- 2012年12月28日 15:12
身も凍る!第二弾:ニューヨーク近郊では23人に1人がピストルを持っている!
まずはこのインタラクティブマップを見て下さい。ニューヨーク・マンハッタンの北方にある高級住宅地ウェストチェスター(westchester)郡、ロックランド(Rockland)郡にドットが無数に打ってありますが、これが、ピストル所持許可証を持っている、つまり事実上のピストル所持者の所在地です。
このマップはどんどん拡大出来ます。そこで、自分の関心のある地域にあるドットをクリックすると、ポップアップ画面で、許可証所持者=ピストル所持者の名前と住所が出ます。場所によっては隣り3軒両隣りがみんなピストルを持ってるなんてことがあります。
しかも、これには、ライフルやショットガンなどは含まれていません。これらのLong Gunは許可証なしで買えるからだそうです! だから実際にはもっと銃器保持者は多いはずです。26人が殺されたコネチカット銃乱射事件を契機に、大都会近郊でも、こんな恐ろしい武器だらけ状態だということに警告を鳴らす意味で、画期的な実名入りの地図を作成し公開したのが先の両郡と隣のプットナム(Putnum)郡で発行されているThe Journal News紙(朝刊68,850部=米ABC調べ)です。
The Journal Newsの記事では、2つの郡で4万4千人が許可証を持っていて、これは大人23人に1人の割合だと書いています。当然、この「大人」には、一家の主のほか、その奥さん、成人した息子や娘、お爺さんやお婆さんが同居しているケースも少なくないでしょうから、それとライフル銃が許可なしで買えることを勘案すれば、数軒に1軒の割合で1丁の銃器が保有されていることが想像できます。
情報公開法に基づいて、許可証の記録を保持する両郡の<County Clerks’ Office>に資料を請求し、取得した内容を自前で地図に落とし込んだものをLoHud.comという同紙のサイトに先週末22日にアップしました。(なお、2郡の当局は氏名、住所の公開には応じましたが、Journal Newsが要求していた、個人所有のピストルの数や種類については公開しませんでした。またプットナム郡の Clerks’ Officeは、記録の公開を拒みました)
まさにgood job!と呼びたい労作ですが、なにせウィークデイの朝刊発行部数が7万に満たない新聞のサイトですから、当初はあまり注目されなかったようです。しかし、同紙の25日の記事でも書いているように、ソーシャルメディアによって、数日後から急速にアクセスが増えたようです。例えば、Facebookのrecommend数は、このブログ執筆時点で39,807に達しています。
それとともに、反発も急速に高まったと、先に記事でも明らかにしていますが、氏名、住所の公開に批判が高まっていると報じたCNNの25日の記事は27日にアップデートされ、「(2日間で)記事には2万以上のコメントが寄せられたが、大多数は公開に反対する声だ」と付け加えられ、さらに「(Journal News紙への)怒りの電話やコンピューターへのアクセスが地図の対象地域外から多いのはソーシャルメディアの影響だろう」と指摘しています。
反対の理由は、米国憲法修正2条にもとづいて、国民には武器を持つ権利があるとの立場から、今回のマップはそれを貶めるものだ、ということから、所有する人を逆に危険にする、プライバシー侵害だ、泥棒に貴重な情報を与えた、新聞社の特権を乱用した傲慢なジャーナリズムだ、など様々のよう。
Journal Newsの記事では、公開反対の電話を掛けてきた人が「銃を保有する人がまるで性犯罪者のようだ。クレージーだ」と述べたことも紹介していますが、実は私も似た感じを受けました。
というのは、米国の殆どの州では、性犯罪者は刑期を終えて出所しても、当局に住所の登録を義務付けられていて、それに基づいたデータベースが作られて公開されており、住民は自宅近くに元・性犯罪者が住んでいないか簡単に調べられます。こっちの方は、顔写真から、人種、身長・体重、髪の毛や眼の色まで詳細なもので、そこは今回のマップとは大違いですが、近所のピストル保持者を検索するという意味では近い感じなのです。
そこで、「目には目を」ではないかも知れませんが、元弁護士で今、不動産業者さんが自らのブログFor What It’s Worthで、Journal News社の社長以下、数十人の住所と電話番号を公開し、これに基づいて、「あなたのご近所にJournalの記者はいるか」というパロディめいたインタラクティブマップが登場したりして、ますます話題が拡散しています。
Journal Newsの記事では、「2006年にも同じような記事を書いて、似たような反応だったが、今回のようには広がらなかった。ソーシャルメディアの威力はスゴイ」というようなことも書いています。そうしたスゴさが、安全な銃規制の方向に向かうといいのですが。



