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- 2021年03月29日 09:30
“生理貧困”の根絶と自尊心の回復をめざす英国「ヘイ・ガールズ」、どんな女の子にも高品質のナプキンを使ってほしい。
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先進国の一つである英国で、約4割の女の子が生理用品を買えずにトイレットペーパーを代用したことがあるという調査結果が出た。
毎月訪れる数日間に、心身への負担だけでなく経済的な負担がのしかかる〝生理貧困〟。社会的企業「ヘイ・ガールズ」はその根絶に取り組む。
「まったく別の人生が始まりました」とホドソンは語る。住宅支援で住む場所を指定され、食料引換券で子どもに食べさせるものも限られた。「お金がないひとり親は、自分で物事を決めたりコントロールすることができなくなります。子どもは我慢を強いられ、低廉なものしか与えられず、その恥ずかしさはおそらく一生トラウマになるでしょう」
似たような状況で生きる女性たちが、スーパーのレジで合計金額が所持金を上回ってしまったことに気づいた時の気持ち、そして帳尻を合わせるために何を犠牲にするかをホドソンは知っている。「母親として最初に棚に戻すのは自分のもの、たとえばシャンプーや生理用品です」
生理期を靴下や小さな布でしのぐのは、親だけの話ではない。子どもたちが成長し物心がつくにつれ、親を気遣うようになるからだ。「経済的負担をかけたくないがために、生理中であることを親に言わない10代の少女もいます」とホドソン。「彼女たちは友達にナプキンをもらったり、残り3個しかないタンポンを12時間も入れっぱなしにしたりします。これらはすべて自尊心に影響するでしょう」

実際、国際NGOプラン・インターナショナルが17年に英国で調査した結果によれば、生理用品を買うお金がなくトイレットペーパーを代用したことがある女の子(※1)は4割にのぼる。7人に1人が生理用品の購入に苦労したことがあり、貧困状態にある4人に1人が生理期間に学校を欠席したことがあるという調査結果も出ているほどだ。
※1 調査は14~21歳の女の子を対象に行われた。
こうしたことから2018年1月、ホドソンは2人の娘とともに「ヘイ・ガールズ」を設立した。娘たちとの会話で出てきたアイディア、「一つ買って、一つ寄付」モデルで生理用品を販売する社会的企業だ。同社の生理用品は現在、英国全土にある大手スーパーのチェーンで500店舗以上、184の生協で販売されている。200を超える協賛団体の協力も含め、これまで学校やフードバンク、DVシェルターなどに670万個以上が寄付された。

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英国でも生理の話はタブー。
「生理貧困にまつわるキャンペーンの多くはチープな生理用品を配布していますが、それではまるで女の子たちに『あなたの価値はこの程度』と言っているようなものです。お金がない人は単に今すぐ生理用品を買えないというだけで、その人が高品質のナプキンを使うべきでないということではありません。私たちはみなさんがスーパーで買ったものとまったく同じものを寄付します。それは、高品質のナプキンをどんな人にも使ってほしいからです」
英国では、生理用品にかかわる支出はひとり1ヵ月あたり10ポンド前後(約1400円)といわれ、付加価値税(消費税)として5%が課税されている。ナプキンなどが生活必需品にもかかわらず課税されているこうした実情には世界各国で反対運動が起きており(※2)、「男性の問題であればもっと早くに政治家たちが取り組んでいたかもしれない」という声もある。近年は社会の関心も高まり、自主的に税金を負担するスーパーも現れている。
※2 反対運動で生理用品にかかる税は「タンポン税」と呼ばれ、カナダやインドなどでは消費税が廃止された。
4割の女の子がナプキンにトイレットペーパーを代用
セリア・ホドソンがパートナーと別れたのは、一番下の子どもが生後2ヵ月の時だった。気がつくと、子どもたち3人は小学生へと成長し、給付金をもらうシングルマザーとして子育てに苦労する自分がいた。「まったく別の人生が始まりました」とホドソンは語る。住宅支援で住む場所を指定され、食料引換券で子どもに食べさせるものも限られた。「お金がないひとり親は、自分で物事を決めたりコントロールすることができなくなります。子どもは我慢を強いられ、低廉なものしか与えられず、その恥ずかしさはおそらく一生トラウマになるでしょう」
似たような状況で生きる女性たちが、スーパーのレジで合計金額が所持金を上回ってしまったことに気づいた時の気持ち、そして帳尻を合わせるために何を犠牲にするかをホドソンは知っている。「母親として最初に棚に戻すのは自分のもの、たとえばシャンプーや生理用品です」
生理期を靴下や小さな布でしのぐのは、親だけの話ではない。子どもたちが成長し物心がつくにつれ、親を気遣うようになるからだ。「経済的負担をかけたくないがために、生理中であることを親に言わない10代の少女もいます」とホドソン。「彼女たちは友達にナプキンをもらったり、残り3個しかないタンポンを12時間も入れっぱなしにしたりします。これらはすべて自尊心に影響するでしょう」

globalmoments / iStockphoto
実際、国際NGOプラン・インターナショナルが17年に英国で調査した結果によれば、生理用品を買うお金がなくトイレットペーパーを代用したことがある女の子(※1)は4割にのぼる。7人に1人が生理用品の購入に苦労したことがあり、貧困状態にある4人に1人が生理期間に学校を欠席したことがあるという調査結果も出ているほどだ。
※1 調査は14~21歳の女の子を対象に行われた。
こうしたことから2018年1月、ホドソンは2人の娘とともに「ヘイ・ガールズ」を設立した。娘たちとの会話で出てきたアイディア、「一つ買って、一つ寄付」モデルで生理用品を販売する社会的企業だ。同社の生理用品は現在、英国全土にある大手スーパーのチェーンで500店舗以上、184の生協で販売されている。200を超える協賛団体の協力も含め、これまで学校やフードバンク、DVシェルターなどに670万個以上が寄付された。

セリア・ホドソン、娘のベッキーと、ボランティアの女の子たち 写真提供: Hey Girls
英国でも生理の話はタブー。
起業から約2年ですでに数千人の生活を改善
「生理貧困にまつわるキャンペーンの多くはチープな生理用品を配布していますが、それではまるで女の子たちに『あなたの価値はこの程度』と言っているようなものです。お金がない人は単に今すぐ生理用品を買えないというだけで、その人が高品質のナプキンを使うべきでないということではありません。私たちはみなさんがスーパーで買ったものとまったく同じものを寄付します。それは、高品質のナプキンをどんな人にも使ってほしいからです」英国では、生理用品にかかわる支出はひとり1ヵ月あたり10ポンド前後(約1400円)といわれ、付加価値税(消費税)として5%が課税されている。ナプキンなどが生活必需品にもかかわらず課税されているこうした実情には世界各国で反対運動が起きており(※2)、「男性の問題であればもっと早くに政治家たちが取り組んでいたかもしれない」という声もある。近年は社会の関心も高まり、自主的に税金を負担するスーパーも現れている。
※2 反対運動で生理用品にかかる税は「タンポン税」と呼ばれ、カナダやインドなどでは消費税が廃止された。
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