記事

最高裁ウォッチ国民審査と米の銃規制問題

 最高裁判所裁判官の国民審査は3年前の前回と比べると罷免率が高かったが、各裁判官の罷免率の間に有意差と言えるほどの違いが見られなかった。

 今回の国民審査では、もっとも罷免率が高かった岡部喜代子氏(元裁判官)が8.74%、もっとも低かった小貫芳信氏(元検事)が7.91%だった。前回の国民審査の対象となった9人の裁判官の罷免率が6.00から7.73%の間だったことから、全体的に前回より1~2%程度罷免率が高い結果となった。

 また、昨年の一票の格差裁判の判決で衆院の2.3倍を違憲と判断した須藤正彦(8.27%)、大橋正春(8.10%)両裁判官(ともに元弁護士)の罷免率が、他の「違憲状態」にとどまった裁判官よりも取り立てて低いということもなかった。一票の格差問題を合憲と判断した涌井紀夫(元裁判官)、那須弘平(元弁護士)の両氏(ともに退官)が、他の裁判官よりも1%以上も高かった前回の国民審査とは、やや対照的な結果となった。

 一方で、海の向こうのアメリカでは、先週末に起きたコネチカット州の小学校での銃の乱射事件を受けて、オバマ大統領が長年のタブーだった銃規制に取り組む姿勢を見せている。しかし、ここには、武装権を認めたと解釈されている憲法第二修正条項を根拠に最高裁の高い壁が立ちはだかる。アメリカの最高裁は保守派が過半数を占め、市民による銃の保有を規制する法律は、どんなものであっても違憲との判断を受ける可能性が高いのだ。

 しかし、そもそも独立直後の1771年に制定された憲法第二修正条項は、民兵として武装をして政府を倒すための「革命権」を定めた条文であり、現代においてもそれを文字通り解釈するのはやや無理がある。そして、それを根拠に流通する殺傷力の強い機関銃が野放しになり、結果として今回のように罪のない幼い子供が20人も命を落とすような事故につながっていることも事実だ。

 銃規制の法律の違憲判断が再び俎上にあがってきた時、最高裁は「革命権」を守るために銃規制を却下するのか。今後の展開が注目される。

 国民審査の結果と、銃規制に対する米最高裁の判断の根拠について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

あわせて読みたい

「国民審査」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下氏 任命拒否の教授らに苦言

    橋下徹

  2. 2

    田原氏 野党は安易な反対やめよ

    たかまつなな

  3. 3

    iPhone12かProか...売り場で苦悩

    常見陽平

  4. 4

    コロナ巡るデマ報道を医師が指摘

    名月論

  5. 5

    コロナ禍も国内工場は異常な強さ

    PRESIDENT Online

  6. 6

    学術会議に深入りしない河野大臣

    早川忠孝

  7. 7

    感染リスク高い5つの場面に注意

    赤池 まさあき

  8. 8

    数字を捏造 都構想反対派の欺瞞

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  9. 9

    トランプ氏 逆転攻撃はほぼ不発

    WEDGE Infinity

  10. 10

    学生転落 巻き添えの女性が死亡

    ABEMA TIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。