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《元妻を逮捕》“紀州のドン・ファン”怪死事件 小遣い100万円、全身シャネル…“55歳差妻”の素性 - 「週刊文春」編集部

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「あたし、ジジイとかムリなんだよね」

 一方で、由美さんは年上の男性に露骨な嫌悪感を示すことがあったという。

「たまたま近くに友人たちがいて、私たちのホテルまで遊びに来てくれたんです。その友人は40代なのですが、そのうち由美は『私、先に帰るね』と一人その場を去ってしまった。理由を聞いたら『あたし、ジジイとかムリなんだよね』と言うんです」(同前)

 そんな由美さんと野崎氏が結婚したのは、今年2月8日。結婚後、野崎氏は由美さんの名前が記載された新たな戸籍謄本を大量に複製し、嬉々として知人に配り歩いていたという。由美さんが野崎氏の自宅に同居し始めたのは、4月中旬。従業員は、ふたりの不可解な夫婦関係について話す。

「由美さんは毎月のお小遣いとして社長から100万円もらっていました。でも、社長は由美さんが和歌山に来て10日くらい経った頃、『あの女はダメや。家のこと何もしないし。もう離婚したい』と言ってはりました。それに対し、由美さんは『離婚するなら慰謝料もらうよ。早くお金だけもらって東京に帰りたい』と。その頃、うちの関係者が、たまたま彼女が出演しているセクシービデオを発見してしまったことがあった。いま思えば、それが社長の知るところとなり、夫婦関係がギクシャクしてしまったのかもしれません」

「遺産を継がせる」と公言していた愛犬イブが急死

 この頃、野崎家では重大事件が起きていた。

 野崎氏が「遺産を継がせる」と公言していた愛犬イブが5月6日、急死したのだ。旧友が明かす。

「イブが死んだとき、社長は相当取り乱した。家政婦に『何を食わせたんや!』と当たったため、疑われて怒った家政婦と大喧嘩をしていました。その日、社長はイブを連れて24時間やっている大阪の動物病院へと車を走らせた。イブはその途中で社長の胸に抱かれたまま、息を引き取ったのです」

 イブの世話をする機会が多かった女性が証言する。

「イブちゃんが死んだ当日、由美さんと会った。死んだという報告を受けてアポイントを取り、お昼過ぎに幸助さんの家に行ったら、彼女がバスローブを着て出てきたんよ。家には棺桶があり、幸助さんは『とりあえず置いとく。まだ火葬はせえへん』と。そうしたら由美さんは『腐ってきて臭いするんじゃないの』と反対していた」

 その後、野崎氏は愛犬の偲ぶ会を6月11日に計画し、多くの知人に直接誘いの電話を入れている。

「私には『あいつ(2番目の妻)を呼んでくれるかぁ』って。私が『由美さんが来るのに前の奥さんが来たらややこしいわ』言うたら『あいつはええんや。大丈夫や』と。ホンマに盛大にしたかったみたいで、南紀白浜空港で演奏会をしてから白浜町でパレードをして、最後に(会場の)ホテルに行くというイベントを考えていた。まさか、その数日後に亡くなるとは考えもしませんでした」(同前)

 愛犬の死に際しても“ライフワーク”を欠かさなかったと証言するのは、前出の従業員である。

「イブが亡くなった翌日、社長は交際クラブを利用していますからね。『東京でネーチャンとヤッた』と言っていましたから……」

 愛犬の偲ぶ会を待たずに怪死した野崎氏だが、葬儀での由美さんの様子は、

「態度の悪い由美さんを親族が怒鳴り散らしたという報道がありましたが、そんなことはありませんでした。ただ、葬儀のときニヤニヤしながら携帯をいじっているのは見ました」(同前)

母親は娘が結婚していたことも「知らなかった」

 怪死を巡る捜査はどうなっているのか。

「行政解剖の結果、覚せい剤は野崎さんの胃の中から検出されています。覚せい剤を食物に混ぜたか、あるいはそのまま飲み込んだのではないか。毛髪の簡易鑑定では常習性を裏付ける結果は出ていません。覚せい剤を入手し得る第三者の関与の疑いが濃厚です」(社会部記者)

 6月2日には、東京・新宿区にある由美さんの自宅に和歌山県警による家宅捜索が入った。

 由美さんの母が、複雑な胸の内を語る。

「(由美さんの父は)医者ではなくて会社員です。そんなこと言ってたんですか……。あの子は専門学校が終わってちょっとしてから東京に行ったんですよね。『友達の所に泊まって向こうでちょっと働く。投資と不動産の会社やるから手伝いをする』といい、ビットコインと株投資で『収入はある』と話していました」

