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「メイド・イン・アメリカ」に徹底してこだわるECサイト

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このブログでは以前に「人権、動物愛護、環境保全」という、はっきりとしたコンセプトで唯一化に成功したカナダのECサイト「Ethical Ocean」を紹介した。

今年、米国コロラド州で広告マンたちがロンチした「Made Collection」も「メイド・イン・アメリカを応援する」という明快なコンセプトを持ったECサイトである。

Made Collectionのミッション

現在(12月21日)、米国のeコマースでは、クリスマスのプレゼントを購入しようとする駆け込み需要が発生している。Made Collectionのトップには、そういう顧客のために次のメッセージを表示している。

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「私たちは注文いただいた品物を12月25日までにお届けすると保証することはできません。しかし、そんなことで米国製商品の購入を止める必要はありません」とある。

クリスマスに間に合わないかもしれないというネガティブな情報を、このサイトのコンセプトである「米国製商品の購入運動」の推進につなげている点がうまい。

Our Mission」のページでも、Made Movement(Made Collectionの運営会社)は自らを「米国の製造業の復活を支援することに専心するマーケティング代理店」と宣言している。

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さらに「About Made Collection」というページでは、Made Collectionが何を目指しているかを動画とナレーションを通じて、このように説明している。

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「あなた自身にとって良いこと(注:米国内で製造した高品質の製品を購入する)は、米国にとっても良いことです」

「米国産の製品を購入することは雇用の創出になると同時に、二酸化炭素排出量を減少させます」

「フラッシュセール・サイトは節約を楽しみに変えました。でもGilt、Fab、Rue La Laのようなサイトのどこに米国製の製品があるでしょうか? Made Collectionは米国で作られた、品質の良い商品をお得な価格で購入できる場所です」

「私たちのことを大都会の摩天楼にオフィスを構える巨大企業と想像していただけたら光栄ですが、実際はコロラド州のボルドーに暮らす少人数の仲間です。私たちは買物が大好きで、それ以上に米国を愛しています。初めまして。このムーブメントにようこそ!」

これらのメッセージからは、米国の一般人に親近感を与えると同時に、「メイド・イン・アメリカ」をキーワードに自らを同業他社から差別化して、コミュニティの形成につなげていこうとする意思がはっきりと伝わってくる。

商品の見せ方に独自の工夫

「ホリディ用ギフト」の特集ページを見てみよう。

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一番右にある「カップル用アイスクリームスプーン」の画像をクリックして、商品情報のページを表示してみた。

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上のように、商品の画像と詳細、会社の情報、配送と返品、商品の手入れの仕方が表示される。ここまではECサイトとして珍しくないが、注目すべきなのは商品メイン画像の隣に表示される次の情報である。

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このスプーンを製造しているMilk and Honey Luxuries社の所在地を表す地図の横にある「BOOM POINTS(ブームポイント)」は、「この25ドルのスプーンセットを購入した場合、経済に及ぼす影響力の大きさ」と説明されている。

このポイントは、2009年にThe Manufacturing Instituteという機関が発表した「米国内で製造された製品に1ドル費やすごとに、米国全体の経済に1.40ドルの影響が生じる」という調査結果に基いて決められているという。

ユーザーはこのサイトで商品を購入するごとに、ブームポイントを獲得し、貯めたポイントに応じて特別セールの案内を受けられる仕組みになっている。

ブームポイントの隣にある赤枠に白抜きの「1」という数字は、このスプーンの製造のために働いている従業員の数である。

Made Collectionの運営者たちは、こうした具体的な数字を見せることで、米国人に自分の購入行動が米国全体の経済に影響を及ぼすことを意識させられると期待している。

米国政財界の動向についても情報収集

Stories」のページでは、このサイトと提携した米国ブランドについて紹介するとともに、「米国内での製造」に関係する情報がリンクされている。

例えば、Samsung社と訴訟合戦になっているApple社が、米国内での製造を増大させるのではないかといった推測を伝える記事が紹介されている。

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これは、Made Collectionがただのショッピングサイトではなく、社会的な視野をもつサイトであるというイメージ作りに役立っている。

「メイド・イン・アメリカ」は難しいテーマ

カンの良い読者はすでにお気づきだろう。「メイド・イン・アメリカを応援する」というコンセプト自体は特に目新しいものではなく、これまで米国では同様の趣旨の運動が何度も起こっている。それらがあまり実を結ばなかった原因の1つは、「メイド・イン・アメリカ」の製品が、他国で生産される安価な製品より、必ずしも品質が良いとは限らなかったことにある。

今年8月のWiredの記事では、Made Collectionに製造業の経験がないことと、全米というあまりにも広い範囲を対象にしていることを不安材料として挙げている。Made Collectionがこの分野の第一人者になるには、顧客が納得のいく「品質の高い商品」を発掘して、届け続けることができるかどうかにかかっているだろう。

Made Collectionの運営者は広告業界に籍を置いていたというだけあって、コンセプトを訴えるためのしくみ・表現は素晴らしい。それによって一定の注目を集めることにも成功している。Made Collectionの成長はこれからが本番だ。コンセプトにあわせてサイトがどのように成長していくのか、楽しみに見てみたいと思う。

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