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日本経済全体にマイナスな「総額表示」

■商品価格の「総額表示」という善意の施策

 この4月1日から、商品価格の「総額表示」(税込表示)が義務付けられたため、店頭に並んでいる商品が一気に値上がりしてしまったかのような印象を受ける。これが消費者に与える影響は甚大で、一部、買い控えを招く可能性も否定できないため、ユニクロやジーユーは消費税分を値下げするという大きな賭けに出た。

 これまで「1990円」「2990円」「3990円」「4990円」…という具合に、ギリギリ大台前の価格設定にすることで、消費者に「安い」という印象を持ってもらうことに注力してきたショップが、いきなり税込表示を義務付けられると、これまでのイメージ戦略が台無しになってしまう。そういう意味で今回の法改正は販売者泣かせの政策だとも言えるが、消費者の買い控えを招くという意味では、日本経済全体にとってもマイナスの影響を与えかねない政策とも言える。

 「総額表示」は消費者にとって便利だと思えても、その善意の施策が、販売者だけでなく消費者にも実害を与えかねない。言わば、これも「地獄への道は善意で舗装されている」に成りかねないとも言える。

■商品値下げと円安のダブル効果で株価が下落

 しかし、なぜ今頃、このような法改正が行われたのだろうか?

 表向きは「税抜表示は消費者に紛らわしい印象を与えるので税込表示に変更した」ということになっているが、噂では、「消費増税のマイナスイメージを避けるため」というようなことも囁かれている。
 要するに、商品価格とは別に消費税がどれだけ上乗せされているかを消費者に考えさせないためということらしい。あくまでも噂話なので真偽のほどは分からないが、今後の消費増税の伏線なのだとすれば、「やれやれ…」と言いたくもなる。

 ユニクロはいきなり9%も値引きすることになったため、当然、売上もその分だけ下がることになる。おまけに、悪いことは重なるもので、現在は円安に振れている。この3ヶ月間で8円も円安に振れてしまったため、さらに悪影響を被ることになる。

 ユニクロを運営するファーストリテイリング(9983)の株価は、3月2日には110,500円の最高値を付けた後、徐々に下がり始め、3月25日には82,570円まで下落した。元々、騰がり過ぎていたとはいえ、わずか1ヶ月足らずで25%も下がったことになる。

 ファーストリテイリングの株は分割でもしてくれない限り高過ぎて買えないが、今後、更に円安が進むと、更なる株価下落も有り得る。

 商品価格が9%ダウンし、円安でも9%ダウンと考えると、計18%程度の下落は織り込み済みといったところだろうか。
 110,500円×82%=90,610円ということになるので、現在の株価(90,470円)は妥当なところなのかもしれない。

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