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不登校新聞の石井志昂さんに聞いた 不登校の子どもの「居場所」はどこにあるのか[不登校との付き合い方(21)]

不登校で学校に行かない子どもは、日々どこにいて、どう過ごすのでしょうか。不登校でも、まったく家から出られないという状態から、徐々に外へ出かけて、家族以外の人とのかかわりがもてるようになるプロセスがあります。学校以外の子どもの「居場所」について、「不登校新聞」編集長の石井志昂さんにお話を伺いました。

この記事のポイント

  • どこにも出かけられない人は約1割。ほとんどの人は、何かしら外部との接点がある
  • 学校だけが居場所じゃない。様々な場所があると知る意味
  • 大切なのは子ども自身の「誰かと関わりたい」と思うタイミング

どこにも出かけられない人は約1割。ほとんどの人は、何かしら外部との接点がある

不登校といっても、まったく外部との接触を持たないというわけではありません。保健室登校や、スクールカウンセリングの面談など、学校とつながりをもっている人は9割くらいいます。そのうち半数の人は、週の半分ほど学校へ通っています。

このほか、なんらかの形で家庭や学校以外の居場所を見つけて通っている人も全体の7割くらいいます。学校以外の場所とは、教育支援センターの適応指導教室、放課後等デイサービス、フリースクールなどです。そのため、不登校とはいえ多くの子どもは学校にも少し通い、学校以外の場所にも少し通うといったパターンが多いようです。逆に、不登校の中でも、学校もどこも全く行かない人は1割ほどです。

学校とのつながりがある子どものうち、月1回は学校とかかわるというケースもあります。学校へは行きたくないけれど、「とにかく放課後だけでも、保健室登校、校長室登校でもいいから学校へ来て」と言われることを、当事者は「外圧」と呼んでいますが、この外圧が強くて、親子で我慢できる範囲で接触をもっている、というケースです。

学校以外の学習の場として代表的な場所は、学習塾。なかには親がむりやり行かせてトラブルになっているケースもありますが、それでもなんとか週1~2日は家から出て塾に通うという人たちがいます。ほかに居場所としては、学童保育、児童館などがあります。不登校といえばフリースクールをイメージする人もあるかもしれませんが、これは全体で3.5%と、そんなに多くはありません。

学校だけが居場所じゃない。様々な場所があると知る意味

居場所として、「地域の集まり」を選ぶ人たちもいます。たとえば、合唱クラブ、お神輿クラブ、ボランティアサークルなどです。年齢も性別も職業も様々な、こうした場所が、意外と心のよりどころになるのです。

ある人は、地域のお祭りが好きで、不登校になった小学生時代、お祭りサークルに入っていました。学校に行けない自分を人目にさらすのがイヤで、しばらく外に出られませんでしたが、お祭りサークルに入ることで外出できるようになったそうです。

サークルには、だれも差別する人がいなくて、気が楽になったと話しています。サークルでは「なんで学校行かないの」といったことは誰も聞かずに、活動に関する事だけを一生懸命に教えてくれることが一番よかったと言っています。周りの大人がどう考えていたかはわからないし、ただ聞きづらいから聞かなかっただけかもしれません。今、その人は、学校外の場所で人に接することの必要性を痛感して、今は学童と児童養護施設の支援員をしています。

大切なのは子ども自身の「誰かと関わりたい」と思うタイミング

保護者も子どもも、学校に通うことにこだわっていると本人の活動の幅を極端に狭めてしまいます。それこそベッドの上から動けないような状況のときに、「学校しか君の人生はないんだよ、早く学校に戻れ」と迫られてしまうほどつらいことはないでしょう。

そこで、「学校だけではなく、学び方はいろいろある」「様々な場で人は成長するもんだ」と周りが思っていれば、本人もだんだんに活動の幅を広げることができます。活動の選択肢のひとつとして、いずれ学校も入ってくるかもしれません。どこにも出たくない状態から、だんだんに活動の幅を広げていくのです。

また、大人としては、どこに行かせるかという選択肢ばかりに目が向いてしまうかもしれないけれど、大切なのは、「子どものタイミング」です。子ども自身が、誰かとかかわりたいという意欲をもっているタイミングでないと、どんな場所でも十分に機能しません。逆に言えば、誰かとちょっとゲームしたいという程度でいいから、意欲があれば、十分学び育つことができるのです。

まとめ & 実践 TIPS

不登校の子どもには、学校以外に人とかかわる場所があることが必要です。「学校にしか居場所はない」と世界を狭めないようにしたいもの。また、子ども自身が、外へ出てみようという思うタイミングがとても大切です。意欲がない時には、どんな提案をしても難しいですが、少しずつでも本人の意欲が湧いてくれば、学ぶことはいつでもできるでしょう。

(文・取材/関川香織)

参照:
不登校になった子どもに、親ができること[不登校との付き合い方]

プロフィール

石井志昂
『不登校新聞』編集長。1982年生まれ。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」に入会。17歳から不登校新聞社の子ども若者編集部として活動。不登校新聞のスタッフとして創刊号からかかわり、2006年に編集長に就任。現在までに不登校や引きこもりの当事者、親、識者など、400名以上の取材を行っている。

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