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バイデン氏「米最長の戦争終結」宣言 同時多発テロ20年の節目までにアフガン撤退へ


アメリカのジョー・バイデン大統領は14日、米同時多発テロから20年を迎える9月11日までにアフガニスタンの駐留米軍を完全撤退させると表明した。撤退後もアフガニスタンへの外交的・人道的支援は継続するものの、「軍事的」な関与はしないという。

バイデン大統領は「アメリカ史上最長の戦争を終える時だ」と述べた。大統領は、2001年にアフガニスタンでの空爆が初めて宣言されたホワイトハウスの「条約の間」から演説を行った。

北大西洋条約機構(NATO)主導のアフガニスタンでの作戦には9600人強の兵士が加わっており、その一環としてアメリカは少なくとも2500人の兵士を駐留させている。

アフガニスタンに駐留する米兵の数は変動しており、現在は3500人近い米兵がいると米メディアは伝えている。

アメリカとNATO高官らは、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが武力行使縮小の約束を守っていないと指摘している。

アフガニスタン当局は、米軍撤退に備えて和平交渉を継続する方針という。

アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領はツイッターで、14日にバイデン大統領と電話会談したことを明かし、アフガニスタンは「アメリカの決定を尊重し、アメリカのパートナーと協力してスムーズな移行を実現する」とした。

また、アフガニスタンの国防軍には「国民と国を守るための十分な能力がある」と付け加えた。

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バイデン氏は何と

アフガン戦争開始から、バイデン氏で米大統領は4人目。「撤退のため理想的な状況を作りたいと望んだり、現状とは別の結果が得られると期待したりして、アフガニスタンでの軍事的プレゼンスを延長あるいは拡大し続けるわけにはいかない」と述べた。

そして、「我々がアフガニスタンに軍事的に関与し続けることはないが、外交的・人道的な活動は継続する」、「我々はアフガニスタン政府を支援していく」と続けた。

バイデン氏は「自国のために勇敢に戦い、多大な犠牲を払ってアフガン国民を守り続けている」30万人のアフガン国防・治安部隊への支援継続も約束した。

また、アメリカによるアフガニスタン侵攻の契機になった、2001年9月11日の同時多発テロの犠牲者にも敬意を表した。

「我々がアフガニスタンへ侵攻したのは、20年前に起きた恐ろしい攻撃が理由だった」としつつ、「だからといって、2021年になっても駐留を続けるべき理由にはならない」とした。

バイデン氏はサイバー攻撃の脅威や中国との緊張関係の高まりを挙げ、「目の前にある問題に注力しなければならない」と語った。

「今日アフガニスタンで任務を遂行している軍人の中には、親子2代で同じ戦争に参加している者もいる」

「この国が9/11の攻撃を受けた時、まだ生まれていなかった兵士もいる。アフガニスタンでの戦争はそもそも、何世代もかけて続けるつもりで始めたものではなかった」

バイデン氏はその後、アフガニスタンで戦死した米兵2488人が埋葬されているアーリントン国立墓地を訪れた。

撤退スケジュールは

バイデン氏が表明した米軍撤退計画は、ドナルド・トランプ前政権とタリバンとの和平合意に基づく、5月1日の完全撤退期限を先延ばしにするものだ。

2020年2月の和平合意は、米軍とNATOの同盟国が14カ月以内に完全撤退するというものだった。ただし、タリバンが合意を履行することを条件としている。

合意では、タリバンは支配下にある地域でアルカイダなどの過激派組織の活動を認めないことなどに同意した。

この歴史的合意の一環として、タリバンは外国の軍に対する攻撃を中止した。しかし、アフガニスタン政府との戦いは続けている。

先月にはタリバン側が、撤退期限が守られなければ、国内に残る外国軍に対する敵対行為を再開すると警告した。

米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は14日の上院公聴会で、米軍が撤退すれ同地域の軍事力低下につながると述べた。

バーンズ氏は「米軍と連合軍が撤退すれば、大きなリスクが生じる」、アメリカは依然として過激派の脅威に対抗するための「一連の能力を保持」していると付け加えた。

13日には米政府高官が、撤退期間中にタリバンが米軍を攻撃した場合には「強硬措置を取る」ことになると警告した。

アフガニスタン国家和解高等評議会のアブドラ・アブドラ議長は14日、外国軍撤退の知らせは、「我々が共存方法を見つける必要がある」ことを意味すると述べたと、ロイター通信は報じた。

「我々はアフガニスタンの紛争に勝者はいないと考えている。タリバンにもそのことを理解してもらいたい」と、議長は述べたという。

アメリカのアフガニスタンでの作戦

2001年10月: 9月11日の米同時多発テロを受け、アメリカ主導によるアフガニスタン空爆開始

2009年2月: アメリカはさらに兵士1万7000人の増派を決定。NATO加盟国もアフガニスタンへの増派などを約束

2009年12月: バラク・オバマ米大統領(当時)は、アフガニスタン駐留軍を3万人増員し、計10万人に拡大すると決定。一方で、2011年までに撤退を開始すると表明

2014年10月: アメリカとイギリスが、アフガニスタンでの戦闘作戦を終了

2015年3月: オバマ大統領が、駐留軍の撤退延期を発表。アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領の要請を受けたもの

2015年10月: オバマ大統領が、2016年末までは兵士9800人をアフガニスタンに残すと述べた。これ以前は、1000人を残し全軍を撤退させると約束していた

2016年7月: オバマ大統領は「安全保障上の不安定な状態」を理由に、2017年には米兵8400人が駐留すると発表。NATOも駐留を継続することに合意したほか、2020年までアフガニスタン政府軍への資金援助を続けると強調した

2017年8月: ドナルド・トランプ大統領(当時)が、タリバンの勢力拡大を受けた増派表明

2019年9月: アメリカとタリバンの和平交渉が決裂

2020年2月: 数カ月におよぶ交渉の末、アメリカとタリバンがドーハで合意に至る。アメリカは駐留軍撤退を約束した

(英語記事 Biden: 'It's time to end America's longest war'

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