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憲法改正手続条項の緩和だけ先行させる憲法改正は、本質的な憲法改正論議を妨げる

憲法は何のためにあるか、ということを疎かにしたままの憲法改正手続条項の緩和だけ目指す憲法改正には反対せざるを得ない。

まずは、憲法が誰のためにあるのか、憲法は何のためにあるのか、ということを考えるべきである。

憲法は国民のためにあるもの、憲法は国民を守るためにあるもの、と考えたら、そうそう簡単に憲法を簡単な手続きで変えてよい、ということにはならないはずだ。

憲法の条項はその時々の社会情勢で適宜変えるべきものである、ということになったら、確かに

憲法改正手続条項をより変え易いものに変えようということになる。

憲法の条項の中には確かにそういうものもあり得る。

したがって、一概に現在の厳格な憲法改正手続条項を墨守すべきでる、とは言わないが、しかしその一方で憲法は基本的に国の骨格を決めるものであり、その骨格を変えれば国の形そのものが変わるということもあるので、国の形を変えるようなものであれば現在の厳格な憲法改正手続きに従うべきである、ということになる。

憲法の改正手続き条項だけの改正を目指すのは本末転倒で、憲法改正と言うときは本来憲法の本体の改正、国の骨格にあたる部分の改正でなければならない。

憲法の附属的な部分にあたる憲法改正手続条項だけの改正を先行させようというのは、実質的に国の骨格にあたる部分の改正を簡単な手続きでやってしまおうという姑息な意図に発するものと言わざるを得ず、それでけで現在の憲法を潜脱しようとするものである。

こういうことは止めておくことだ。

脱法的な手段による憲法改正は、結局憲法の形骸化を促進するだけである。

憲法は国民が自分たちの憲法だと思って大事にするから国の最高規範としての価値を有する。

その時々の政権、政治権力の都合や便宜、あるいは特別の思惑等によって適宜憲法を改正できることになると、何が国の最高規範か不分明になる。

規範性を喪失した国家は、剥き出しの権力闘争の場になる。

勝ったものがすべてで、負けたものには何の価値もないことにもなりかねない。

規範性を喪失した国家の国民は、権力闘争の犠牲になってしまう。

国民を守るべき憲法が国民を虐げるようになったのでは、何のための憲法かということになる。

したがって、憲法改正手続条項の緩和だけ先行させる憲法改正には反対せざるを得ない。

もし、どうしても憲法改正手続条項の改正をしたいのであれば、国の骨格に関わる部分の改正手続と国の骨格には関わらない軽微な条項についての改正手続きの二つに分けて考えるべきであり、その場合でも単なる憲法改正手続条項だけを抜き出して改正論議を進めるのは明らかに正道を踏み外している。

もっとも、私自身もかつて憲法改正手続条項の改正を提案したことがある。

しかし、これは、私が実際の国会でどんな審議が行われているか疎い頃に、周囲の憲法改正論者の方々の言説に乗せられてどうやって憲法改正を実現するかという観点を重視して多少安易に提案した未熟な提案でしかない。

今、私たちが求めているのは、自分たちで自分たちの新しい憲法を創ることである。

折角創ろうとする新しい憲法が時の権力の都合で勝手に書き換えられてしまうような羽毛のように軽い憲法になってしまうことは、私は好まない。

さて、皆さんは如何だろうか。

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