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中国経済はどこに向かうのか?

 4月28日のフィナンシャルタイムズの記事によれば、中国の人口統計で昨年、大飢饉を引き起こした毛沢東時代の大躍進政策による一時的な人口減を除けば、建国以来初めてとなる人口減少を記録したとのことです。一方で、29日には国家統計局が人口は増えたとする声明を発表するなど、中国政府がこの取り扱いに極めて敏感になっていることが窺われます。

 そもそも、数週間前に発表されているはずのものが遅れているということ自体が批判されているわけですが、中国においては、2016年以降出生数は減少していて、昨年の公安部届出出生者数も大幅減(15%減、約180万人減少)という状況で、今後の人口動態が経済に与える影響が従来予想していたものよりも厳しいのではないかとの分析もされています。特に2015年以降一人っ子政策が事実上廃止された後も少子化が進んでいるということですので、中国の少子高齢化の流れはもはや止まらないと考えるのが正しいと思われます。

 従来から中国は一人っ子政策という人工的な人口抑制策をとった結果として、世界で初めて「豊かになる前に高齢化する国」となる、との指摘がなされてきました。豊かになるにつれ少子化が進み高齢化が進み、それが経済力や財政問題につながるという、日本や欧米の辿ってきた道とは異なる道、つまり豊かになる前に高齢化することで、財政問題というよりも社会問題の方が顕在化する、という未来に向かって進む可能性が高いといわれてきました。中国政府もそのような事態を避けるべく努力してきたのだと思いますが、今回の人口をめぐるゴタゴタや、出生者数をめぐるここ数年の流れは、この可能性を示唆しているように考えられます。

 我々はこれまで、「強すぎる凶暴な中国」も「弱すぎる混乱する中国」も、どちらも周辺にマイナスの影響を与えすぎることから、そのどちらでもない「強すぎも弱すぎもしない中国」がベストとの考えの下で様々な取り組みを進めてきました。しかしながら、特に2017年10月の第19回共産党大会以降の習近平政権の動きをみると、尖閣、台湾海峡、南シナ海、香港での実際の行動や内部の様々な情報から判断すると、安全保障面においては「強すぎる凶暴な中国」に向けて突き進んでいると考えざるを得ませんし、経済面においては、国有企業や不動産市場、国内の地域間格差などを見ると、最初に述べた人口減少時代、少子高齢化時代への突入と相まって、中期的には「弱すぎる混乱する中国」に向かう可能性が高いと考えざるを得ません。

 中国の執行部が、政策的な調整を行うことで、短期的には、そして表面的には取り繕うこともできるかもしれませんが、それを未来永劫続けることはできませんし、捻じれや歪みがますます大きくなるということにもなりかねません。

 隣国であり、同じ北東アジアに存在する日本としても、中国の将来の進む方向に確実に影響を受けるわけですので、適切な政策を打っていくためにも、きちんとした分析を行っていく必要があります。自民党の財務金融部会長として中国PTを立ち上げたのもこうした問題意識によるものです。政府とも緊密に連携して万全を期してまいります。

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