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飲食店の離職率は「褒めて」下げる?

おはようございます。
今朝の日経新聞に「飲食店店員 褒めて繁盛」という面白い記事がありました。

言葉のとおり、もともとスパルタ教育が当たり前で労働環境も厳しいことで知られていた飲食店のサイゼリヤが続々と「褒める」ことをポイントにした研修制度などをはじめたそう。

この研修制度は「コンプる」と呼ばれ、コンプリメント(褒め言葉)にちなんだ研修の目的は相手の能力、努力、工夫や常にできたことなどを肯定し、ねぎらい敬うというもの。

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全国の店舗で働く店長たちは、このコンプるを受講することで相手の良いところを探す習慣がつくようになり、各店舗でもそれらを実施。

その結果、従業員たちにも笑顔が拡がり、店内の雰囲気はがらりと変わったそう。
注目すべきは売り上げ効果。なんと客数や客単価、売上高が、3年ぶりに前年水準を超えたそう!

3年30%なんて言い方をされることもありますが、大学を卒業後たった3年で、30%近くの社員たちが離職していく今。その中でも宿泊・飲食サービスの3年以内の離職率は50%!
2人に1人の離職者を少しでも減らすために、企業もあの手この手を考えているようです。

だけど、そもそもサイゼリヤといえば、厨房を少人数で回したり、少ないコストでも最低限のサービスが出来るように店舗設計をしたりと徹底的に効率重視することで有名ですよね。

とにかく効率化が求められる中で「生き生きと働く」ことや、「お客様との接点」「仲間とのチームワーク」といったことにやりがいを感じ始めたら逆に「効率化が求められるこの環境では少しもそれが叶えられない!」 なんて思ってしまう人が出てきそう・・・なんて思うのは私だけ?

企業が「キャリア教育」を始めた瞬間、逆に会社を辞めてしまう人が増えたというのはよく聞く話でもありますよね。

塚田農場の”ハイブリッド社員”

同記事で紹介されていた別の飲食店が、塚田農場。

最近話題の飲食店で、運営しているエー・ピーカンパニーはユニークな制度で社員やアルバイト店員のヤル気を引き出していることで有名。
その中のひとつは、お客さんが喜ぶサービスをバイト店員が自己判断で提供できるという仕組み。

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そういえば私が以前、友達とこの店に行ったときも地鶏焼きを食べ終わった鉄板で、違う料理を作ってサービス提供してくれたり、 キャベツ盛りを食べきれずに置いていたら、別の料理をこれで作りましょうか?と作って持ってきてくれたり。
帰りがけには店員さんが小さなタッパーに詰めたお味噌を良かったらお土産にと手渡してくれたり・・・!本当にありとあらゆるサービスを体験して、感動したのを覚えています。

実はこうしたサービスはどれも、社内サイトにバイトたちが投稿した「知恵」。
Facebookの「いいね!」にちなんだ「てげ!」という評価が集まるとそれらのサービスは表彰までされるそう。褒められ認められることでヤル気はアップし、店舗に活気が増すという流れ。

・・・と、ここまではわりと普通にありそうな話ですが、ここの企業で面白かったのが、 店舗と本部の両方で働くというハイブリッド社員制度

店舗で店長として働く傍ら、週に一度は本部へ言って採用担当として働いているそう。
現場での仕事だけではなく、もっと大きな枠組で仕事を見ることができるとこれまたヤル気が増し、視野が拡がってくるようです。

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確かに、自分がどんなミッションを持った企業の一端を担っているのか?を体感したり、改めて認識したりすることはとても重要。
日々現場での仕事に追われていると見失いがちな「役割」を改めて感じることができるからです。

このハイブリッド社員制度が始まったのは2010年から!
ここ最近で特に話題になり、人気のお店として知られる「塚田農場」。
最近は代表が書籍を出版したり、シンガポールに海外出店したりと勢いに乗っています。
この制度をもう3年近く続けているということも、人気の裏側にあるのかも。

若者の離職率と、褒める落とし穴 

こんな話を聞くと「私もほめられて伸びるタイプだから、スパルタは合わない」とつい好感をもってこのニュースを見てしまう人も多いはず。

ほめられたい・認められたい願望の強い若者にとって、この「褒める文化」のブームは ありがたいものなのかも知れません。

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・・・でも。
逆に思いきり叱られたあとに「自分は褒められて伸びるタイプなのに」なんて言っている人を見るたびにそもそもその相手はなんとか褒めることで本人を伸ばそうとしたけれど、それでも伸びないからついに限界に達して叱っている、ということを全く理解していない人もいるんだなあと思うことがあります。(笑)

厳しいことを言ってくれる人の方が少ない今。
飲食店のような一般的に厳しいと言われる労働環境や、ルーチンワークが続く環境では効果的なこの方法。どの企業でも当てはまるのか?と言われれば、決してそうではないはずです。

ちなみに離職率が高いことで知られる飲食店ですが、離職率ランキングで見ると、飲食店を上回るダントツの1位は「教育・学習支援」

塾の講師などもこれにあたると思いますが、わりと学生には人気の仕事のイメージ。
こうした業界での人材教育では、具体的にどんなことが行われているのか?

働く人のモチベーションを管理するための方法論として、ちょっと調べてみるのも面白そうです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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