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ニューヨーク証券取引所の親会社、NYSEユーロネクストが「小が大を呑む」買収で身売りを決定

NYSEユーロネクスト(ティッカー・シンボルNYX)が2005年に株式を公開したインターコンチネンタルエクスチェンジ(ティッカー・シンボルICE=同社はしばしば「アイス」という呼称で呼ばれます)にNYXの一株につきICEの0.17株+$11.37(寄り前のICE株の株価に基づくと、約$33.12=82億ドル)で買収されることに合意しました。ディールのタイミングは2013年半ば頃です。

下は米国に公開されている主な取引所の今年の予想売上高です。今回買収する側に立つICEは買収されるNYXより売り上げ規模が小さい点に注目して下さい。

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合併比率はICE株主が新会社の64%を、NYX株主が36%を所有することになります。この買収でICEはエネルギーを中心とした先物市場の運営者から普通株を含めたオールラウンドの総合市場企業となります。

ICEのCEOであるジェフリー・スペッカーが新会社のCEOとなりNYXのダンカン・ニーダーアウアーは新会社の社長となります。NYSEのトレーディング・フロアは少なくとも今のところ現状のまま、残す計画だそうです。IT費用や間接費の重複を省くことで、向こう3年間で4.5億ドルのコスト削減効果があるそうです。

なぜ売り上げ規模の小さいICEが主導するカタチで買収交渉が進んだか? という点ですが、ICEの方がNYXより急成長している関係でPERが高く、従って時価総額も大きかった点が指摘出来ます。

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下はICEの業績です。なお、いつもおなじみの略号ですがDPSは一株当り配当、 EPSは一株当り利益、 CFPSは一株当りキャッシュフロー、 SPSは一株当り売上高の略です。

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次にNYSEユーロネクストの業績も示しておきます。

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なおNYSEユーロネクストが持っている欧州での取引所はICEの目からみると魅力的でない資産なので、将来、ユーロネクスト(フランス、オランダ、ベルギー、ポルトガル市場)を欧州の株式市場にIPOする可能性を模索したいそうです。

近年、欧米の取引所は合併統合を繰り返してきました。これはコミッションの減少、IT投資負担の増加などが原因です。NYXは過去にさまざまなライバルから買収の提案を受けましたが、これまで拒否してきた。今回は両社の事業にオーバーラップが少ないので反トラスト法の見地から待ったがかかるリスクは低いです。

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