 娘が結婚していたことも「知らなかった」という。

「今年4月に住民票を取ったところ、娘の名前がなかったので、確認したら『自動車免許を取る』と言っていたんです。今回、『何かあったの?』とLINEで聞いたら『6月に帰るから、そのときに説明するから』と。でも、どう見たって娘が怪しいですよね」

「4000万円を家政婦に譲る」

 由美さんの自宅に加えて、もう1カ所、和歌山県警が東京で家宅捜索に入った関係先がある。

 野口幸代さん(仮名)の六本木の自宅だ。幸代さんは野崎氏の会社の取締役を務めると共に、月に10日ほど田辺市に通い、家政婦として食事など野崎氏の身の回りの世話をしていた。愛犬イブが急死した際、野崎氏に疑われたあの家政婦である。

 野崎氏と親交のあるデヴィ夫人はこう話す。

「社長は私の目の前で『もし死んだら(家政婦に)4000万円譲るという遺言を書いている』と家政婦さんに言っていました」

 田辺市で生まれた幸代さんは上京後、夜の街を舞台に生きてきた。六本木にダイニングバーを開店させたのは、十数年前のこと。

「お店は繁盛していて、幸代は俳優の竹内力が常連だと自慢していました。でも、その当時婚姻関係にあった夫に問題があった。彼は覚せい剤で2~3回逮捕された末、幸代に三行半(みくだりはん)を叩きつけられたのですが、出所後、金を無心するようになったのです。そんなこともあり、その飲食店は閉店してしまいました」(飲食店関係者)

 幸代さんは、元夫の逮捕歴を隠そうとせず、野崎氏の会社の従業員にあけすけに語ることもあったという。その後、彼女が雇われママとして働くことになったのが、同じ六本木のスナック「P」だった。当時の源氏名は「小雪」。彼女を知る別の飲食店店主が当時を振り返る。

「マスターとママの他、30代くらいの女の子が2~3人いましたね。ママの娘はクラブシンガーをしていました」

 同店は約2年前に閉店したが、その頃から幸代さんは「和歌山の富豪のところに行く」と周囲に話していたという。彼女が“家政婦”として野崎氏の自宅に出入りするようになったのは、今から約8カ月前のことだ。

「幸代さんはとにかく社長をおだてるのがうまい。『社長すごーい』って。『私はそういう仕事(ホステス)をしてきたから扱いが違うのよ』なんてことを言うんです」(前出・従業員)

社長が亡くなった日の出来事

 家宅捜索の当日、幸代さんは「週刊文春」記者の取材に、次のように答えた。

「社長が死んだ当日夜、奥さんが2階に上がっていった後、『わあぁ!』って悲鳴が聞こえたんです。慌てて2階に行くと、社長はソファーにダラーンと腰かけていた。パンツがズレて、男性のシンボルが見えてしまっていました」

 現在までに野崎氏の自宅の家宅捜索は2回行われているが、幸代さんは「週刊文春」にこんな証言もしていた。

「(5月29日の)家宅捜索では、2階の鏡の前の机の引き出しから『少量の覚せい剤が出てきた』と由美さんを通じて聞きました。その机、私は開けませんよ。社長は『勝手に触るな』というので掃除機をかけて拭くだけなんです。

 私は毛髪鑑定で100本くらい毛を抜かれて『円形脱毛症で禿げているから止めて』と言ったら(捜査員に)爆笑されました。嘘発見器で『あなたは殺しましたか?』なんて質問をされて、腹が立ってきて『そんなこと、知らんわよ』って言いました」

 だが、捜査関係者は「自宅から覚せい剤が検出されたという事実はない」と否定する。

「現在、任意提出された由美さん、幸代さんの携帯の解析が進められており、彼女たちの交友関係から薬物に繋がるルートはないか、慎重に捜査を進めています」(同前)

 野崎氏の資産は50億円と言われるが、実際の資産状況を知る立場にある別の従業員は次のように語る。

「それは絶対ないです。50軒くらいの不動産はありますが、現金は10億円以下でしょう。いまは社長が不在ですが、今後は社長と一番仲が良かった妹さんが会社の舵取りをしていく方向で動いています」

 冒頭のA氏は、夫婦についてこう語る。

「その後、何度ふたりに連絡しても返信なし。私は色々な方の力を借りて協力したのに、御礼の一つもなかった。5月3日には、由美がLINEから退出したと思ったら、社長が急死の報が流れ、驚きました。雑誌や本で読んだ社長の生き様に憧れていた私でしたが、本に書かれていた、お世話になった人の墓参りのエピソードについて聞くと、『ああ、あれウソや』。間近で見た社長の実像に、幻滅することは少なくありませんでした」

 愛欲と金に塗れた“紀州のドン・ファン”は、大きなミステリーを残してこの世を去った。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2018年6月14日号)

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