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人事院、ちょっと待った! ― 国家公務員採用試験制度変更への疑問

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2次試験において、グループ討論などを設けているが、この程度の変更では、多様な人材の確保は無理である。

そもそも、国家公務員試験そのものには、官庁訪問システムと人事院面接システムの2重採用システムが存在してきた。

国家公務員試験に最終合格しても、官庁訪問を通じた各官庁による採用がなされないと、候補者になるだけで、就職はできない。

官庁訪問では、各官庁の採用担当者がいわゆる面接試験を実施するのであって、人事院面接そのものの存在意義は、実はあまりないといえる。

学閥、学歴偏重という批判を受けてか、人事院面接に際しては、学歴などを面接官が解らないようにして実施するものの、官庁訪問では、出身大学はもちろん、民間企業と全く同じような面接試験を受けるのである。

つまり、人事院面接は、形式的に、学歴偏重などの批判を回避するためになされているに過ぎない

こうした矛盾点を改善していないのであるから、例え、2次試験において、人事院によるグループディスカッションを導入しても、それは受験生にとって単に負担になるに過ぎず、根本的な採用の改善に至ることは無いだろう。

4.結論

どうもこの試験制度の変更は、国家公務員受験者数の負担を増やすだけで、多様な人材の確保とは程遠い内容に感じてならない。

従来のⅠ種試験やⅡ種試験では、一度民間に就職した者が、公共サービスへの意欲を持ち、働きながら公務員試験の勉強をして、受験するという者がかなりおり、優秀な人材も集まっていたように思う。

しかしながら、このような年齢制限の厳格化と無駄な受験生への負担の増加は、民間経験のある多様で、優秀な人材を門前払いし、安定志向の学生のみが受験するような制度になってしまうのではないかと私は危機感を感じている。

優秀な人物はドンドン海外に流れ、外資系企業に行き、国家公務員、とりわけキャリア組の志望者の質が低下しているという話はよく聞く。

形式だけの制度変更では、有能な人物を確保するのは無理である。

試験制度、採用後の昇格制度の改革を徹底的にして、やりがいを感じ、労働意欲を高める人事制度設計を急がねば、創造力のある優秀な人材の確保をすることができず、日本政府の国際社会における存在感も失墜する日も近いかもしれない。

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