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再婚、宗教の勧誘、悪徳商法… 元気な高齢「ひとり親」の落とし穴

元気なことは嬉しいが…(イメージ)

 親の介護の問題は誰にでも起こりうるもので、特に高齢のひとり親の場合は心配も多いだろう。一方で、「うちの親はひとりでも元気に暮らしているから心配いらない」と放っておくと、予期せぬところに落とし穴があることも。

 たとえば「熟年再婚」である。都内在住の元会社役員の男性(75)は驚きを隠せない様子でこう話す。

「4年に1度開かれる高校の同窓会で、おひとりさま同士の男女がすっかり意気投合しているなと思ったら、その4年後の同窓会に参加した時には、2人はすでに同棲しているとのことでした。互いに子供は独立しているから、一緒に楽しく過ごしているということだった。籍も入れないということで、子供たちも納得したはずだった」

 しかしさらに4年後の同窓会で、思いもよらぬことを知らされた。

「もし介護をしてもらうことになればタダでは申し訳ないということで、男のほうが頭を下げて入籍してもらったそうです。入籍しないと医療機関での治療意思決定ができなかったり、いろいろ不都合があると話していました。

 ところが相続で配偶者が優遇されることに男の子供たちが激怒したとのこと。財産狙いではないと説明しても納得してもらえず、揉めているそうです。この話を妻にしたところ、『もう同窓会に行くな』ときつく言われました(苦笑)」

 ケアタウン総合研究所所長の高室成幸氏が指摘する。

「介護事業者が別業態として、高齢者向けのマッチング事業をしている例もあります。子供が知らないうちに、相続に大きな影響のある“再婚話”が進むというのは、珍しいことではありません」

 想定しづらいトラブルは他にもある。神奈川県の部品販売会社社員(55)がつぶやく。

「10年前に父が亡くなり68歳の母が残されました。母はしっかりしていたので安心し、子供の受験に専念して丸1年ぶりに帰省したら、実家に見慣れない神棚がありました。父を失った寂しさから入信したようで、私が仕送りした大半がお布施に化けていた。母から目を離した“空白の1年”を心から悔やんでいます」

 高室氏は「悪徳商法」にも警鐘を鳴らす。

「何ごとにも慎重だった夫が亡くなった後、残った妻を狙い撃ちするケースがあります。ある日突然、いかにも人の良さそうな営業マンがやって来て『床下を点検させてください』と言葉巧みに家に上がり込み、無駄な工事を売りつけることもあるので注意してほしい」

※週刊ポスト2021年4月16・23日号

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