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『LINE』でスマートフォン世界ナンバーワンへ

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LINEはどうして生まれた?

石田:LINEを作ろうと思ったきっかけについて聞きたいのですが、森川さんがこのLINEを発明されたんですか。

森川:LINEは現場から生まれました。僕たちは元々コミュニケーションを軸にしてサービスを作ってきたんですが、それをスマートフォンに集中させようという過程の中で「メッセージのサービス」をつくろうという話になったんですね。そんな頃にあったのが、震災で。ちょうどスタッフが福岡に移ってサービス運営をしていたんですけど、社員とのやり取りをLINEと似たような社内のサービスを使って行っていたんですよ。

それと同時に、震災後のコミュニケーションツールとしてTwitterが急激に伸びましたよね?そのこともあって、「じゃあこういうメッセージサービスのカタチが一番いいだろう」という構想が固まって、急いで開発を行い1ヶ月半で出したというのがLINE誕生の経緯ですね。

夏野:へ~、知らなかった。

森川:それから相手にメッセージが表示されると「既読」と出ますが、あれは震災でスタッフの安否確認をしている時に、読んだかどうかがわかるといいよねという話になってできた機能です。

夏野:既読と出るのが便利だとユーザーさんからも聞きますけど、そういう経緯だったんですね。

森川:逆にあれを外してという意見も多くいただきますけどね。

石田:「見たら返事しないと」ってなりますもんね。ほかにもLINEは不器用な人でもスタンプで気持ちを伝えることができるじゃないですか。そこがいいですよね。

森川:スマートフォンになって、メールが使いにくくなったと言われたタイミングでLINEが登場した。シンプルにメッセージを送れるところがウケたんだと思います。スタンプは夏野さんがやったiモードでのデコメや絵文字の経験を生かし、じゃあもっと表現するためにはどうしたらいいかと考えてああいうカタチになりました。

夏野:素晴らしい。この手のサービスは先に誰かがやって規模が大きくなったからと言って、同じ事を他の会社がやっても駄目なんですよ。ただ、一番最初だとしても、ちゃんとそれを進化させていかないと駄目ですけどね。進化させ続ける限りは、後発隊は追いつけません。先行逃げ切り型のビジネスなんで。

森川:そうですね。だから新しい付加サービスのリリース間隔は、以前より速くなってきています。社内的に人材をそこに集中させていますね。

夏野:今はアメリカのユーザーがあまりいませんが、今度は孫さんが行くから、一番これで有利になるのはLINEじゃないかなって思っているんですよ。これは間違いなく、ATTなんちゃらとかって、もうね、NTTみたいに頭が固い経営者なんですよ。だから、そこに孫さんが殴りこんだらダーッと変わりますから。絶対定額制が復活すると思うし。LINEはアメリカにも向いてると思うんだよなあ。

石田:スタンプとかすごく大げさな表現になっていますよね。そういうのがアメリカの方にウケそうだと思います。

森川:日本からアジアに広がり、今、スペインや南米で広がっているんですよね。結構ラテンの方はこういうの好きじゃないですか。日本人は世界的に見てもイラストに関してレベル高いので、そこもいかせるかなって思いますね。

プラットフォーム化で更に便利に!

石田:LINEは今年の7月にプラットフォーム化を宣言され、「LINE Channel」を始め、様々なサービスを開始しましたよね。

森川:元々インターネットの世界にポータルがありますが、あれは検索がない時代のものだと思うんですよ。検索ができるようになってから、ほとんどの人がトップページに行かずにコンテンツに直接アクセスするようになりました。そこからさらに時間が経ってスマートフォンの時代になると、ウェブからの役割がアプリに移ってきて、アプリはどちらかというとトップページというか有機的にコンテンツ同士が繋がるものです。そことLINEをハブのようにつなげていくサービスがこれから伸びるだろうということで、チャンネル化しました。

夏野:そうすると、まずLINEアプリを立ち上げて、そこから他のアプリを立ち上げるみたいな感じで、LINEを常にベースとして使ってもらうという戦略?

