでも秘密主義だ。

いまだにスケジュールが分からないのは…五輪そのもの

 求人広告は自分でも調べたら簡単に見つかった。ある広告は人手集めによほど必死なのだろうか、

「※夏のスケジュールがわからなくても申請だけでもOK!」

 とあった。

 いまだに「夏のスケジュールがわからない」のは東京五輪だろうに。

 こんなツッコミが誰でも浮かぶほど大ボケがすごい「東京五輪師匠」。

 私が「師匠」と呼びたい理由はそれだけではない。東京五輪師匠だけは何をやっても許されるからだ。

 金遣いが荒い、差別やパワハラを週刊誌に書かれっぱなし、でもコロナ対応は優遇されている。もうやりたい放題である。

五輪担当相も「見せてもらえない資料がある」

 少し前に、

『見えない予算 東京五輪人件費「一人1日30万円」 組織委内部資料、実額は非公表』

 という毎日新聞のスクープがあった。東京五輪の会場運営を企業に業務委託する際の内部資料だという。企業に一人1日30万円も払う? だとしたらどこに中抜き、いや、納められるのか。

 この件について丸川五輪担当相は国会で問われると「守秘義務で見せてもらえない資料がある」と答えた。何のための五輪、五輪担当相なのか。

 すると東京五輪師匠は日本看護協会に大会の医療スタッフとして看護師500人を派遣するよう要請!

 複数の看護師の声を報じたのがスポーツ報知。『「五輪中止してほしい」「正直行きたくない」看護師500人派遣巡る現場の声』(4月28日)。

 さらにこんなスクープも。『五輪選手は入国初日から練習OK』(読売新聞オンライン4月25日)。

 選手やコーチらは入国後はウイルス検査を毎日実施し、行動範囲を限定することを条件に、入国初日から練習を認めることになるという。

《国民の生活が著しく制限される中で、アスリートへの対応は特例中の特例。(略)当然、政府や東京都、大会組織委員会など関係機関には丁寧に説明を尽くす姿勢が求められる。》

 産経新聞は『緊急事態 延長不可避か』(5月2日)と書くなかで、今回の宣言の短さは「国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が17日に来日することも念頭にありそうだ」とふれた。

 官邸関係者のこんな言葉も。「みんな五輪のことを気にしていた。発令期間をなるべく短くしたかった」(毎日4月30日)。

 私が冒頭で「何かとザワザワしてきた東京五輪」と書いたのは、さすがに東京五輪ヤバいのではという声があらためて大きくなってきたからだ。〈#看護師の五輪派遣は困ります〉というツイッターデモや関連ツイートはトレンド入りした。

ざわつく東京五輪に対して各新聞の声は…?

 そんななか注目したいのは新聞の「声」だろう。

 東京五輪のスポンサーでもある朝日新聞は社説(4月30日)で、

《「開催は決まっている。問題はどう開催するかだ」。そんな言い分はもはや通らない。冷静な目で現実に向き合う時だ。》

 一見厳しいことを書いているようにみえるが、「冷静な目で現実に向き合う時」って何だろう。これではただの匂わせである。タレントのブログみたいだ。

ハッキリ言わないメディアが増長させる“東京五輪師匠”!

 こんな言い方もあった。 橋本聖子組織委会長は「無観客の覚悟持っている」と発言したが、無観客だと組織委が900億円を見込んでいたチケット収入はゼロになる。

 それについて朝日は《都民や国民に理解を求めることも不可欠だ。》と書いた(4月29日)。

 理解を求めるとは何か。つまり税金で穴埋め? ハッキリ書いてくれないとわからない。

 スポンサーならカネも出すが口も出すではダメなのだろうか。新聞がこれだけゴニョゴニョしてるのって「東京五輪」の名を示さないアルバイト求人広告とあまり変わらない気がする。

 これからは「東京五輪」と書かずに「7~9月におこなわれる世界的スポーツイベント」と書いたらどうか。

 メディアがゴニョゴニョしてるから、東京五輪師匠はますますやりたい放題でお元気なのである。

(プチ鹿島)

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