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新市長と県知事は批判スルー!千葉市で1万人規模のロックフェス

共同通信社

「県をまたいでの移動を自粛してほしい」

1都3県の知事は、大型連休中の「ステイホーム徹底」を訴えている。

小池百合子都知事は緊急事態宣言発出後、大規模イベントについては無観客開催を要請、多くのコンサートには中止、あるいは延期を促し、さらには感染対策を強化して継続してきた落語の寄席についても休業(休演)を要望した。

千葉・埼玉で大型フェス開催中の謎

そんな状況の中「まん延防止等重点措置」の埼玉県では、さいたまスーパーアリーナで「VIVA LA ROCK 2021」を5月1日から5日間に亘って開催しているし、千葉県においては千葉市が管理する蘇我スポーツ公園で「JAPAN JAM 2021」を2日から4日間繰り広げている。業界関係者は言う。

「これはコンサートではなく、いわゆる〝音楽フェスティバル〟です。『VIVA LA ROCK』は屋内イベントとなっていますが、『JAPAN JAM』は屋外での大規模イベント。そもそも両県ともに知事はゴールデンウィーク中の共同メッセージとして、人の流れを抑制するために都県境を越えた移動、不要不急の外出の自粛を訴えていながら、今回のイベント自粛については全く触れていません。それどころか『VIVA LA ROCK』は、埼玉県とさいたま市が後援しています。

また『JAPAN JAM』については、千葉県の熊谷俊人知事が千葉市長時代に誘致したフェスだと言われており、前知事だった森田健作氏の意向で千葉県としては関わってきませんでしたが、千葉市は後援となっています。しかし、さすがにこの時期の開催はリスクが大き過ぎるし、明らかに共同メッセージとは相反していると思わざるを得ませんね」

特に「JAPAN JAM」については、県内外から批判や異論の声が殺到していたこともあって、当初フェスの主催者として発表されてきた地元のFMラジオ局「BAYFM」は直前の4月28日になって主催の取り止めを正式発表するなど内部でも混乱が起きていた。

このような事態に対応し、最終的に企画制作だったロッキング・オン・ジャパン社と、運営を担当していたクリエイティブマンプロダクションが主催になって開催にこぎつけたのだ。

しかし、感染が蔓延する中での野外フェス開催に批判的な千葉市民からは、

「千葉県には緊急事態宣言が発動されておらず、東京都や埼玉、神奈川の両県に比べると感染者数が低く抑えられていることから、現段階では政府のガイドラインに基づき、基本的には感染対策を徹底することで千葉市は開催を黙認しているとしか考えられません。

そもそも『まん延防止等重点措置』区域の適用にしても、千葉市は後から追加されるなど、何か思惑があったとしか思えませんでした。熊谷知事が共同メッセージを出したのもおそらくアリバイ作りでしょう。

『JAPAN JAM』については措置の適用前からチケットの販売をしていたことから、現実問題として中止は困難だったようですが…。

熊谷知事のTwitterには批判の声が殺到していますが、なぜか完全に無視しています。いちいち対応するよりフェスが終わってしまえば批判の声も収まるし、何とかなると考えているのでしょうか。だとしたら危機管理が乏しいとしか言えません。あるいは、ここまで強行すると言うのは何か主催者との間に利害関係でもあるのでしょうか」

フェス開催を強行 主催者の言い分

JAPAN JAM 2021 公式ホームページ

それにしても主催者は、なぜ、そこまでして開催を強行したかったのか?ロッキング・オンは次のような見解を出している。

「次に向かう何かを創らなければならないという強い思いがあるからです。2020年は、これまでと全く違う年でした。音楽業界は大きなダメージを受けました。ロッキング・オンも、春、夏、冬と大きなフェスを中止せざるを得ませんでした。特に冬のCOUNTDOWN JAPAN 20/21は、ほとんどの準備が終わってからの中止決定で、大きな損失を出してしまいました」

