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法案ミス、責めるだけでなく

政府が国会に提出した法案や条約の条文またはその参考資料の中に相次いでミスが発覚しました。

4月1日、加藤勝信官房長官が参議院の議院運営委員会で謝罪され、質疑が行われました。
私も質問に立ちました。

法律や条約は国の政策、国民の権利や自由、生活などに直結します。条文自体に誤りがあれば、その解釈が変わってしまうこともあります。

ただ、こうした誤りについて政府の責任だけを声高に指摘すべきではないと思っています。与党は政府が国会に法案を提出する前に、事前に審査しています。

事前審査制については批判もありますが、私は政治家になる前に政治記者として、前の自民党政権の時も民主党政権の時も当時の与党の政調を取材していました。どの党も理想と現実の中で政府と与党のあるべき関係を模索しながら最後は事前審査制という仕組みを採用してきました。

法案を事前に審査する与党はその責任を政府と共有していると思っています。だからこそ、このような問題が今後起きないように、なぜ誤りが生じ、チェックが働かなかったのかを検証していかなければいけないと考えています。

近年、国民のニーズも多様化し、行政も複雑化、広範化していますし、スピード感を持って法案を作成しなければならない場合も少なくありません。他方、国家公務員の定員管理は厳しくなっています。

法案作成作業にあたる職員の負担は増加しています。そういった状況下で、公務員のみなさんが条文や関係資料の読み合わせや文章のスタイルのチェックに膨大な時間を費やすことがいいことなのでしょうか。

私自身、新聞記者時代に同じように読み合わせやチェックなどをしていました。上司から「絶対に訂正が出ないようにしろ」と激しいプレッシャーにさらされていました。

ただ、どんなにチェックをしていても、ミスをゼロにすることは容易ではありません。法案作成に携わる職員が自分たちの眼だけで条文などを確認するのには限界があります。

そうした実態を考えると、ただただ誤りを責め立てるだけでいいのだろうかと考えてしまいます。行政官の能力や時間をミスのチェックばかりに費やすのではなく、政策の中身について心血を注げる態勢をつくっていく必要があると思います。

例えば、紙で法案を提出・配布するのではなく、デジタルデータで提出・配布できるようになれば、改行のずれなども含めてミスのチェックをシステム化したり、外部化したりできるようになると思いますし、立法府や政党によるチェックも機能しやすくなるのではないでしょうか。

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