- 2021年04月16日 08:15 (配信日時 04月16日 08:15)
「数週間で子犬でなくなったので」"ブーム"に乗ってペットを買った日本人の呆れた言い分
1/2新型コロナウイルスの影響で、この1年間私たちの暮らし方は変化し続けてきた。そこではいくつものブームが生まれ、すでに去ったものもある。なかでも深刻なのがペットブーム。身近な人の死に心を痛めている人たちがいる一方で、簡単に動物の“命をもてあそぶ”人もいる。命に期限がつけられている現状を、真剣に考えたい——。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Bilgehan Tuzcu
命を暇つぶしに使う人たちが急増中
新型コロナウイルスの蔓延により、初めて緊急事態宣言が出されてから1年以上が経過し、私たちは今なお見えない敵と戦う毎日を送っている。新しい生活様式を身につけつつも戸惑う日々が続いているのは皆同じことだろう。旅行どころか外出もままならない生活に、多かれ少なかれ誰しもがストレスを溜めている。
そんななか、ひとつのブームが見て取れる。それが「ペットブーム」だ。繰り返される自粛要請や、減ったと思ったらまた増える……を繰り返す感染者の数におびえながら、自然と長くなる“おうち時間”を少しでも楽しく過ごそうと動物を飼う人が増えているのだ。一般社団法人ペットフード協会の調べによると、昨年新たに飼われた犬と猫は、どちらも推計で前年と比べ6万匹以上増加しているという。
しかしながら、一方でそのペットたちを手放す人たちも急増しているという驚くべきニュースも20年の年末あたりから増えている。手放す主な理由(言い訳)としては、「実際に飼ってみたら思ったより手間がかかる」「想像していた性格と違った」「数週間で子犬(子猫)ではなくなった」など、どれをとっても身勝手としか思えないものばかり。なかには「家に着いたら吠えたので」「元の生活に戻りつつある今、かまっている時間がない」など、怒りがこみ上げてくるような言い訳をする人たちまでいる。そしてそれは決して特別な人たちではない。普段はまじめに企業で働いていたり、誰かの親であったりする人たちだ。
とある地方の犬猫保護施設では、感染が拡大し始めた頃に引き取り手が急増したが、わずかその数カ月後には逆に引き取ってほしい、という依頼が増えたというし、幼少期特有のかわいさに一目惚れをし、その日にペットショップから購入した子犬を数日後には保護施設に手紙つきで遺棄したという例も聞かれた。保護施設のSNSには、かわいい犬の写真とともに「○日○時までの命です!」というような投稿が連日並ぶ。信じがたいエピソードのオンパレードだ。
つらい現実の裏で犠牲になっている命
仕事がリモートとなり在宅時間が増えたことで、余裕や手持ち無沙汰を感じて何か新しいことを始めようとするのは決して悪いことではない。けれど、その対象が命である場合はどうだろう。ただの思いつきやその場のノリで決めてはいけないことは、誰がどう教えれば今さら大の大人がきちんと理解してくれるのだろうか?
たしかに私たち人類は未曾有の事態の渦中にいて、自分たちの命さえ危ぶまれる環境にある。けれど、その不安を少しでも軽くするためにペットたちは利用され、翻弄され、命に期限をつけられ……救い手が現れなければ殺(あや)められてしまうのだ。

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人間と違って、たとえば犬や猫などのペットたちは、家からはぐれてしまえば処分という形で命を奪われてしまう。虐待されていたとしてもどこかの誰かにサインを出すことなんてできないし、その飼い主は“毒親”としてニュースになることはない。迷子になっただけ、身勝手な親(飼い主)に嫌われただけ、非常識極まりない人間から見た目が気に入らないとされただけで、殺処分になってしまうことが多々あるのが現実だ。
それは自分ごとに置きかえてみればとても怖く、あり得ないことではないだろうか? それとも人間に起きたら大事件なのに、ペットならしょうがないと言えるのだろうか? コロナ禍の手持ち無沙汰で考えなしに起こした行動が、命の犠牲を増やしていることに私たちは一刻も早く気づくべきだ。そして、命がこれ以上粗末に扱われないようにするため、私たちに今すぐできることは何があるだろう。
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