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【ウォルマート】、過去最大のIT投資額にピックアップタワー開発が自動運転車を発表!



ウォルマートは2月に発表した第4四半期(11月〜1月期)決算で今年度(2022年)の設備投資額に140億ドル(約1.47兆円)近くを投じる方針を示した。

ウォルマートはこれまでにないほどサプライチェーンや自動化などEコマース等へ投資し、国内にある4,700店以上の店舗網を生かしたシームレスなオムニチャネル化を実現するためだ。

ウォルマートの設備投資額は2021年1月期で103.0億ドルだった。2022年度は前年度から36%も設備投資を増やすことになる。

興味深いのはその内訳だ。2017年の国内事業のウォルマートUSへの設備投資額は79.2億ドルだった。

当時の内訳では「新規出店等(New stores and clubs, including expansions and relocations)」への投資比率が27.4%を占めていたのだが、1962年の創業以来初の店舗数の減少となった2020年(国内は79.0億ドル)には0.97%と1%以下になっている。

一方、「Eコマース等(eCommerce, technology, supply chain and other)」への投資比率は2017年で52.5%だったのだが、2018年には60.7%、2019年には67.9%と年々増加傾向にある。

そして2020年には国内の設備投資額の71.4%がEコマースに注がれ、2021年には72.6%にまでECなどITへの投資が割かれたのだ。

過去5年間以上は100億ドル強だったものが今年度はそこから4割も増やすことで、比率が下がったとしてもウォルマートのIT投資は過去最大なものになる。

 そのなかで注目されるのが今年初めに発表されたロボット物流のマイクロ・フルフィルメントセンター(Micro-Fulfillment Center:MFC)の展開だ。

ネット注文専用の物流施設であるMFCを既存店に併設することで、カーブサイド・ピックアップやデリバリーにローカルベースで対応する。

そしてウォルマートはラスト・ワン・マイルで自動運転車にも投資を積極的におこなっている。

ウォルマートは先週、GM傘下の自動運転車開発のスタートアップであるクルーズ(Cruise)への投資を発表した。

ウォルマートはすでにクルーズと提携しており、昨年の11月にはアリゾナ州スコッツデールでクルーズの自動運転車を使ったパイロットプログラムで開始している。

投資額などの詳細をウォルマートは明かしていないが、ITへの設備投資を大幅に増やすことからクルーズにとってホンダやマイクロソフト以上の株主になることは間違いない。

宅配サービスに自動運転車の実証実験を拡大することになるはずだ。

なおウォルマートとスタートアップが提携した自動運転車のテストは、ヒューストンで行っているニューロ(Nuro)との実験やガティック(Gatik)と行っているアーカンソー州内の無人輸送トラックのミドルマイル物流テスト、アリゾナ州ユーデルブ地区におけるユーデルブ(Udelv)の実証実験がある。

他にもウェイモ(Waymo)やフォードとの実験にドローン開発のスタートアップと組んだテストも行っているのだ。

 潤沢な資金でIT投資を拡大する小売の巨人に対して、海外のスタートアップも注目している。

ウォルマートとはピックアップタワー展開で提携するエストニアのロボット開発企業クレヴァロン(Cleveron)が先週、ドライバーレス宅配専用車「クレヴァロン701(Cleveron 701)」を発表したのだ。

オペレーターが最大10台を遠隔監視する半自動運転車のクレヴァロン701は最大積載量が500ポンド(約230キログラム)で最大時速が30マイル(約50キロメートル)。

比較的交通量の少ない郊外や田舎道での利用を考えており、2023年中に大量生産を計画しているという。クレヴァロンはウォルマートを意識していることに間違いはなさそうだ。

なおクレヴァロンは全米第2位のスーパーマーケットチェーンであるアルバートソンズとも提携。シカゴにある傘下のジュエル・オスコでコンテナにATMが付いた自販機のようなピックアップロボットをテスト中だ。

 世界一の小売企業が過去最大規模にIT投資を拡大するとなれば、アメリカ国内に関わらず海外の元気なスタートアップもベントンビル詣でをするだろう。

日本のベンチャーも海外進出のチャンスとしてウォルマートに挑戦してもらいたい。

トップ画像:ウォルマートとピックアップタワー展開で提携するエストニアのロボット開発企業クレヴァロン(Cleveron)が発表したドライバーレス宅配専用車「クレヴァロン701(Cleveron 701)」。



オペレーターが最大10台を遠隔監視する半自動運転車のクレヴァロン701は最大積載量が500ポンド(約230キログラム)で最大時速が30マイル(約50キロメートル)
210419ウォルマート国内設備投資額推移

ウォルマート国内設備投資額推移グラフ(海外店除く)。「Eコマース等(eCommerce, technology, supply chain and other)」への投資比率は2017年で52.5%だったのだが、2018年には60.7%、2019年には67.9%と年々増加傾向にある。そして2020年には国内の設備投資額の71.4%がEコマースに注がれ、2021年には72.6%にまでECなどITへの投資が割かれたのだ。

過去5年間以上は100億ドル(海外店の設備投資額含む)強だったものが今年度はそこから4割も増やすことで、比率が下がったとしてもウォルマートのIT投資は過去最大なものになる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。荷台部分を広くとっている若干不格好なクレヴァロン701を見ていると宅配サービスに限定しているわけではないことがわかります。

冷蔵品などを保管する冷凍・冷蔵庫を荷台に置けるほか、自販機の設置も考えていそうです。自販機といっても飲料ではなく例えば、ウォルマートが北カリフォルニアの2店舗でテスト展開しているジャンバ・スムージーロボットとかありえます。アプリを介して自宅前に呼んで、目の前でスムージーを調理させるとかありそう。個人的にはソフトクリーム。夏の暑い日、無性にソフトクリームを食べたくなることってありませんか?でも店まで出ていくのは億劫。

クレヴァロン701を自宅前に停めて、人間の腕に似た働きをするロボットアームがトッピングまで添えてソフトクリームからフローズンヨーグルトまで出してくれるみたいな。日本だったら、ふわふわ美味しいかき氷!寒〜い冬の日なら石焼き芋でしょう。後藤が幼い頃、母親から焼き芋のお使いを頼まれたことがありました。

 焼き芋トラックが幼い子どもに気づかず突然走り出したので、なぜか大泣きしながら追いかけたこともありました(笑)。近い将来、子供がアプリを介して石焼き芋ロボカーを自宅近くにまで呼び出す時代になるのですかねぇ...

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