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30代までの退職が圧倒的に多い…お気に入りの美容師はなぜ「辞める」のか - 操作イトウ

 ずっとお世話になっている美容師さんから突然、「辞めることになりました」の一言。そうやって思い出深い美容師さんとお別れしたことがある方も多いのではないでしょうか。 

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 店内で引き継いでもらった美容師さんとはどこか噛み合わず、結局また美容室を探し直すことになったり。お客様にも美容室にも、避けては通れない“あるある”ですが、美容師が辞めるのには様々な理由があります。 


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1.拠点を変える 

 美容師は地域密着的なお仕事なので、拠点を変えることは大きな決断です。地域を離れることは、今まで築いた顧客を手放すことに直結します。お客様にとっての「通いやすさ」は美容室を選ぶ条件として比重が大きいため、最寄り駅が隣駅に変わる程の異動でも、大きな影響があります。  

 例えば大型店に勤める美容師は、店舗間の異動も多いです。遠く離れることは稀ですが、お客様にとって通いにくくなってしまうことは往々にしてあります。 

 また「いずれは地元で」という目標から、地元に帰ることも多いです。「都会でやっていました」という経歴は看板になりやすく、そこで培ったファッションへの感度や技術は大きな武器になります。 

 海外志向が強く、国外でチャレンジする美容師も沢山います。ロンドンやニューヨークのようなファッションの最先端の都市で活動する方や、文化の違う理想の地で憧れの海外ライフを実現したい、と移住を視野に入れる方もいます。 

 国際的に「日本人の美容師は上手」と箔がついていることも大きなメリットです。日本人仕様に国内で飛躍的に進化した技術は、先人のカリスマ美容師たちによって海を渡り、世界的な評価を得ています。 

 アジア人の髪質は西洋人に比べて難しいため、欧米人の美容師には上手に切ることができません。現地の美容室で「絵に描いた」ような失敗をされることもザラにあるため、日本人の美容師は特に現地在住のアジア人に重宝されます。 

 ですがこのコロナ禍もあり、今からトライするにはハードルが高くなってしまっているようです。 

2.働き方を変える 

 特定の美容室の従業員ではなく、フリーランスにシフトする人もいます。「面貸し」や「業務委託」のスタイルが定着したことで、子育てや副業など、働き方の比重を変えることができるようになりました。 

 簡単に言うと「面貸し」は美容師が美容室から1席を借りて、自分が抱える顧客を相手にするスタイル、「業務委託」は美容室から接客をすることを専門に美容師が雇われて、報酬を得る形です。

 どちらも「従業員」ではなく「個人事業主(フリーランス)」として仕事に応じた報酬を貰い、今までのような会社との主従関係ではない、対等な関係で仕事ができます。拘束時間に縛られることもなく、副業や家事、子育てや趣味などの時間を、その人が案分することができます。 

 ですが、一度フリーランスにシフトすると、拠点とする美容室が変わるため、お客様からすると通いにくくなることも多いです。

3.美容師を辞める 

 若いうちに辞める美容師の場合は、体力面や精神面での無理がたたった末のリタイアが多いです。ですが、長く続けていた美容師が辞める場合、経済的な理由が絡むこともあります(詳しくはこちら)。 

 多くの美容師は歩合制でお給料を得ています。お客様に「指名された売上」(業界では「指名売上」と呼びます)によって歩合は増えていきます。 

 昇格、昇進などが少ない美容師にとって、「出世」とは顧客を多く抱え、売上をあげることです。「指名売上」はその美容師の人気度の指標となりますが、反対に結果を残せない美容師は、収入を満足に増やすことができません。 

 お客様が「またこの美容師さんに切って欲しい」と求める要素には、「技術」だけでなく、「キャラクター(人柄)」もあります。 

 美容師は人気商売です。長く続けるうちに、後輩に先を越されたり、家族を養っていく上での経済的な不安を感じるなど自分の限界に直面しやすい。技術とキャラクター、どちらかの能力は円熟していても、もう片方の能力は壁にぶつかりやすいとも言えます。 

4.現役を引退する 

 体力勝負と言われる美容師。ベテランになり年齢を重ねるうちに、現場での仕事は負担が大きくなります。指名されていたお客様を信頼できる後輩に託して、現場に立つ時間を減らし、会社の運営サイドに回ることは珍しくありません。 

 とはいえ、お客様に関わる喜びは不変です。美容師は職人気質の人が多いため、完全な引退ではなく、お付き合いの長い特別なお客様だけに対応する形が多いです。 

 また美容界を離れるわけではなく、美容業界の会社への転職をする形もあります。 

 例えば美容室が取引する商材の仲介業者(ディーラー)には、元美容師が多く所属しています。現場目線の話が通じやすく、商材の細かいニュアンスのやりとりがしやすい元美容師は重宝されます。 

「辞める」はドロップアウトではなく、ステップアップ 

 30代までの退職が圧倒的に多い美容師。 

 それ故「美容師を辞める」は、ドロップアウトよりもステップアップの意味合いが強いです。美容師としての経験値は、他の業種では中々得られない物だと僕は感じています。その先がどんな形であれ、次の一歩がプラスになればいいと思います。

(操作イトウ)

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