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自民党政権発足にあたって~今後の課題への対応

年末の総選挙結果を受けて、3年4ケ月に及ぶ民主党政権に終止符が打たれ、自民党政権が発足しました。

総選挙では自民党の圧勝という結果に終わりましたが、獲得した比例票を見てみると、自民党は前回選挙1881万票に対して1662万票、民主党は前回の2984万票が963万票と共に表を減らす中で、みんなの党は301万票が525万票、維新の会の1226万票とあわせれば1751万票と自民党を上回る票数を得たことからも明らかなように、有権者は決して「民主がダメだから自民党に」という意思表示をしたのではないということがわかります。

政策本位のみんなの党としては、健全野党として、これからもしっかりと自民党政権運営に対して厳しくチェック機能を果たしていかなければならないと思っているところです。

2012年を終えるにあたって、また来年早々にも開会される通常国会を迎える前に、これから議論されるであろう案件に対して、私自身の考えを述べておきたいと思います。

復興の促進

言うまでもなく、東日本大震災からの復興は最優先で取り組むべき課題です。安倍総理はタテ割り行政の温存により復興がスピード感を失っていることを認識しており、復興庁の権限を強化するという談話を発表しています。復興予算の流用に見られた中央省庁の暴走を止めるためにも、被災地に復興庁を移転し、復興担当大臣は被災地に常駐して、予算と権限を持ってワンストップで事に当たることができるよう組織の見直しを含めて、大胆にこれまでのやり方を変えていく決断を下していくことが求められていると思います。

また特に原発事故への対応が遅れていることにもきちんと目を向けて、除染、汚染土の保管問題、警戒区域内で発生している様々な問題に対する政府としての支援等々、これまでの民主党政権での方針について、見直すべきものはきちんと見直しを行うということを目に見える形で進めていただきたいと思います。

景気対策、デフレ脱却

安倍内閣は経済対策、デフレ脱却に力を注ぐとしています。選挙期間中に安倍総裁はデフレがさらに進行するようであれば消費税増税は行わないと発言しました。そういう思いがあるのであれば、まずは既に可決した消費税増税法にそうした文言を法文として書き込むことをやらなければなりません。またデフレ脱却のための金融緩和については、みんなの党の考えに近く、自民党が選挙公約で掲げた日銀法改正を早急に閣法として提出し、成立させるべきです。口約束だけのインフレターゲットで本件を終わらせることがあれば、問題の本質は一向に解決されないことを肝に銘じて、法改正に向けて自民党としてのデフレ脱却への覚悟をしっかりと国民に示して頂きたいと思います。4月に任期満了を迎える日銀総裁の人事は国会での同意が必要となる人事ですので、参議院では自公のみでは過半数に届かないということをしっかりと安倍総理は認識をして事に当たって頂きたいと思います。

一方、財政出動については、公共事業へのバラマキが中心となる恐れがあります。地方負担分を1~2兆円分国庫で負担するなどという報道をなされていますが、投資効率を個別にしっかりと判断することが必要でありますし、公共事業投資のみに走るのではなく、今後の経済成長を後押しする投資に対する減税措置や自由償却導入といった即効性のある施策も大胆に実施したり、この10年来言われ続けている、本来の成長分野である、医療・介護・教育・農業・電力といった分野での参入障壁を撤廃する規制緩和の道筋を早急につけるということにも取り組んでいただきたいと思います。

民主党政権では、マクロ経済の司令塔が不在であるとの指摘が数多くなされてきました。今回安倍政権では経済財政諮問会議を復活させるということとなっていますが、官邸主導でしっかりと司令塔の役割を果たしていくことを期待しています。

原発政策

自民党政権では早々に「原発ゼロ」方針の見直しが打ち出されようとしています。4月には東京電力の中期経営計画で再稼働が前提となっている刈羽柏崎原発の再稼働の判断が求められることとなります。現在すでに再稼働している大飯原発の活断層調査についてもいまだに結論が出ていません。原子力規制庁によって今後新たに策定される、バックフィット方式の適用も含めた世界標準の安全基準の妥当性、建設許可のおりている大間原発をはじめとする原発の新規建設問題等々、自民党が大きく舵を切ろうとしている「原発容認」方針に対して、みんなの党は「脱原発」の立場から厳しく追及をしていかなければなりません。

公務員制度改革

安倍第一次内閣で、渡辺よしみ みんなの党代表は当時、公務員制度改革担当大臣として、公務員制度改革、関連法案と基本方針を閣議決定するところまで前に進めました。公務員を敵とみなして遠ざけることが政治主導であると勘違いをしたところから大きく道を踏み外してしまった民主党政権の反省をしっかりと踏まえ、今後、安倍政権が再び公務員制度改革の実現に向けて前進することを、みんなの党としてもしっかりとサポートしていかなければなりません。民主党政権発足直後、財務省事務次官経験者を日本郵政グループの社長に据えた人事が行われましたが、選挙直前にその社長を再度財務省OBに引き継ごうとする動きが表面化しています。これまでの間の日本郵政グループの杜撰な経営に対する責任が一切取られていないことも併せて、こうした1つ1つの案件において、しっかりと新政権の立場を国民に対して明らかにすることを、みんなの党としても求めていく必要があります。

身を切る改革

国民に負担を求めるのであれば、まずは率先垂範で「身を切る改革」が求められるのですから、国会議員歳費、公務員人件費削減は、時限的措置ではなく、恒久的な措置として直ちに実行に移していくことを引き続き求めていかなければなりません。

選挙制度改革

1票の格差の抜本的な是正と選挙制度の抜本的な改革はパッケージです。今回の衆議院選挙の結果を見ても分かる通り、得票数と獲得議席数が大きく乖離してしまう小選挙区制を存続すべきなのか、明確な政策の違いのない2大政党制の実現が果たして民意なのか、住民の移動によりその度に選挙区割りを変更することが有権者にとって良いのか等の本質的な問題を是々非々で検討しなければなりません。しかしこの問題は、政党の党利党略が絡む問題であり、なかなか当事者間での議論が進まないこともこれまでの経緯で明らかであります。第3者委員会での複数の案の提示、その選択肢でどれが一番良いかの国民投票の実施等も視野に入れるなどの、「結論を出す」検討方法の策定が求められています。

ネット選挙

安倍総理は、来夏の参議院選挙までにネット選挙を解禁したいと前向きです。しかしこれまで自民党が国会に提出している議員立法には、候補者がインターネットを利用できることを可能とする内容は含まれていますが、インターネットを利用しての投票を行う条項は含まれていません。安倍総理は投票率の向上を目的とすると発言していますが、それでは抜本的な解決策にはなりません。候補者がインターネットで選挙期間中も政策を訴えることを可能とするのはもちろんのこと、投票自体もネットで行うことができるようにしていく必要があります。

TPP交渉

自公協議の中で、TPP交渉への参加については、選挙公約よりも少し緩やかな表現に修正され、交渉参加を完全に否定しないニュアンスとなっています。責任与党としては当然のことです。そもそも交渉への参加そのものは政府の責任で決定できることなのですから、党内の反対議員に左右されず、まずは日本の国益を守りながら早急に関係各国と交渉を始めることを行うべきです。

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