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「土日と連休を無くせば最強のコロナ対策になる」医師がそう断言するワケ

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ゴールデン・ウィークを前に、コロナの第4波が到来。今年もステイホーム週間となりそうです。年末年始に続いて連休が来るたびに叫ばれるステイホーム。医師で『病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ』の著書のある木村知先生は、「この際、大勢が国の定めた国民の休日に従って一斉に休みを取り、大移動するという『半ば常態化した異常事態』を見直すべきです」と指摘します――。

ゴールデンウィーク
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yusuke Ide

3度目の緊急事態宣言が視野に

3月21日に緊急事態宣言が全面解除されて以降、感染拡大に歯止めはかからず、4月5日に大阪府、兵庫県、宮城県、12日に東京都、京都府、沖縄県の3都府県にまん延防止等重点措置が適用されました。さらに20日には、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県の4県もこれに加わり、10日あまりの間に10都府県に重点措置が適用されるに至りました。期間はゴールデン・ウィーク(GW)後までのおよそ1カ月間です。2020年末から年始の帰省シーズンは国民の自粛まかせでしたが、さすがに変異株の流行拡大を目の前にして「Go To」をごり押しするわけにも行かなくなったのでしょう。第4波を頑なに認めようとしない菅政権ですが、現状はきわめて深刻です。3度目の緊急事態宣言さえ視野に入ってきました。

とはいえ、私たちにできることは、ステイホーム、同居している家族以外との食事(ランチ、お茶、夕食、飲み会)を控える、会話時はマスク着用、十分な手洗い手指消毒など、これまでと変わりません。ただし今回はこれに、まん延防止等重点措置の対象地域への不要不急の移動を避ける、を追加してください。

お互いの命を危険にさらすGWにならないように

皮肉なことに、気象庁の長期予報によると今年のGW期間は全国的に晴れの日が多く、うまく有休を使えば7連休から11連休、余裕がある人は最大16連休まで取得できるようです。この「超」大型連休を感染収束に向けて「家に閉じこもる」2週間にしたいところですが、昨年の年末年始と同じ轍を踏みかねない危うさがあります。

GW中は、例年通り街の診療所や公的医療機関が休診体制に入ることに加えて、今年は医療者と高齢者へのワクチン接種という業務が加わります。これらの負担が増えた医療機関へのアクセスは例年に増して難しい可能性があります。まして大学病院など基幹病院に「不急の手術」を延期するよう要請を出した大阪府をはじめとする感染拡大地域では、COVID-19重症患者でベッド数が不足し医療崩壊の瀬戸際にあるため、最悪の場合、救急搬送の受け入れ拒否という事態もあり得ます。お互いの命を危険にさらすGWにならないよう、気を引き締めて過ごしましょう。

「土日祝日に一斉に休む」を見直すべきときにきている

そしてこの際、大勢が「国の定めた国民の休日」に従って一斉に休みを取り、レミングよろしく大移動するという「半ば常態化した異常事態」を見直すべきです。

こう書くと、「学校の授業形態を変えないと無理」「子どもの休みに親が合わせないといけないことを忘れているのでは?」という声があがります。前回の記事「医師が提言、「土日祝日の廃止」がコロナ対策と働き方改革につながる最強策である」にも、そうした反響が寄せられました。

しかし、ちょっと立ち止まってみてください。本当にそうでしょうか。「今日は家族で過ごすので、学校を休ませます」「お母さんが会社を休むので休みます」では、なぜダメなのでしょうか?

先日、NHKのネットニュースで見つけたのですが、青森市と八戸市、弘前市の公立中学校では、今年度は「休まず頑張った」を表彰する皆勤賞を取りやめることにしたそうです。無理な登校による感染拡大を防ぐことがその理由で、NHKの取材によると、表彰を取りやめた学校の校長は「皆勤賞のために無理に登校して体調を崩したり、ほかの生徒に感染させるのを避けるため『生徒には申し訳ないと思いながらも』表彰を取りやめた」とコメントしています。

その一方で、表彰を続ける方針をとった学校の校長は「3年間休まないということは簡単ではないし、その努力を認めてあげたい。皆勤賞があることで、規則正しい生活を送るなど健康管理につながることも期待できる」と話しています。

かしわ餅
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yasuhiroamano

「休まない努力」を讃える考えの根本にあるもの

後者の皆勤賞を賞賛する言葉には一理ありそうですが、この「休まない努力」を讃える考えの根本には、「休むことは悪である、サボりは、生産性を下げる行為である」という兵器の増産体制を支えるために“産業戦士”に「無欠勤」を奨励してきた戦時中の価値観がこびりついているように思えます。

物心がついた頃からこうした価値観を刷り込まれて育つと、「カゼでも絶対に休めない人へ」「24時間、戦えますか」といったキャッチコピーに煽られ、感染症に罹っても、発熱しても、出社しようとする大人に成長してしまうのではないでしょうか。

常々、取り上げている通り、季節性インフルエンザなど感染症の「陽性」「陰性」判定はグレーゾーンが広く、皆勤賞のために提出が求められる「陰性証明」は、必ずしも感染していないことを保証しません。会社員の場合は「検査が陰性なら、発熱していても会社に行ける(あるいは、無理をしてでも来い!)」が問題になりますが、子どもの場合は「陰性なのに休んでしまったら、皆勤賞が取れなくなってしまう」と親子でしょんぼりされてしまい、私たち医者もなにか悪いことをしたかのような気になってしまいます。

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