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「自民>民主>自民 ――国民はアホか」って、本質も見ずに「よく言うなあ」と感慨ひとしお

ところで、今回の衆議院選の結果を受けて、「国民の声を十分に反映しない小選挙区制は止めるべきだ」みたいなご意見を主張する方が出てきたので驚いた。

止めてどうするのかといえば、中選挙区だの大選挙区だの言っている。

もっとシニカルな見方では「自民>民主>自民 ――国民はアホか」みたいな奴。


――いや、その見方はダメでしょ。

戦後続いた中選挙区制度の欠点が大きくなったので、取り止めて小選挙区比例代表並立制にしたのに。


小選挙区制の優れたところは、政策や人物に問題があれば、その政党を政権から引きずり下ろしたりその人物を落選させたりが比較的容易なことだ。

今回の選挙結果を見れば、その利点は明らかだろう。

つまり民主党政権の3年間の政権運営に「問題あり」と考える有権者が多かったから、選挙で政権交代ができた。今後できる政権の運営を見て、良ければ次の選挙で承認し、悪ければ他の政党に入れればいい。

「自民>民主>自民」こそ、見事に小選挙区制度の利点を残した結果であるのに、なにを言っているのかと。


たとえば菅前総理を見ればいい。いやしくも前総理を選挙区落選させることができたのは、小選挙区制度だったからだ。これが中選挙区や大選挙区だったらどうか。「政治家としての資質に問題あり」と多くの有権者が判断していても、前総理であれば当選してしまうことが多いだろう。

どんな人でも、「この人は当選させたい」だけでなく、「この人だけは落選させたい」と考える候補者がいるはず。「この人だけは落選させたい」を実現できるのは、小選挙区だからだ。


戦後続いた中選挙区制度でどうだったかを思い返してほしい。一時を除けば、結局「万年与党・自民党」と「万年野党・社会党」がずーっと続いただけだ。その結果、自民党からは政策的な危機感が消え、腐敗も生まれた。社会党は無責任な「なんでも反対」で大衆に迎合するだけとなり、政治や政策、外交に通じた専門家は育たなかった。

それに比べれば、今の小選挙区制のほうが、はるかにマシだ。


菅前総理は結局比例区で復活当選した。それを防ぎたいなら、比例代表制を無くし、選挙区だけの「完全小選挙区制度」にすればいい。完全小選挙区制では死票はより増えるが、政権担当能力のある人物や政党がより多く当選でき、問題のある人物や政党を落選させることが容易になる。私はその方向に選挙制度を改善していくべきだと思っている。


選挙制度については、どんな制度を取ろうが、それぞれ利点欠点がある。だからその国の置かれた歴史的状況に照らして最善の制度に変えていけばいい。そして今の日本では、それが「完全小選挙区制度」だろう。

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