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日本ウイスキーの情報発信目指す #ジャパニーズウイスキーの日 独自基準など業界の取り組み続く

ジャパニーズウイスキーの日実行委員会

4月1日、エイプリルフールとして広く知られているこの日に、新たな記念日が登録された。

ジャパニーズウイスキーの日実行委員会は、2021年より同日を「ジャパニーズウイスキーの日」とし、ジャパニーズウイスキーの発展を後押ししていくという。同委員会は東京都渋谷区のウイスキー文化研究所が運営するもの。実行委員長はウイスキー評論家の土屋守氏が務める。

4月1日は元祖日本産ウイスキー「白札」発売の日

日本にウイスキーが伝わったのは、ペリーが浦賀にやってきた1853年のことだといわれている。しかし当時の日本にはウイスキーを製造するためのノウハウは伝えられず、明治維新後も、外国産の安い醸造アルコールに色や香味を加えただけの商品しか作られなかった。

1923年、壽屋(現サントリー)の鳥井信治郎がスコットランドでウイスキー造りを学んだ竹鶴政孝を迎え、山崎蒸留所を創業したことで、日本でもウイスキーが作られるようになる。試行錯誤を経て、1929年4月1日、ついに本格的な国産ウイスキー「サントリーウ井スキー」、通称「白札」が発売された。ジャパニーズウイスキーの日が4月1日となったのはそのためだ。

日本産ウイスキーは入手困難になるほどの人気だ Getty Images

ジャパニーズウイスキーの日実行委員会の土屋守氏は、記念日制定の意義について、

「2020年、コロナ禍にあってもウイスキーの輸出金額は271億円となり、20年ぶりに清酒を抜きました。また、日本国内においても数多くの小規模蒸留所が稼働を始めるなど、これまで大手数社による寡占状態だったウイスキー業界が新たな時代を迎えています。記念日を制定することで、認知を拡大し、国内だけでなく世界に向けて情報発信をおこなっていきたい」

と語った。同委員会は、1929年4月1日にちなんで、4月1日19時29分に全国で一斉に乾杯をおこなうイベントを開催。イベントは同日19時10分より、YouTubeにて視聴が可能となる予定だ。

土屋氏は、ジャパニーズウイスキーの日実行委員会の今後の活動について、「今後はHPを通じて、全世界に向けたジャパニーズウイスキーのデータベースなども準備していきたい。ジャパニーズウイスキーのファンが全世界で増加する中、消費者の保護に加えて、新たに蒸留所を立ち上げウイスキーを作りたいという人たちを応援するための組織として活動する」と展望を語った。

「ジャパニーズウイスキー」のブランド守れ 業界団体の独自基準が施行

また、2021年4月1日は日本洋酒酒造組合が定めた「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」の施行日でもある。これは「ジャパニーズウイスキー」またはそれに準ずる商品名(「日本ウイスキー」「ジャパンウイスキー」など)を名乗る製品の増加を受けて、同組合が業界独自の基準として定めたものだ。

日本洋酒酒造組合の資料より作成

これまで日本では、「ジャパニーズウイスキー」と名乗るための明確な製品基準が整備されていなかった。そのため、製造方法や成分を問わず、酒税法および関連法にさえ適合していれば、「ジャパニーズウイスキー」と製品に表示することができた。今後は同基準に合わせた表示を業界でおこなうことで、消費者の混乱を未然に防ぎ、事業者間の公正な競争を確保するねらいがある。

土屋氏は、「日本洋酒酒造組合の決めた定義によって、『ジャパニーズウイスキー』という表示のために、法律上の厳しい定義があるスコッチ(スコットランド産ウイスキー)と同等か、ある部分ではスコッチよりも厳しいレギュレーションが課せられた。これは消費者にとっての保証となる」と、この取り組みを評価する。

海外では、日本市場では流通していない製品が「ジャパニーズウイスキー」として販売されていることもあり、消費者に混乱が生まれていた。今回の基準に適合する製品は日本国内で流通するウイスキーのうち「6~7%ではないか」(土屋氏)ということからも、これが海外に目を向けたものであることがわかる。一方で、大半の「ジャパニーズ」とは名乗らない、酒税法上の「ウイスキー」については、従来と変わらず流通する。

土屋氏も、「時間はかかると思うが、海外で『ジャパニーズウイスキー』という名前で流通するものに関しても、レギュレーション通りになっていくはず」と期待をにじませる。

土屋守氏(2019年撮影)

人気の影で高額転売が横行 消費者保護のための情報発信も

世界的なクラフトウイスキー(小規模な蒸留所が作るウイスキー)ブームが加熱する中で、新たな懸念として生まれているのがインターネットを通じた高額転売だ。現在、コレクターなどによってネットオークションやフリマアプリなどで多くの人気ウイスキーが出品されている。中には希少価値の高い限定品など、元値の5倍や10倍で取引されるものもあるため、転売目的の購入が横行しているのが現状だ。

こうした状況について土屋氏は、「ウイスキーファンとしては非常に寂しい状態。ネットオークションなどを使って全世界で転売し、利ざやを稼ごうという人が出てくるのは仕方ない面もあるが、お酒の販売にはそもそも免許が必要。ただこうした事態が進むと、あまりに高額な製品や最初からオークションねらいの製品などが出てくることも考えられるので、我々もしっかりと情報発信をしていきたい」と語った。

独自基準や情報発信など、業界内での取り組みが続くウイスキー業界。新規参入も増える中、今後も人気は続きそうだ。

関連リンク
ジャパニーズウイスキーの日
日本洋酒酒造組合

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