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「離婚できるはずない」「仮面夫婦だから仕方ない」平然と不倫をする人たちの異様な“心理的共通点”とは 『「不倫」という病』より #2 - 片田 珠美

“特権意識の塊のような医師”の異常すぎる不倫欲…罪悪感を覚えず不倫できる男性の“思い込み” から続く

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 不倫がばれると、夫婦関係の崩壊を招くだけでなく、社会的な制裁を受けることも珍しくない。それにもかかわらず、なぜ不倫をしてしまう人が跡を絶たないのだろう。

「自分だけは大丈夫」という思い込みが強い人ほど、不倫を繰り返しやすい。そう語るのが精神科医の片田珠美氏だ。ここでは、同氏の著書『「不倫」という病』を引用。その他、平然と不倫を行う人たちにみられがちな特徴について紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)

◆◆◆

自分だけは大丈夫という思い込み

 これだけ不倫が報じられており、不倫によって政治生命をほぼ絶たれた政治家も表舞台に出られなくなった芸能人も少なくない昨今です。こうした状況を見れば、「不倫はいつか必ずばれ、痛い目に合うのは自分だから、やめておこう」と考えるのが通常の思考回路ではないでしょうか。

 ところが、そうは考えず、自分だけは大丈夫と思い込んでいる人がいるように見えます。有名人の不倫が報じられた際も、「顔も名前も知られているのに、あんなに無防備で密会を繰り返すなんて」と、その大胆さに驚いたことが何度かあります。

 この自分だけは大丈夫という思い込みが強い人ほど、不倫を繰り返しやすいようです。たとえば、先ほど取り上げた“超遊び人”の医師もその1人で、何度も浮気が妻にばれ、そのたびに大騒ぎになったにもかかわらず、今度こそばれないと思い込んでいたようです。

©iStock.com

 実は、そういう姿勢も妻の怒りに拍車をかけたらしく、妻は院長に「うちの主人は、携帯にロックもかけず、リビングのテーブルに置きっぱなしにしているから、浮気相手とのやりとりも携帯に保存していた画像もすべて簡単に見られるんです。私は鈍いから気づかないと思われているんでしょうか。なめられているのかと思うと、よけいに腹が立って……」と愚痴をこぼしたそうです。

 何度も妻に浮気がばれているのに、あまりにも無防備ですよね。その一因として、「自分は父親の病院の跡継ぎだから、いくら浮気がばれても、将来の院長夫人の座を手放したくない妻は離婚なんかできないだろう」と高を括っていることもあるかもしれません。

 ただ、高を括っていると、手痛いしっぺ返しを食らうこともあります。たとえば、2017年に女優の斉藤由貴さんが、かかりつけの医師とのW不倫疑惑を報じられた際、最初は否定していたものの、斉藤さんの自宅リビングで相手の医師がパンティーをかぶっている写真が写真週刊誌に掲載され、一転して不倫を認めることになりました。

 それだけ“パンツかぶり写真”が衝撃的だったからで、斉藤さんは女優生命が危ぶまれる事態に陥ったのです。この写真を流出させたのは誰なのかということも話題になりましたが、斉藤さんや不倫相手の医師がそんなことをするとは到底思えません。

 一番考えられるのは、それぞれの配偶者のいずれかが携帯などに保存されていたと思しき画像を見つけ、懲らしめるためもあって、写真週刊誌の編集部に持ち込んだ可能性です。

 斉藤さんが自宅に不倫相手を連れ込んだだけでも、大胆だなと思います。それだけでなく不倫相手の“パンツかぶり写真”が保存されており、しかも第三者がそれを手に入れられる状態だったのは、かなり無防備です。

 私の外来に通院中の女性のなかにも、夫の携帯に保存されていた不倫相手とベッドでからみ合っている写真を見つけ、衝撃を受けて眠れなくなった方がいます。しかし、この女性は夫には何も言わず、この写真を自分のデバイスに保存しました。それ以降も、同じような写真を見つけるたびに保存していますが、これは離婚のための準備だそうです。莫大な慰謝料を請求するために、不倫の証拠となる写真をできる限りたくさん集め、夫に突きつける日を虎視眈々と待ち構えているわけです。

 配偶者が何も言わないからばれていないと思い込み、自分だけは大丈夫と高を括っていると、痛い目に合いますよ。なめられているという悔しさが怒りの炎を一層燃え立たせるのが人間という動物なのですから。

不倫が悪いとは思わない

 不倫を繰り返す人のなかには、不倫が悪いとは思わない人もいるようです。

『「不倫」という病』では「不倫は悪」という価値観を絶対的な正義とみなしているわけではありません。そうではなく、不倫の根底に潜む心理や背景にある社会的・文化的要因をできるだけ中立的な視点から分析しようというのが趣旨です。

 ですから、不倫を悪いことだとは思っていない人を非難したいわけではなく、そういう人にしばしば認められる傾向を明らかにしたいのです。

 まず、自己正当化の傾向が強いように見受けられます。たとえば、男性であれば「妻に女としての魅力がないから」「仮面夫婦なんだから仕方がない」「一生1人の女で満足できる男なんているわけがない」、女性であれば「好きになった人にたまたま妻子がいただけ」「結婚は早い者順かもしれないけど、恋愛は違う」「私が若くて魅力的だから男が寄ってくるのよ」などと不倫を正当化するわけです。

 もちろん、不倫がばれると、配偶者の怒りを買います。また、最近では職場で冷たい目で見られ、左遷や降格の憂き目に遭うこともあります。場合によっては、退職に追い込まれるかもしれませんし、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されるかもしれません。

 そういうまずい事態になると、謝罪しますし、反省した素振りも示します。その後しばらくはおとなしくしているでしょうが、自分が本当に悪いことをしたと心から思っているわけではありません。むしろ、運が悪くてばれただけと思っていることが多く、機会さえあれば、また不倫を始めるのです。

不倫は犯罪ではないが、全てを失っても後の祭り

 これは、厳格な倫理観を持っていないからかもしれません。「『姦通罪』が存在していた戦前ならともかく、現代では不倫は犯罪ではないのだから、他人からとやかく言われる筋合いはない。あくまでも家庭内の問題だ」と思っているわけです。

 たしかに不倫は家庭内の問題かもしれませんが、そのせいで配偶者や子どもを深く傷つけることもあります。夫の不倫に気づいて眠れなくなり、自傷行為を繰り返すようになった女性もいれば、両親が不倫でもめているのを敏感に感じ取り、不登校になった子どももいます。そういう事態になりうることに想像力が働かないようです。

 もしかしたら、歯止めになるものがないからかもしれません。通常は、夫婦間の愛情と信頼関係、あるいは子どもへの思いやりなどが不倫の歯止めになるはずです。しかし、そういうものがない場合や、たとえあっても本人がそれほど重視していない場合、不倫を繰り返す可能性が高まります。

 その結果、大切な家族を失うこともあるでしょう。大切なものを失った後で、それがいかにかけがえのないものだったかに気づいても、後の祭りです。ですから、不倫が悪いとは思わないのは個人の勝手であり、そういう思想信条を批判するつもりはありませんが、それによって自業自得ともいうべき代償を支払う羽目になるかもしれないことは、覚悟しておくべきでしょう。

【前編を読む】“特権意識の塊のような医師”の異常すぎる不倫欲…罪悪感を覚えず不倫できる男性の“思い込み”

(片田 珠美)

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