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景気ウオッチャーと消費者態度指数に見るマインドは改善続く!!!

本日、内閣府から3月の景気ウォッチャー消費者態度指数が、また、財務省から2月の経常収支が、それぞれ公表されています。各統計のヘッドラインを見ると、景気ウォッチャーでは季節調整済みの系列の現状判断DIが前月から+7.7ポイント上昇の49.0を示した一方で、先行き判断DIは▲1.5ポイント低下して49.8を記録しています。

消費者態度指数は前月から+2.2ポイント上昇し36.1となっています。経常収支は、季節調整していない原系列で+2兆9169億円の黒字を計上しています。まず、統計のヘッドラインを手短に報じる記事を日経新聞のサイトから引用すると以下の通りです。

街角景気、現状判断指数は2カ月連続改善
内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整済み)は49.0で、前の月に比べて7.7ポイント上昇(改善)した。改善は2カ月連続。家計動向、企業動向、雇用が改善した。
2~3カ月後を占う先行き判断指数は49.8で、1.5ポイント低下した。低下は4カ月ぶり。家計動向、企業動向が悪化した。
内閣府は基調判断を「新型コロナの影響による厳しさは残るものの、持ち直している」に変更した。

3月の消費者態度指数、前月比2.2ポイント上昇の36.1
内閣府が8日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理を示す一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は前月比2.2ポイント上昇の36.1だった。内閣府は消費者心理の判断を「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」で据え置いた。
態度指数は消費者の「暮らし向き」など4項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で聞き、指数化したもの。全員が「良くなる」と回答すれば100に、「悪くなる」と回答すればゼロになる。

2月の経常収支、2兆9169億円の黒字 80カ月連続黒字
財務省が8日発表した2月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆9169億円の黒字だった。黒字は80カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は1兆9803億円の黒字だった。
貿易収支は5242億円の黒字、第1次所得収支は2兆6311億円の黒字だった。

3つの統計を取り上げましたので、やや長くなりましたが、いつもの通り、よく取りまとめられた記事だという気がします。

次いで、景気ウォッチャーと消費者態度指数のグラフは下の通りです。上のパネルは景気ウォッチャーの現状判断DIと先行き判断DIをプロットしており、下の消費者態度指数のグラフでは、ピンクで示したやや薄い折れ線は訪問調査で実施され、最近時点のより濃い赤の折れ線は郵送調査で実施されています。どちらのグラフも、影を付けた部分は景気後退期なんですが、このブログのローカルルールで直近の2020年5月を景気の谷として暫定的に同定しています。

景気ウォッチャーについては、ままあることながら、現状判断DIが上昇した一方で、先行き判断DIは低下しています。現状判断DIでは、コンポーネントの家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇しています。特に、飲食関連は+12.2ポイントと2ケタの上昇を示しています。

ただし、先行き判断DIでは、家計動向関連と企業動向関連は低下し、雇用関連だけが上昇を示しています。先行き判断DIが低下しているのは、足元で新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染者が増加していることがマインドに反映しているのであろうと私は考えています。

消費者態度指数はすべてのコンポーネントが前月から上昇していて、詳しく見ると、「雇用環境」が+3.3ポイント、「耐久消費財の買い時判断」が+2.0ポイント、「暮らし向き」が+1.8ポイント、「収入の増え方」が+1.6ポイント、それぞ上昇しています。景気ウォッチャーでもマイナスを示した先行き判断DIにおいて、雇用関連だけがプラスでしたし、消費者態度指数のコンポーネントも「雇用環境」がひときわ大きなプラスを示しています。

おそらく、人口動態の影響からしても、人手不足が雇用に楽観的な見方をもたらしているのではないかと考えられます。いずれにせよ、マインド調査の結果は極めて整合的と私は受け止めています。景気ウォッチャーの基調判断は、この統計の特徴で、ゴチャゴチャといろんな限定を付しつつ「持ち直しの動きがみられる」から「持ち直している」に半ノッチ上方修正されています。

次に、経常収支のグラフは上の通りです。青い折れ線グラフが経常収支の推移を示し、その内訳が積上げ棒グラフとなっています。色分けは凡例の通りです。上のグラフは季節調整済みの系列をプロットしている一方で、引用した記事は季節調整していない原系列の統計に基づいているため、少し印象が異なるかもしれません。

ということで、上のグラフを見れば明らかなんですが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響は経常収支でも最悪期を脱した可能性があります。季節調整済みの系列で見る限り、貿易収支は7月統計から黒字に転じ、本日公表の2月統計で小幅に赤字に転じていますが、これは中華圏の春節による影響ではないかと考えられます。

COVID-19のために、インバウンド消費はもうどうしようもありませんが、それ以外の財貨とサービスの輸出入は米国などでワクチン接種が進んで、かなりカッコつきながら「正常化」しているように私は感じています。米国のワクチン普及と大型の財政支出を見るにつけ、我が国の政策の不毛を感じます。政府はやるべきことをやってほしいと思います。

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