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木枯らしの東京・永田町にて

いよいよ明日の御用納めから「9連休」という“大型連休”に突入する。東京は年末の独特の慌ただしさに包まれている。そんな中、私は今日も来年出版するノンフィクション作品の取材に追われた。

本来は今年中に上梓する予定の作品だったが、『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)の出版が先行したため、完成が遅れに遅れているものだ。

より深い内容にするために、この年末年始も断続的に取材をおこなうことになっている。今日も永田町を歩いたが、安倍晋三政権の船出があり、民主党も海江田万里体制となり、未来の党は早くも分裂……等々、栄枯盛衰は世の習いとはいえ、今の永田町ほど厳しい木枯らしが吹きつけている地はほかにない。

昨日の国会召集までに落選議員たちの引っ越しは終わっていたが、いよいよ新しい政治が始まったことを実感する。安倍体制がスタートしても、株価の上昇と円安が止まらない。安倍政権への市場の期待がいかに大きいかを物語っている。

それと共に出て来るのは、「あの民主党政権は何だったのか」という思いである。すでに衆院で57議席しか保有していない政党に過ぎないが、民主党の代表になったのが、小選挙区で落選した海江田万里・元経産大臣だったことにこの党の絶望的な状況が表われている。

海江田氏は、昨年7月の衆院経済産業委員会で突然、涙を見せたことがある。菅首相との対立が取沙汰される中での涙は波紋を呼んだ。私はあの時、ああ、海江田氏に原発事故で過剰介入を繰り返す菅首相を止めることはとても無理だったなあ、と思ったものだ。

翌日、涙の理由を記者に問われた海江田氏は、「尋常でない状況が続いていますので……」と釈明した。そのことを菅首相の夫人、伸子さんに「泣くような人に大臣には任せられない」と批判されたことを思い出す。

私は、今でも原発事故の際の官邸の罪は重いと思う。「パニックを回避するために」事故の実態を隠し、過少な発表しかおこなわず、さらには約100億円もの費用が投入されてできたSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)をまったく生かそうともせず、国民の信頼を失いつづけたのだ。

内閣の一員として、また原発の事業者を監督する立場にある経産大臣として、海江田氏は、本気で被災地の人々の命を「救おうとしていたのか」という疑問を抱くのである。

現場介入を繰り返す菅首相を身体を張って止めることができなかったことを噛みしめながら、海江田氏には、民主党の再生を命をかけてお願いしたい。それこそがあの時の償いになるのではないだろうか。

そして、安倍政権には、本来の役割を見失ったその民主党政権の轍(てつ)は絶対に踏まないで欲しい。内外に山積する課題をこなしつつ、国民の生命と領土を毅然と守って欲しいと願う。

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