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売り切れ続出「GUの生理ショーツ」がつかんだ女性の"隠れた欲求"とは

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知識の浸透も必要

また、ジーユーは21年2月、約5000人を対象に、女性の意識調査を実施。そこから多くの女性に「共通の課題」がありそうだ、と見えてきたとか。それが、「女性特有の悩みに関して“知識の浸透”が必要」だということ。

フェムケアやフェムテックの分野は、単に「商品を出せばいい」というものではない。商品と知識の両面から、女性をサポートする視点が必要になります。

そこで、長年にわたって人々の体やココロをサポートしてきたオムロン ヘルスケアと、中長期的なパートナーシップを締結。先のプロジェクト「ジーユー ボディ ラボ」を共に立ち上げたほか、情報発信媒体として「Female Lifestyle Fact Book(フィメール ライフスタイル ファクトブック)」を作成していくそうです。

市場が大きくなると声を上げやすくなる

考えてみれば、私もこれまで、男性読者が多いビジネス関連の媒体で、女性のセンシティブな話題に関する記事を書く機会はほとんどありませんでした。

ですが、そこに「市場(マーケット)があるだろう」となれば、企業や男性も、市場特性を理解しようと注目し始める。これまで「言いにくい」としてガマンしてきた女性たちも、「自分の経験が役に立つなら」と、少しずつ声を上げるようになります。

いまから17年前(04年)、私が『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(日本経済新聞出版社)という本を書いた頃も同じでした。一部から「そんな市場が成立するのか?」と懐疑的な声が上がり、大手旅行代理店で講演した際には、「女性がひとりで泊まりに来れば、多くの旅館が『自殺しに来た』と思うに決まっている」と批判されたほどです。

声に出さずとも欲していた「女性のひとり旅プラン」

ですが女性たちは、声に出さずとも欲していました。「疲れたとき、ひとりでふらりと訪れて、自分を癒やしてくれるような温泉旅館があればいいのに」と。

そしてその後、全国の宿泊施設が「女性ひとりプラン」を展開するようになったことで、市場はどんどん拡大していきました。

なぜならそれまで、女性が漠然と「あったらいいのになあ」と封じ込めてきた潜在ニーズが、多くの企業が魅力的な商品プランを生み出したことで、初めて「欲しい」という欲求へと昇華したからです。

これが、マーケティングでいう「Needs(ニーズ)」と「Wants(ウォンツ)」の違い。

フェムケアでいうと、「ニーズ(必要性)」は、「もっと快適なショーツがあったらいいのになあ」との心理。その次の段階の「ウォンツ(欲求)」は、具体的に「あのショーツが欲しい」と切望する欲求で、ここがマーケティングの腕の見せどころです。

ニーズ(必要性)からウォンツ(欲求)へ

店頭でもウェブサイトでもで品切れが続出

先のトリプルガードショーツは、まさに企業が魅力的な商品やサービスを提示したことで、それまで我慢していた女性たちの間で「買いたい」との欲求を喚起した。同ショーツはあまりの人気に、一時期店頭やウェブサイトで「品切れ」が続出するほどだったといいます。

ただしもう一つ、忘れてはいけないのが、ウォンツとその先の「Demands(デマンド/需要)」との間に、販売価格、いわゆる「予算の壁」が存在するということです。

皆さんもそうですよね。どんなに魅力的で欲しいと思う商品でも、価格が高すぎれば、諦めざるを得ない。逆に手に取りやすい価格なら、多くの顧客が「買ってみよう」と手を伸ばします。そのことが、市場拡大にもつながるわけです。

ジーユーはこれまで、まさに「手頃な価格」を売りにしてきたブランド。だからこそ今回、ジーユーがフェムケア市場に参入したことに、大きな意義があります。

なぜなら、これまで体の悩みについて、声を上げにくかった女性たちが、続々と「そうそう、こういうのが欲しかったの」と手に取ってくれるから。それによって、市場や社会で女性たちの「言いにくい」悩みが、一気に顕在化するからです。

今後熱いのは団塊ジュニアの更年期市場

さらに、ジーユーのプレス担当者によると「GUのフェムケア市場への取り組みは、決して若い女性に限定したものではない」とのこと。

日本で二番目に人口が多い「団塊ジュニア(現45~50歳)」も、そろそろ更年期に差し掛かってきました。おそらくここも、見過ごせないターゲットでしょう。

ジーユーやオムロン ヘルスケア以外にも、「ルナルナ」(エムティーアイ/月経)や「たまひよ」(ベネッセコーポレーション/妊娠・産後ケア)、「妊活ボイス」(CURUCURU/妊活)、「わたし漢方」(同/ウェルネス)、「ラブコスメ」(ナチュラルプランツ/セクシャルウェルネス)をはじめ、国内ですでに約100社もの企業が、フェムテックやフェムケアマーケットに参入していると言われます(20年12月現在/「fermata(フェルマータ)」調べ)。同市場は今後、かなりのスピードでヒートアップしそうです。

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牛窪 恵(うしくぼ・めぐみ)
マーケティングライター
マーケティング会社インフィニティ代表取締役。修士(経営管理学/MBA)。2020年4月より、立教大学大学院・客員教授。同志社大学・ビッグデータ解析研究会メンバー。財務省・財政制度等審議会専門委員、内閣府・経済財政諮問会議 政策コメンテーター。著書に『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け!』(ともに日本経済新聞出版社)、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』(講談社)、『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー21)ほか、著書を機に流行語を広める。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
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(マーケティングライター 牛窪 恵)

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