森川:紹介したり、プレゼントしたり、共有したり。コンテンツも全て一緒に共有して楽しむ、そこから購買効果につながるような。

夏野:でももし、Appleが似たようなサービスを始めたら嫌ですね。ライバルはもしかしたらAppleになるかもしれない。

森川:どうでしょうね。でもいつどうなるか分からないので、安定的に価値を提供していかなければ!という危機感は常に持っています。

夏野:ただ、Appleがやったとしても、Androidユーザーとの間で繋いでいけばいい話だから、別にそれは怖くないのかな?

石田:Appleはメッセンジャーとかありますよね。

夏野:FaceTimeもあるけど、ほとんど使わないよね。だって相手がiPhoneかどうか分からないじゃん。同じOS同士じゃないといけないという縛りがある。だから、LINEは強いんじゃないかなって思うんだよね。例えば、キャリアが提供するサービスだとそのキャリア同士じゃないといけないし、Appleが提供するのはApple同士じゃないといけないし、Googleだったら、Android同士だし。それが、LINEだと別に誰でもいいじゃんっていう。

石田:そうですね。ブラックベリーでもフューチャーフォンでも、ウィンドウズフォンでもできる。

夏野:ブラックベリーとか、ウィンドウズフォンとかはどうせなくなっちゃうと思うから、あんまりやらなくてもいいと思うけどね(笑)

スマートフォンでナンバーワンを目指す

石田:では、質問コーナーに参りましょう。まずは、夏野さんへの質問。ニコニコはLINEの公式アカウントを取得しないんですか?今の時代はパソコンより、携帯から情報を見ている気がします。また、テレビちゃんとか、にわとりさんとか、スタンプが出れば絶対買うのですが。

夏野:だよね!だよねー!早くしましょうね。どんどんやりたい。

石田:ではもう1つ、森川さんに質問ですLINEはmixiやグリーのように出会い系に流れていく恐れや危惧はありませんか。

森川:電話帳から知り合いと繋がるようにしていますが、アプリの評価欄などにIDを書いて、出会いを求める人がいるんですよね。そういうのは削除依頼を出して消すように努力しています。

夏野:日本は「出会い系はあんまりよくない」っていう雰囲気があるでしょ。それに対して、アメリカや特に南米などは「何がいけないの」っていう感じなんですよ。例えば、アメリカだと50ドルでニューヨーク・タイムズに「恋人募集」「出会い求む」って、個人広告が出せるんだよ。「白人のブロンドで、23?25歳の人、求む」なんてことが、ごく普通に行われているんです。そういう意味でフィルター機能を強化しちゃうと、南米のユーザーが怒り出すかもしれない。アジアもありえる。そのへんはどうするんですか?

森川:今のところちゃんと管理できていますが、今後どこまで伸びるかということもあります。事件が起きるとイメージも悪くなるし、そこはきちっとやっていかないといけないと思っています。

夏野:ただ事件と言ってもいわゆる青少年・未成年の問題で、例えば「そこでお金が取引されて」、というような話になってきた場合だよね。だって、iPhoneのメールで出会って結婚したっていう人は山ほどいて、出会いが全部いけないわけではないんだから。

森川:あとはスパムなどが増える可能性があるので、そういうところは管理していかないといけませんね。

夏野:元々NHNっていう会社はLINE以外にも、いろいろなサービスがあってとにかくネット業界にとって大きな存在。世界に出ていける可能性があるのに、もたもたしているニコ動と違い、LINEは世界にどんどん出ていってるので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

森川:ありがとうございます。

石田:最後にこれからの目標についてお聞きしたのですが。

森川:そうですね。スマートフォンでナンバーワンになろうとこのサービスを始めたので、まずはスマートフォンで、世界でナンバーワンになりたいなと思います。

夏野:きました。世界ナンバーワン宣言です!僕はね、日本からそういう会社が出て欲しいんですよ。自分のところはさておき(笑)。

石田:ということで、今日は株式会社NHN Japanの森川亮さんをお尋ねしました。森川さん、お忙しい中、ありがとうございました。

森川:ありがとうございました。

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