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入管法改正は絶対に阻止すべきだ

16日に衆議院で審議入りした入国管理法の改正案が問題になっています。非正規滞在の外国人に対して、難民申請中はこれまで強制送還しないとしていたのに同じ内容の認定申請を3回以上行った場合は申請中でも強制送還できるとしており、さらに政治状況により帰国できない事情を持つ外国人が強制送還を拒んだ場合に刑事罰を科すという点が国際人権規約に反すると非難を浴びています。

18日にはクルド人の難民申請者らが出入国管理法の改正案に反対する抗議集会を開きましたが、ミャンマーの少数民族の女性は「父親が国軍と交戦したカチン独立軍の幹部であり、既に申請3回目で強制送還されたら命が危ないから申請している」とマスコミのインタビューに答えています。

ネット上で噴出する無理解な声

こうした外国人からの切実な声に対して、インターネットの右派系住民からは無理解な意見が噴出しています。

  • 大半が偽装難民であってその実態は単なる経済移民だ
  • そもそも難民という考え方が正しいかどうか真剣に検討すべきで、できれば難民条約から脱退すべき
  • 難民は自国の状態が悪くなればなるほど難民として認定されやすくなるので、彼らは自国を良くしようとは思わない。だから難民を自国に追い返し「自分たちで自分の国を立て直せ」と言ってあげることこそが、親心的な真の愛情だと思う
  • 遠すぎる日本に飛行機に乗ってやってきたのだから難民とはいえない
  • こういった問題で一番の癌なのは自分たちの発言や行動の結果、引き起こされる問題に対して何の責任ももたない弁護士やNGOなどの「人権屋」だ

自分たちが同じ境遇に置かれたらどう思うのか?

典型的なネトウヨコメントだと思いますが、この人たちは

  • 日本の難民認定率が極端に低いことに関して「偽装難民」を追い返しているだけだと思っているようですが、日本だけに偽装難民が殺到する合理的な理由があるのでしょうか?
  • 自分たちが習近平政権の人権弾圧に対して怒りの声を上げているのに、ウイグルや香港から日本への政治難民を受け入れないのでしょうか?
  • 人民解放軍が台湾に侵攻して台湾を武力制圧しても、台湾人の日本への亡命を受け入れないのでしょうか?
  • インターネットの発達とともに政府が個人情報にアクセスしやすくなった結果、独裁国家では政府に対する抗議活動が非常に困難になっている事を分からないのでしょうか?
  • ウイグル人や香港人がアメリカやイギリスへの亡命が認められるには、これらの国に陸路か海路で到達しなければならないのでしょうか?
  • 仮に日本が人民解放軍に占領されて、ウイグルや香港の様に全く抵抗できない状況になってもアメリカに亡命する奴はけしからんと言っていられるのでしょうか?
彼らが幼稚で自分勝手な意見を発しているだけで他人の身になって考えられないのは情けない限りです。自分勝手な行動ばかりをとる戦略が失敗するのは、トランプ前米大統領の例を持ち出すまでもなく歴史が証明しています。

鎖国政策がもたらすのは国の衰退

日本の難民認定率が極端に低い理由は日本政府=自民党政権が難民を積極的に受け入れたくないからですが、難民も移民も表向き受け入れない一方で低賃金労働力を外国人に頼った結果、偽装留学生の外国人労働者が頻発するなど、自民党「保守」政権の入国管理政策(移民・外国人労働者政策)の矛盾は深刻化しています。

難民として移住したいと思っている人がいるということは、日本がそれだけ政治・経済的に的に安定しており法の支配が確立している(と思われている)からです。命からがら逃れてきても受け入れてくれないような国が尊敬されるはずもありません。鎖国状態を続けても経済成長すればまだ良いですが、既得権益でがんじがらめになった「保守」政党による長期政権がイノベーションを阻害し、女性が子供を産みながら働きやすい環境も整えられず出生率の低下が止まらないようでは、人口とGDPのダブルの減少で国力の低下が続くでしょう。

人質司法と同じ収容システム

さて、入国在留管理庁の施設に収容されているのは在留資格のない人や資格を失った人など不法滞在を理由に国外退去を命じられた外国人ですが、非正規滞在の外国人の中には、日本で生まれ育ち祖国の言葉も文化も知らないという未成年者も少なくありません。施設への収容に関しては、①司法審査によらず入管の判断によって行われている、②必要性や合理性を個別に考慮せずに収容がなされている、③収容について期間の上限の定めがない、④裁判で争っても判決が出るには1-2年程度かかり収容は勝訴するまで続く、⑤仮放免については行政府に無制限の裁量を与えている、という日本の人質司法に対するものと同様の批判がされています

恥ずべき入管法改正は絶対に阻止しなければならない

立憲民主党や共産党などの野党は対案として、難民等保護法案・入管法改正案を参議院に提出しましたが当然のことです。自民党政権による入国管理政策そのものを抜本的に見直さなければなりませんが、人の命にかかわる難民保護だけは改悪を絶対に阻止しなければなりません。入管法改正案は今国会における最大の与野党対決法案となりそうです。

鈴木 しんじ
博士(理学)
日本型大統領制を実現するリベラル新党、
政治団体「社会民主進歩党」代表

党公式サイト
https://sdpp.jp/
党の重点政策
https://sdpp.jp/party_policies/

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