
東京五輪で北朝鮮の選手団を見ることはできなくなった
北朝鮮は6日、今夏開催予定の東京オリンピック(五輪)に参加しないと発表した。選手らを新型コロナウイルスから守るためとしている。
パンデミックを理由に、1年延期された東京五輪への不参加を表明した主要国は、北朝鮮が初めて。東京五輪は7月23日に開幕の予定。
北朝鮮の国営ウェブサイト「朝鮮体育」によると、先月25日に開かれた同国オリンピック委員会の会合で、不参加が決まった。北朝鮮が夏季五輪を欠場するのは、1988年のソウル五輪をボイコットして以来、初めて。
北朝鮮との協議が中断している韓国は、東京五輪を利用して状況を打開したいと願っていたが、かなわないことになった。
両国は2018年、韓国で開かれた平昌冬季オリンピックで南北合同チームを結成。一連の歴史的な首脳会談へとつながった。
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北朝鮮は新型ウイルス対策に厳しい措置を実施しており、国内に感染者はいないとしている。しかし専門家は、感染者ゼロの可能性は低いとしている。
1月下旬には国境を閉鎖。その後、首都平壌にいる外国人数百人を隔離状態に置いた。
昨年以降、外国と結ぶ列車は運行されておらず、旅客機の国際便もほぼ完全に運休されている。
南北合同チームの効果
北朝鮮は平昌冬季五輪に、選手22人と政府関係者、報道関係者、230人規模の応援団を送った。金正恩総書記の妹の金与正・朝鮮労働党副部長も韓国入りし、その後の南北外交や米朝外交の下地をつくった。金総書記とドナルド・トランプ前米大統領はその後、歴史的な首脳会談を実施するに至った。
ただ、米朝首脳会談で期待された関係改善は実現されず、両国関係は悪化しつつある。
朝鮮戦争で戦った北朝鮮と韓国は、1953年に休戦で合意したが平和条約は結んでいないため、現在も形式的には戦争状態にある。
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日本の状況
日本では、水球男子の代表候補の合宿に参加した7人に新型ウイルスの感染が確認されたことが4日、明らかになった。これを受け、東京五輪の水球のテスト大会が中止された。
現在、聖火リレーが国内各地を回っているが、感染が急拡大している大阪市では中止が決まっている。
また、感染力が強い変異株による、感染の第4波への懸念が国内で高まっている。