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大胆な金融緩和に前向きの姿勢を示した日銀

26日に11月19日・20日に開催された日銀の金融政策決定会合議事要旨が発表された。当面の金融政策運営に関する委員会の検討において、何人かの委員から、「今後も適切な情報発信を通じ、日本銀行の政策に対する信認を確保していくことは、金融政策の波及効果を高めるうえで、きわめて重要であるとの認識を改めて示した。」とある。これはあらためてアナウンスメント効果を意識した発言のように思われる。今回の議事要旨を見ると、かなり日銀のスタンスに変化が生じていたことが伺える。

「委員は、日本経済がデフレから早期に脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することがきわめて重要な課題であると確認したうえで、この課題は、幅広い経済主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しがあいまって実現されていくものであるとの認識を共有した。」

デフレ脱却を全面に打ち出し、さらに政府による成長力強化の動きに金融政策も歩調を合わせることを課題としてあげている。

「何人かの委員は、景気や物価の見通しが更に下振れたり、見通しを巡るリスクが大きく高まるような場合には、様々な選択肢をあらかじめ排除することなく、その効果とリスクを十分検討したうえで、適切な措置を果断に講じていく必要があると述べた。」

これも以前から同様の発言はあったが、日銀は今後も積極的に金融緩和を行うとの姿勢を強調した。

「何人かの委員は、金融政策による為替相場への働きかけを強める観点から、一段の工夫が必要ではないかとの問題意識を示した。」

この会合が行われていた時点で、安倍自民党総裁による「政権をとった暁には日銀と政策協調を行い、大胆な金融緩和を行っていくことを約束する」といった発言が伝わっていたと思われる。すでに円高調整基調となっていたところに、安倍総裁の発言が伝わったことで円安の動きも加速しており、このあたりの情勢も意識されて金融政策による為替相場の働きかけを意識する委員が増えてきたように思われる。

「このうち複数の委員は、為替市場などでは日本銀行の金融緩和姿勢に誤解や疑念が存在するとの認識を示したうえで、それらを払拭し、金融緩和効果の一層の浸透を図る観点から、当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していくとのコミットメントの文言を変更することが市場の予想に働きかけるうえで有効ではないかと、前回会合と同様の問題提起を行った。」

10月30日の決定会合議事要旨を確認すると、この意見について「大方の委員は、現時点でコミットメントの文言を修正することには慎重な見解を表明し」コミットメントの文言の変更が必要な状況にはないとの指摘があった。

これに対して今回も「複数の委員は、イールドカーブが現状きわめて低位で安定していることを踏まえると、たとえコミットメントの文言を変更しても追加的な長めの金利の低下効果は殆ど期待できない」としたものの、今回はいろいろと興味深い意見が付け加えられている。

「一人の委員は、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置を通じた強力な金融緩和について、消費者物価の前年比上昇率1%を達成するまでオープン・エンドとすることを対外公表文に明記することが考えられると述べた。」

「一人の委員は、信用力の高い一部の国の短めの国債利回りがマイナス圏にあることを指摘したうえで、超過準備への付利の廃止には金融市場の機能低下等の様々な問題があるものの、これによりわが国の短期国債の利回りを一段と引き下げることができれば、退避通貨としての円の魅力を減ずることになり、為替相場にも働きかける可能性があると述べた。」

「この点に関し、別の一人の委員は、短期国債利回りの低下を図る手法として、現状の超過準備への付利を維持したまま、短期国債買入れを増額することも考えられるとコメントした。」

最初の委員はいわゆるハト派の筆頭とも言える佐藤委員の発言ではないかと予想される。また、付利撤廃については12月の会合で議案を提出した石田委員の意見ではないかと予想される。これらの発言内容から見て、11月にはさすがに追加緩和こそ実施されなかったものの、追加緩和に向けてかなり前向きとなっている状況が浮かび上がる。

ただし、この会合に出席した内閣府の出席者からは、「円高基調の是正とデフレ脱却は、日本経済のきわめて重要な課題であるが、金融緩和だけで全てを解決できる訳ではなく、経済の体質改善を進めていく必要がある。また、日本銀行の独立性は尊重されるべきである。」との発言があった。この内閣府の出席者(前原誠司経済財政政策担当大臣)は、安倍自民党総裁の発言を意識してこのような発言をしたようにも思うが、この観点もたしかに重要である。

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