記事

冬休みに行動経済学を勉強しよう

最近は経済学の様々な分野で、関連書籍のラインナップが充実してきました。その中でも、今年(特に下半期)は行動経済学【注】の出版ラッシュが目立っていたように思います。そこで、私自身が気になって購入した(一部の書籍は出版社の方々から頂きました。改めてお礼申し上げます!)書籍を以下でご紹介させて頂きます。

経済学に欠かせない一分野として、ようやく定着してきた感のある行動経済学。冬休みや年末年始のまとまった時間を利用して、一度本格的に勉強されてみるのも良いかもしれません。かく言う私も、こういった新しい知見はできるだけ吸収しておきたいので、ぜひ1冊でも多く読みたいです^^ (「先延ばし」しないように気をつけないと… 苦笑)

【注】「行動経済学」が何かについては、私が担当しているイミダス該当記事をご参照頂ければ幸いです。この分野の直接の専門家ではないので不正確な記述があるかもしれませんが、ざっくりとした雰囲気は伝わるのではないかと思います。

特に気になる3冊

ファストスロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?


行動経済学分野で(現在のところ)ただ一人だけノーベル経済学賞を受賞しているカーネマン教授の最新刊。脳内の働きを、直感的・感情的な「速い思考=システム1」と意識的・論理的な「遅い思考(システム2)」という2つのシステムにわけ、その対比を通じてヒトの意思決定プロセスを解き明かしていきます。上・下巻に分かれ分量的にやや重たいですが、文章は読みやすく、一度読み始めたら一気に止まらなそうな雰囲気。期待の大注目作です!


ずる 嘘とごまかしの行動経済学


ベストセラー『予想どおりに不合理画像を見る』の著者であるダン・アリエリーの最新作。今回のテーマはなんと「嘘」や「不正」。どういった切り口でこのちょっぴり意外なテーマに経済学的に切り込んでいくのか楽しみです。


自滅する選択 先延ばしで後悔しないための新しい経済学


行動経済学の中心的な研究トピックの一つである「時間を通じた意思決定(の歪み)」に焦点をあてた玄人好みの一般書。表層的な先延ばし行動の解説だけではなく、それをもたらす意思決定の仕組みや罠について、学術研究の知見を多数紹介しながら解説していきます。本年度の日経・経済図書文化賞にも選ばれた深~い1冊。

他にもまだまだ気になる関連書が…


ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣


名著『その数学が戦略を決める画像を見る』の著者イアン・エアーズの新作。彼自身も取り組んでいる、効果的な「コミットメント」の効果が紹介されています。本当に役に立つ(かもしれない)行動経済学の実践書。


人はお金だけでは動かない 経済学で学ぶビジネスと人生


行動経済学や幸福の経済学に関する近年の実証研究がたっぷり引用されています。最新の研究動向を探るため、あるいはもっとカジュアルに、経済学のおもしろネタ本<最新版>として、本棚に入れておきたい1冊。


新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか


数年前に注目を集めた行動経済学のパイオニア的啓蒙書が新装版で復活。旧版を読まれていない方は(きっと)読む価値アリ。以前、大阪大学の大竹文雄先生がブログで本書を紹介されていました。ぜひご参考ください!


意思決定理論入門


意思決定理論の分野で山のように論文を量産している重鎮ギルボア教授の3部作の入門編(中級編画像を見る上級編画像を見るもそれぞれ翻訳が進行中との噂です)。類書できちんと触れられることが少ない、行動経済学と伝統的な経済学との繋がりや相違点がわかりやすく解説されている点が特徴的です。行動経済学の全体像がよりしっかりと見えてくる、意思決定理論の入門書決定版!

最後に洋書も少しだけ


An Introduction to Behavioral Economics


行動経済学にはまだ定番と呼べるほど人気を集めるテキストがありませんが、本書はひょっとするとそれに近い1冊かもしれません。この勢いも手伝ってか、初版が発売されてから5年弱で早くも第二版が登場しました。急速に発展する分野に合わせて、大幅に内容がアップデートされたようです。学部生(中級以上)でも十分に読める難易度ですので、意欲的な方は短期集中で通読してみるのも良いかも!?


Is Behavioral Economics Doomed?


ゲーム理論の大家であり、かねてから行動経済学の研究スタイルに批判的であったレヴィーン教授の行動経済学批判エッセイ。オンラインでの閲覧はなんと無料、Kindle版画像を見るは300円で入手可能です。


行動経済学の応用書


まだ数は少ないですが、行動経済学的知見の特定分野への応用研究を紹介する専門書も出てきました。以下でご紹介するのは、産業組織論、財政、法と経済学への応用をそれぞれ扱った3冊です。ちなみに、3冊目の著者サンスティーン教授は、経済学者セイラー教授との共著で話題となった『実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択画像を見る』の著者としても有名です。最近も『最悪のシナリオ―― 巨大リスクにどこまで備えるのか画像を見る』、『熟議が壊れるとき: 民主政と憲法解釈の統治理論画像を見る』と立て続けに邦訳書が登場しているので、気になる方はそちらも合わせてチェックしてください。


Bounded Rationality and Industrial Organization


Policy and Choice: Public Finance Through the Lens of Behavioral Economics


Behavioral Law and Economics

あわせて読みたい

「書評」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    変異株は「全く別のウイルス」 スーパーサイヤ人みたいなもの

    中村ゆきつぐ

    05月09日 08:22

  2. 2

    「場当たり的な対応」にみる菅政治の限界

    おくの総一郎

    05月09日 08:07

  3. 3

    菅さんは、小池さん並みにマスコミを上手に使えばいいのになあ

    早川忠孝

    05月09日 16:21

  4. 4

    お相撲さん→スーパーの店長→モデル→インドで人気俳優…元力士の波乱万丈すぎる人生

    文春オンライン

    05月09日 15:23

  5. 5

    驚愕のデータ!日本のコロナ感染拡大は空港検疫陽性者数とほぼ相関!なぜコロナを防げないのか?

    かさこ

    05月09日 08:19

  6. 6

    母親像や家庭のあり方が多様化する現代で感じる「母の日」への違和感

    常見陽平

    05月09日 13:39

  7. 7

    小池都政DX戦略大失敗!急げ医療者へのワクチン接種

    上田令子(東京都議会議員江戸川区選出)

    05月09日 21:10

  8. 8

    「遊びは富を生み出さない」の定義を変えたYouTuberのゲーム実況

    Dain

    05月09日 11:34

  9. 9

    会議中に「頭ごなしの反論」があったときの天才的な切り返し方

    PRESIDENT Online

    05月09日 14:29

  10. 10

    過剰な公平意識で「一部の業界に圧倒的なリソースを注ぐ」決断できず感染が加速

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    05月09日 10:22

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。