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ダチ公人脈を築き「叙事詩的スケールで」イカサマのトレードをしたUBSのトレーダーのせいで、UBSが15億ドルの罰金を払うことに同意 LIBORスキャンダル

ウォールストリート・ジャーナルによると米、英、スイスの当局からのLIBORスキャンダルで不正を働いた疑いをかけられたUBSが15億ドルを支払う事で示談に持ち込むことになりました。

不正を働いたトレーダーは無数に居ますが、とりわけUBS東京支店で勤務していたトーマス・ヘイズ容疑者(=米国の当局から起訴されています)は同支店に勤務していた2006年から2009年の間に2.6億ドルもの「利益」を上げたとしています。

しかしヘイズ容疑者のLIBOR操作は、彼が26歳でUBSに入社直後、未だトレーダーの見習いをしている時から始まっており、レート操作に関する無数のチャットのやりとりが見つかっています。下はその例です(全てが彼の発言かどうかは、知りません):

「今日、LIBORを吊り上げるようにオレが知っているヤツにプレッシャーをかけておいたぜ」

「おまえのレート操作を助けることにはイヤとはいわないけど、マジのレートより7bpも乖離した水準というのはヤバい。もしそれをやったらUBSからクビになる。御免だね」

「ありがとうトモダチ! 今回はすごく世話になった。レートは64でセットされた。これはお付き合いの義務以上を果たしている!」

「ようトモダチ! 折り入ってお願いがある。是非6mの下の方でレートを作ってくれないか? 本当に恩に着る」

「わかっているさ、トモダチ。架空のオファーをちょっと突っ込んでみる。これでキミのたすけになるといいけれど」

「きみはLIBORの操作にすごく熟達してきたな。モナコでヨット遊びするときは、オレの事を思い出してくれ」



つまり彼はトレードが上手かったのではなく、「あ、うん」の呼吸で業者間でお互いの面倒をみあう、「ダチ公」のネットワークを構築し、儲け合ったということだと思うのです。
それを見過ごしたUBSは管理能力ゼロだし、監督当局であるBBA(英国銀行協会=そもそも業界団体に価格決定の監督を任せている点が、泥棒に金庫の番をさせるような愚行ですが)も全く仕事をしていなかったと言えます。なおUBSは今回の事件で相当懲りたのか、そもそもFICC(債券、為替、コモディティ)のビジネス自体から完全撤退する意向を表明しています。

なおLIBOR操作ではUBSだけでなく既にバークレイズも罰金を払うことに合意しています。業界横断的にごまかしが蔓延していたわけです。

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