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カンニング竹山の小池都政批判発言ミスはテレビの「YouTube化」が招いたか


お笑い芸人でタレントのカンニング竹山の不用意発言が物議を醸している。

発端は、先月28日の生放送「アッコにおまかせ!」(TBS)で、番組に出演していた竹山が、小池百合子都知事の政策を批判したことがキッカケとなった。

放送関係者が事情を明かす。

「竹山は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を呼びかける小池百合子都知事肝煎りのネット動画に噛みつき、制作に4.7億円かかっていると発言したところ、実際の制作費は8本で1800万円でした。ただ自らの言い間違いに気づいた竹山は、番組内で『4.7億円というのは動画制作費ではなく広告費全体の経費でした』と発言を訂正したのです。

ところが、その訂正に対して納得がいかなかったのか、都は放送翌日にTBSと竹山の所属するサンミュージックに対して、さらに発言訂正を求める抗議文を送付したと言います」

都からの〝再訂正〟を求められたTBSは、4月4日放送の「アッコにおまかせ!」で、エンディングトーク後に男性アナウンサーが登場し、

「正しくは去年5月から8月までの知事とタレントによる対談形式の8本の動画の制作費が1800万円でした。視聴者に誤った情報をお伝えしたことをお詫びします」

と改めて訂正し謝罪した。

ところが、発言の張本人である竹山は「発言後に訂正している」とのスタンスもあってか、都からの再訂正と謝罪に対しては応じない姿勢を貫いた。こうした竹山の態度に、ネット民からは、

「無責任過ぎる」
「事実を確認してから発言すべき」
「芸人が軽々しく発言すべきではない」
などの批判が相次いだ。

確かに、バラエティー番組であっても、生放送で事実関係を確認しないまま発言してしまうのは無責任と言うしかない。竹山の発言については芸能関係者からも、

「竹山の場合、これまでも情報番組やバラエティーで怖いもの知らずのコメントをしてきましたからね。昨今はYouTube時代で、テレビであっても知らず知らずのうちにインパクトのある、過激な発言をすることに抵抗がなくなってしまっている。

しかも最近は芸人のコメンテーターが溢れ返っていますからね、どうしても他よりも知識のあるところを見せようとしている向きが出てくるのかもしれません。感染が拡大している中では、都政や政府の施策を批判していれば視聴者からは支持されるというのもありますけど」

と手厳しいが、やはり、バラエティーであっても生番組での発言には細心の注意を払うべきだっただろう。

都議会選挙前でピリついていた?

共同通信社

しかし、その一方で、今回の竹山の発言に都が噛みついたのには「それなりの理由があった」と深読みするのはスポーツ紙の芸能担当記者だ。

「竹山は『アッコにおまかせ!』の放送前から小池都知事や都の対策を批判しまくっていましたからね。特に3月は『バイキングMORE』(フジテレビ)に出演した時なんかは、変異ウイルスの検査状況について、3週連続で『何もやっていない』と都知事への批判を繰り返し、ついに3月24日の放送では『呆れるぐらい何もやってねぇなって。都知事だけのせいじゃなくって、東京都の公務員の人たち何やってんだってことでしょ』と怒りを抑えられなくなっていました。

しかも、それをおぎやはぎの小木博明がちゃかすから、さらにボルテージが高まるわけです。『小池さんは何もやっていないよ!何もやっていないし、都民ファーストの都議は何やってるんだと。我々都民はハズレくじ引いたのよ、ハズレくじ引いたことに気がつかないと』と言いたい放題でした。

番組が番組ですので、反応しても意味がないと思っていたのでしょうが、都議選も近いですからね。時期的にも言い過ぎな部分があった。それから4日後の『アッコにおまかせ!』での発言でしたので、さすがに都の担当者も堪忍袋の緒が切れたということではないでしょうか」

ただ、ここで竹山を擁護するわけではないが、コメンテーターの言い間違い、勘違いは今や日常茶飯事に近いことも事実だ。過激な発言が視聴率アップに繋がると思っている部分もある。

謝罪で視聴率アップ?結果オーライ体質のテレビ局


その中でも「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)は、大なり小なり発言の間違いが多いと言われている。放送関係者は、

「最も印象に残っているのは、1年前ぐらい前の放送だったと思います(2020年4月29日)。東京都の感染者数について、コメンテーターの玉川徹氏の解釈が違っていて、その翌日、玉川氏が『間違ったコメントをした』と、3分間に亘って異例の謝罪をしたことがありました。

しかし、その謝罪も話題となり、視聴率に結びついてしまうのですから、テレビ局もコメンテーターも勘違いしてしまうのです。あれから1年経ちますが、何も変わっておらず、全てが結果オーライ、結局は過激なことを言えば言うほど盛り上がるような風潮になっています。

それにしてもテレビ朝日は、『報道ステーション』に続いて最近では『サンデーLIVE!!』と、2つの看板情報番組からクラスターに近い感染者を出しています。そもそもスタッフルームで送別会をやっていて感染する緊張感のなさが、いつかは大きな失態に繋がっていくのだと思いますけどね」

こうしてみると、テレビ局自体にも問題があるわけで、竹山ばかりを責められない部分もある。ただ、今回の竹山の発言についてサンミュージックでは、

「抗議文が届いたという情報が一人歩きしていますが、実際は注意文でした。要するに、今後の発言については注意して欲しいということでした。確かに番組で事実誤認の発言をしたことは反省しなければなりませんが、番組内で訂正はしていますから、その点については都も理解してくれていたと思います。

現在でも、ネットなどでは叩かれていますが、今回の一件は、都税の問題でもありますから、今後は竹山が中立な立場に立って議論を交わす場が出来たらいいと思っており、お笑いの奴らは口を出すなということは違うと思っています」と言う。

言いたい放題なのも問題だが、何でもかんでも謝罪したら済むわけではない。しかし、そうした背景にはネット時代に焦ったテレビがYouTube化しつつある現実も否めない。

しかも、今やテレビでのコメント一言一言がネットニュースになる時代でもある。そう言った意味で今回の竹山の問題を振り返ると、実はこれからのテレビのあり方を考える重要な機会を提供していたように思えてならない。

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