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何故SLR緩和措置打切り直後にアルケゴス問題が起きたのか

昨晩の「WORLD MARKETZ」

話題は何と言ってもアルケゴス・キャピタル・マネジメント。小生の最初のコメントは「リーマン・ショック以降初めて不穏な気配を感じている」。

多くの専門家が野村證券やクレディスイスといった個別企業の話しで市場全体に影響を及ぼす問題ではないと指摘しているが、そのように決めつけてしまうことは危険というお話。

確かに、リーマン・ショックのような金融危機を招く話ではないとは思っているが、先週末19日に公表されたSLR(補完的レバレッジ比率)緩和措置打切りという金融機関に対する制度変更直後にこの問題が起こったこと、アルケゴスと取引をするプライムブローカー(大手投資銀行)が会合を持ったことなどが気に掛かるところ。

きっかけはバイアコムCBSが22日に発表した増資による株価の下落だと言われているが、個人的にはこれがプライムブローカーたちの「口実」として使われた可能性があると考えている。

「心が変われば態度が変わる、態度が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる」

という故野村克也監督の格言に準えれば、SLR緩和措置打切りはさしずめ

「ルールが変われば金融機関の融資姿勢が変わる、融資姿勢が変われば金融が変わる、金融が変われば金融市場の価格形成メカニズムが変わる」

というもの。

拙著「1989年12月29日 日経平均3万8915円」(河出書房新社)で詳しく記したが、1990年日本で起きたバブル崩壊の原因も、金融機関の会計制度の変更であったことを忘れてはならない。

現時点で確からしいことは、今回アルケゴスというファミリーオフィスから融資を引き上げた金融機関は、今後ファミリーオフィスに対する融資を再開するよりも回収に動く可能性が高いことだ。こうした動きは金融市場動向にボディーブローのように時間の経過とともに効いてくると考えておいた方が賢明だ。ルールの変更は「風にそよぐ葦」の如き投資家の相場観などよりもずっとずっと重要なのだ。

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