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「これ以上血税は使わせない」ハリー王子夫妻を見限った英王室の苦しい事情

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英エリザベス女王の夫、エディンバラ公爵フィリップ殿下が99歳で亡くなった。4月17日の葬儀では、王室メンバーと家族から距離を置いたハリー王子の動きが注目を集めた。在英ジャーナリストのさかいもとみ氏は「葬儀を機に、意外なほどの速さで王室内のパワーバランスが変わりそうだ」と指摘する――。

英バークシャー州のウィンザー城で行われたエディンバラ公の葬儀の際、行列を歩くハリー王子=2021年4月17日 - 写真=PA Images/時事通信フォト

「ハリー夫妻は葬儀に呼ばれるか」が関心事に

フィリップ殿下の死去が伝わるやいなや、ハリー王子&メーガン妃夫妻が葬儀に呼ばれるのかどうかは英国内で大きな関心事となった。夫妻は殿下が亡くなるわずか1カ月前、米CBSテレビのインタビューに応じた。その際、メーガン妃は、生まれてくる子供(長男アーチーちゃんを指す)の肌の色が「どれくらい黒くなるのか」を王室の誰かに問われたと述べた。

王室はすぐさま緊急会合を開き、ハリー王子ファミリーについて「いつまでも愛される家族の一員」という声明を出すに至った。しかし、先のインタビューではハリー王子自身も「父であるチャールズ皇太子からの援助が途切れた」と不満を漏らしている。

結局、メーガン妃は第2子妊娠中という理由でドクターストップがかかり、ハリー王子がひとりで渡英する格好となった。王室メンバーといえども新型コロナの隔離免除の特例は認められず、英国到着後5日間は女王の居城・ウインザー城に近い別荘で自主隔離していたという。

“平服指示”は女王の意趣返し?

ハリー王子は、葬儀への参列が王室から認められたが、女王の一存で「参列者は軍服でなく一般的な喪服を着る」ことが決まった。

これは、ハリー王子が王室から離脱したことに加え、女王の次男でチャールズ皇太子の弟に当たるアンドリュー王子が性犯罪者と関係していたと問題視され公務から引退しているという事情から、この2人は軍の役職から外れており軍服が着られない。「他の王室メンバーが軍服を着ると、着られない2人が目立つ」という問題を避けるための、女王による温情という見方が強い。

しかし、女王のこうした「ハリー王子への特別対応」は、死去したフィリップ殿下の孫(血縁者のひとり)であることを認めるものの、王室メンバーのひとりではないという「区別」を内外に示す目的もあったのではないかと類推する。いわば、女王の王子に対する「参列は認めるが、世間への恥を感じてもらう」意趣返しであったのではなかろうか。

兄弟で話す場面もあったが…

王室ウォッチャーたちは、葬儀を通してハリー王子の一挙一動を追った。フィリップ殿下の棺を載せた特別仕様車の後ろに続く葬列では、あえてハリー王子と兄のウィリアム王子との間に、従兄弟であるピーター・フィリップス氏を挟み込むという妙手を繰り出した。「2人を並べて歩かせて、過度にメディアの注目を浴びるのは望ましくない」とする女王の考え、という説もある。

葬儀が終わり、会場となったチャペルから引き上げる際、ようやく兄弟が言葉を交わす機会があった。ハリー王子は当初、ウィリアム王子の妻であるキャサリン妃とおしゃべりしていたが、やがて妃が一歩下がって兄弟水入らずの会話ができるよう演出した。こうした仕草により「ケイト妃(キャサリン妃の愛称)、兄弟間のピースメーカー(仲裁人)に」と英国各紙に評される形となった。

もっとも2人の会話は、読唇術による解析によると「良いお葬式だったね」程度のたわいもないおしゃべりだったそうだが、こうした機会の演出は、亡くなった殿下が生前訴えていた「兄弟和解への期待」を具現化する兆しとなったと喜ぶ向きもあったという。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/OlegAlbinsky

公務の人手が足りない王室の事情

2人の父であるチャールズ皇太子は、兄弟の関係改善を期待していたとも伝えられる。葬儀後、2人が話しているところを見て、「親子会議がしやすくなったのではないか?」と分析する王室ウォッチャーの声もある。

実際に葬儀終了後、皇太子と兄弟による3人の話し合いが行われたと伝えられた。ただ、一部報道では、チャールズ皇太子もウィリアム王子も「ハリー王子との一対一の面談は避けている。後で歪曲した形でマスコミに暴露される可能性が高いため」との分析もあった。

現在、王室が従事すべき公務はあまりにも多い。そうしたことから、皇太子は王室を離脱したハリー王子&メーガン妃夫妻にもその職務を一部負ってもらうかどうかを悩んでいた節がある。先に述べたように皇太子の弟、アンドリュー王子も現在王室公務には出られない立場にあることから「本来いるべき3人に王室の公務を任せられない」状況だ。

公務の多忙化を巡っては、フィリップ殿下が生前、2017年時点で高齢を理由に公務から退いた段階で問題が顕在化した。その際、殿下が関わった公務は他の王室メンバーに振り分けられたが、ハリー王子夫妻の離脱で事態がおかしくなった。

女王と共にロンドン市内でのイベントに参加したフィリップ殿下=2017年6月、王室の許可を得て(筆者撮影)

女王はかつて、「命が続くかぎり大英帝国に奉仕する」と述べるなど生前譲位について明確に否定しているが、今年95歳を迎えている。今後公務への出席は激減、あるいはゼロにする可能性が高い。

こうした事情もあり、親子3人での話し合いでは、「ハリー王子と王室との距離感をどう保つか(あるいは離れるか)」がトピックとして浮上していたと予想される。

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