「JAPAN JAM 2021開催は、単なる気合で進めるものではありません。今年のJAPAN JAMは会場規模を拡大し、飲食エリアを中心に大幅なリニューアルを行います。快適なフェスが、より快適になります。それを体験していただければ、来年たくさんの方がJAPAN JAMに参加していただける、それを信じて頑張りたいと考えました。

そして、JAPAN JAMは、3ステージすべてがキャパ3万人を超える巨大野外フェスです。野外である上、どのステージでも密が避けられる理想的なライブ環境にあります。このコロナ禍、最もリスクを少なく運営できるフェスがJAPAN JAMであると言えます。2021年を2020年とは違う年にするために、どうしてもJAPAN JAM 2021を実現したいと思います」

と、開催への「思い」と「安全性」を説明した上で、

「もう、中止のメッセージを出したくありません。だから、人数制限の上限が1万人のままだったとしても開催します。制限が緩和されていけば収容人数を拡大します」

要するに主催者はもちろん、関係各所には「中止」と言う選択肢はなかったことが伺える。文字通り「強行開催」である。

「開催地の蘇我スポーツ公園はJR蘇我駅から数分とアクセスが良く、天候に恵まれたこともあって、全国各地から多くの人が訪れています。不思議なのは、これほどのイベント開催にも関わらずほとんど報道されないことで、おそらく県民の多くが認識していないかもしれません。まるで覆面野外イベントです。

いくら感染対策を厳正に行っていると言っても、それはあくまでも会場内での感染対策であって、駅や会場周辺住民の間からは不安の声が噴出しています。

そもそも、熊谷知事は県内のイベントは上限を5000人と言っていましたが、『JAPAN JAM』の主催者は1日1万人と言っています。

言っていることと現実が全く違う。4日間で4万人を超える人が1ヶ所に集まるわけです。これは狂気としか言わざるを得ません」(蘇我駅の近くに住む主婦)

出演アーティストはなぜ辞退しないのか

「JAPAN JAM」は、4日間の開催で参加するアーティストが約70組。

「東京五輪の開催に向けての聖火ランナーでは、人が集まると密が生まれるとの理由で、次々にランナーを辞退する芸能人が出てきましたが、今回のフェスでは辞退者が出てこないのも不思議です。

名誉だけの聖火ランナーと違い、アーティストにとってはフェスに出演することは大きな魅力ですし、しかもコロナ禍で鬱積していた気持ちを爆発させられる。さらにギャラが出るわけですから事務所にとっても願ってもないことなのでしょう。

開催の中止が叫ばれる五輪ですから、名誉だけの聖火ランナーと比較すること自体がおかしなことかもしれませんが、今回のフェスがもっと大々的に報じられ、開催に対しての批判が全国的なものになっていたら、あるいは状況は違っていた可能性もあります。

アーティストに限らず芸能人は自分たちのことばかり考えていないで、こう言う時こそ五輪に出場が決まっているアスリートの気持ちも考えるべきだと思いますけどね」(週刊誌の編集記者)

フェスの開催にはもちろん莫大な金額がかかる。それだけに簡単には「中止」とは言えない。しかし、コロナ感染拡大、さらには変異ウィルスが深刻さを増している中で強行することが果たして得策なのだろうか?

野外開催で感染対策は厳正に対処していると言っても、コロナウイルスの感染拡大に「完璧」はないことも事実だ。長時間の開催で会場内では飲食も伴うだけにリスクは大きい。

自分たちの利益を守ることも重要だが、もし開催後に感染者が出た場合、どう対処するのか?その部分についての対策については全く語ろうとしていないのが現状だ。

まさか、そんなことは「あり得ない」「考えられない」とでも思っているのだろうか?

「やってしまえば、後ことは、その時に対応したらいい」

と言う方針であれば、この環境下では無責任極まりないし、さらに言うなら今後のフェス開催にも大きな影をもたらしかねないことになる。

いずれにしても主催者、バックアップした行政は当然のことだが、出演したアーティストも同義的責任があると考える。ゴールデンウィーク明けに「結果責任」が問われることがないことを祈るだけである。

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