2022年度の1年生から使われる高校の教科書は、学習内容を身近なことがらと結びつけようと、教科書各社が工夫をこらしている、ということです。
電力2社の料金プランの比較、面接の受け方、いったん収めた入学金は返還されるか、紙を何回切って重ねたらスカイツリーを超えるか、ゆで卵の作り方(黄身と白身では固まる温度が違う?)等々。
新型コロナについても、6教科で記述されているそうです。
背景には、高校生の学習意欲が高まらない現状があり、ある出版社は「1年生のうちから少しずつ社会に出る準備をしてもらおうと、社会ですぐ役に立つものを取りあげた」としています。
高校生の学習意欲としては、学校外で勉強を休日は「しない」という高校2年生が3割いて、中学3年生の時の3倍に上っている、と21世紀出生児縦断調査でわかっています。
教科書を探求重視にすることはよいと思いますが、教員の指導力が鍵になる、と指摘されています。
現場は厳しい状態で、「情報」は教科の免許のない教員も教えていて、「地理」も専門の教員が少ないなど、教えられるかが問題になっている、と報じられています。
時間外労働が多い職種に必ず入っている教員の働き方改革は始まったばかりで、多忙すぎて授業の準備ができない、といわれています。
以前から指摘しているように、学校を閉じられた場ではなく、社会の多くの人が関われるようにして、専門分野については専門の人が教えられるようにしていくことも必要だと思います。