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ベアテ・シロタ・ゴードンと占領期の日本女性

あけましておめでとうございます。ハワイで新年を迎えるのも1998年以来ほぼ毎年のことになりますが、今回初めて年越しの瞬間をワイキキで過ごしました。友達の家で夕食をご馳走になったあと、しばらくワイキキを散歩していたのですが、あまりの人混みに疲れ、12時を待たずに家に帰ろうという途中にお腹が空いて、年越しそばのかわりにラーメンを食べているあいだに(そのあたりにラーメン屋がすぐ見つかるところがハワイのよいところ)12時近くになったので、ついでにワイキキの路上で花火見物をしてきました。

さて、ベアテ・シロタ・ゴードンさん逝去のニュースは、日本のメディアのほうがアメリカよりも2日間ほど早く報道していました。諏訪根自子さん逝去の報道は、アメリカのほうが数日早かったのに対して、今回は逆のパターン。このあたりの違いの背景に私は興味があるのですが、それはそれとして、シロタ・ゴードンさんの生涯は、日本国憲法の起草のほかにも、ピアニストであった父親レオ・シオタの日本の音楽界における位置づけや、彼女自身1950年代以降ニューヨークのジャパン・ソサイエティで率いたさまざまな文化交流という点からも、私にはたいへん興味深いものです。

ニューヨーク・タイムズに掲載された彼女の訃報・追悼文がこちら。アメリカではシロタ・ゴードンさんのことを知っている人はごくわずか(日本でも彼女が憲法起草にかかわっていたことが知られたのは比較的最近のこと)でしょうし、たしかに、法律の専門家でもない22歳のアメリカ国籍の女性が日本国憲法の起草にかかわり、両性の平等をうたう憲法24条を執筆したというのは、きわめて特異で興味深い歴史ではあります。

また、訃報・追悼文という文章の性質上、こうした内容になるのはやむをえないのかも知れません。が、アメリカ=アジア関係史・ジェンダー研究に携わるものとしては、まるで彼女がひとりで日本女性の権利拡大をもたらしたかのような書き方にはちょっと疑問が。日本でも戦前からさまざまな日本人の知識人や活動家による女性運動の歴史があったのだし、また、憲法24条によって日本社会で性の平等が実現したわけでもない。また、占領という状況下での日本の性をめぐる力学には、単なる女性の権利拡大というだけでは片付けられない複雑な冷戦の政治学があったということを、私のハワイ大学の同僚(私と同じ年にハワイ大学で仕事を始めた人です)である小碇美玲さんの著書画像を見るもあきらかにしています。この機会に、よかったら読んでみてください。




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