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ソウル市を左派拠点化した朴元淳前市長

自殺した朴元淳前ソウル市長の葬儀(2020年7月11日 韓国・ソウル市) 出典:Chung Sung-Jun/Getty Images

朴斗鎮(コリア国際研究所所長)

【まとめ】

・文大統領支持率は30%に下落、初めて与党の支持率を下回る。

・ソウル前市長と左派従北市民団体との癒着の全貌が明らかに。

・市と左派は巨額支援と政治的支持を取引する共生関係だった。

野党「国民の党」の候補が、ソウルとプサンの市長補欠選挙で完勝した後、与党「共に民主党」の指導部が総辞職し、新人議員数十名が文在寅政権への批判を開始するなど、韓国政治の流れが大きく変化し始めている。

4月16日に発表されたギャラップ世論調査では、文在寅大統領支持率は30%にまで落ち込み、不支持率は62%の最高値を記録した。また「共に民主党」の支持率は31%で、2%UPした野党「国民の力」の支持率30%と並んだ。この調査結果で最も注目しなければならないのは、文大統領の支持率が初めて与党の支持率を下回ったことだ。これは今後与党にとって文大統領が負担になることを示している。

局面打開を図りたい文在寅大統領は、政策変更を行わないまま、総理や国土交通部長官など5閣僚の交代と大統領府秘書官の一部交代を行ったが、政策変更がない限りこれからも支持率は下がり続けると思われる。

また、次期大統領候補支持率では、ユン前検察総長が25%でトップとなり、2位の京畿道知事支持率は24%だった。

▲写真 支持率が下落し続ける文在寅大統領 出典:South Korean Presidential Blue House via Getty Images

1.血税でソウル市を左派の拠点に作り上げた故朴元淳

韓国政治の流れが大きく変化する中で、ソウル市でも変化が現れ始め、パク・ウォンスン(朴元淳)前市長と左派従北市民団体との驚くべき癒着の全貌が明らかになりつつある。

執拗なセクハラで訴えられて自殺した朴元淳前市長が、ソウル市長在任中、民主党と左派市民団体関係者を市の中枢に引き入れ、巨額の資金を左派市民団体にバラまいて、ソウル市を左派の拠点にしていた実態が明らかとなり、大きな波紋を呼び起こしている。

バク・ソンジュン「国民の力」議員が分析した資料によると、2016〜2020年の5年間にソウル市は、いわゆる「市民団体公募事業」に総額7,111億ウォンを費やした。 2016年に641億ウォンだったのが、2020年には3.8倍の2,353億ウォンにまで膨れ上がった。その間、支援団体数も1,433から2.3倍の3,339に増えた。

例えば2014〜20年の間に、朴元淳が作った「マウル(村)共同体支援センター」という市民団体には332億ウォンを、「NPOサポートセンター」には134億ウォンを使っている。そして、そうした市民団体を支援するために、専門の機構である「中間支援組織」まで作り、その運営も市民団体に任せた。

2.血税が重点供与されたのは朴前市長の縁故関係団体

ソウル市の支援を受けたこうした団体の多くは、朴元淳前市長選挙陣営で活動したり、朴前市長の市民団体活動時期、彼と縁を結んだ人々が関係した団体だった。

朴前市長選挙陣営出身者が、2015年に設立したある団体は、汝矣島公園スケートリンク運営権など、数十億ウォンずつ入るソウル市の利権事業を9つも受注していたのだ。また朴前市長が監査を務めていた環境保護団体では、2017年に85億ウォンで「ソウルの森公園」の運営を委託されていた。

その中でもソウル市が2017年から1兆7000億ウォンを投入する目標で推進した太陽光発電事業は、左派勢力を太らせる重要なプロジェクトとなっていた。

この事業を主に推進していたのは、従業員40人に数年間賃金を与えていない疑いで拘束されたホ・インフェ率いる「緑の夢協同組合」という太陽光企業だったのだが、ソウル市はこの企業に2017~2018年の一年間だけでも37億ウォンの補助金を支給していた。ホ・インフェは、1985年に高麗大学総学生会長として活躍したいわゆる学生運動圏の大物だ。

ホ・インフェは、ソウル住宅都市公社(SH)からもミニ発電所事業25件を受注していたが、その当時のソウル住宅都市公社社長が、土地投機疑惑で責任を取り今回の内閣改造で辞職したビョン・チャンフム国土部長官だった。

3.朴前ソウル市長と寄生左派市民団体の共生構図

朴元淳前市長時代のソウル市が、市民の税金で左派市民団体を太らせているとの指摘は以前からなされていたが、しかし、ここまでひどいとは誰も知らなかった。ソウル市と左派市民団体は、財政支援と政治的支持を取引する「持ちつ持たれつ」の共生関係だったのだ。

文在寅政権の政策失敗が続く中、文在寅大統領の支持率が30%台を維持する摩訶不思議な状況が続いているのは、こうした寄生虫化した市民団体が無条件で文政権を支えているからだ。反日ビジネスで慰安婦のおばあさんたちからカネを搾り取っていたユン・ミヒャンの正義連もそうした寄生虫団体の一つである。

権力を監視すべき市民団体が、権力に寄生しながら、市民の税金を吸い取っていた状況について、ソウル市監査委員会は、「マウル共同体事業の場合、指導点検をしなかったので補助金執行の透明性を確保できなかった」と告白した。

4.ソウル市庁を左派職員で固めてセクハラを続けた朴前市長

野党「国民の力」のソン・ジュンギソウル市議は、朴前市長在任期である2014年以来、ソウル市5級以上の役職、特別職の補佐陣とソウル市傘下機関の役員666人のうち、市民団体と与党「共に民主党」出身者が25%の168人に達したという調査結果を発表した。

特に秘書室などに勤務した最側近のいわゆる「6階の人」は、副市長を含む100人ほどなのだが、そのうちの55人は、市民団体と与党出身が占めていた。こうした人達は、同僚女性職員が前市長から執拗にセクハラを受けていたことを目撃しながら見て見ぬふりをした。被害者女性は、「(朴前市長が送信した)下着写真やメール文などを提示するなど4年以上にわたって『6階の市長室』20人に実情を訴え助けを求めたが、無視された」と証言している。

朴前市長の政治手法は、「ソウルの市民民主主義」ともてはやされて、日本でも美化されてきたが、その中身は、民主主義とは程遠い反民主主義政治、左派利権政治だったのである。

▲写真 呉世勲ソウル市長 出典:Song Kyung-Seok – Pool/Getty Images

補欠選挙で圧勝しソウルの新市長になったオ・セフン(呉世勲)市長は、任期が1年2ヶ月しか残っていないが、何よりもまず、こうした左派寄生虫団体とソウル市との癒着の整理から始める必要がある。そうしてこそ、次の政治ステージに進んで行けるだろう。

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